1974年にも映画化されたアガサ・クリスティの名作ミステリーを、ケネス・ブラナーの
製作・監督で新たに映画化した作品です。
トルコ発フランス行きの寝台列車オリエント急行で、富豪ラチェットが刺殺されます。教
授、執事、伯爵、伯爵夫人、秘書、家庭教師、宣教師、未亡人、セールスマン、メイド、
医者、公爵夫人という目的地以外は共通点のない乗客たちと車掌をあわせた13人が、
殺人事件の容疑者。この列車に乗り合わせていた世界一の探偵エルキュール・ポアロ
は、列車内という動く密室で起こった事件の解決に挑むことに・・・。
特筆すべきは豪華なキャストで、主人公の名探偵ポアロ役をケネス・ブラナー、事件の
被害者役をジョニー・デップ、未亡人役をファイファーが演じるほか、教授役にウィレム・
デフォー、家庭教師役にデイジー・リドリー、公爵夫人役にジュディ・デンチ、宣教師役に
ペネロペ・クルスが配されています。
最初からイスタンブールの描写が素晴らしいと息をのみましたが、最後まで素晴らしい
映像と途中からの会話劇に酔いました。この作品について賛否両論があるようですが、
昨今は無暗やたら超ヒーロー物が氾濫して食傷気味だったので、私は楽しく見ました。
一見古めかしいところはありますが、それが逆に楽しい感じ。ただ主人公以外のキャスト
の主演クラスが多過ぎて、いま一つ生かされていなかったことが唯一残念でした。