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「最後の忠臣蔵」は、池宮彰一郎の同名小説の映画化で、赤穂浪士の
吉良邸討入りの後、四十六士が切腹して殉じた中、ある目的のため密
かに生き残った二人の男の物語です。
監督の杉田成道はテレビ出身だそうですが、時代劇製作をよく勉強し
ていて構成・展開も正攻法で立ち向かい、小気味いい上質の時代劇に
仕上げています。
しかも時代劇をよく知っているスタッフを集めているようで、これも
成功の要因でしょう。
映画の頭から人形浄瑠璃の場面が出てきて途中も挿入されるし、場面
転換に使われる竹林などの情景とともに独特の雰囲気を醸成していて
成功しています。
最近は時代劇復活が叫ばれ、多くの作品が出ていますが、それらの中
では一番優れていると思います。
俳優陣では役所広司が抜群にいいです。
更に佐藤浩市や安田成美・伊武雅刀がいい味を出していますが、拾い
物はもう一人の主役でもある桜庭ななみで、今後が楽しみです。