藤村志保さんの訃報に接し茫然としています。
大映時代に親しくしていた女優さんの一人だった人で、映画館主のパーティや、舞台挨拶で九州には良く来てもらいましたが、実に明るく素直でシンの強い人なので、みんなから好かれるタイプの女優さんでした。
フリーな旅がしたいと、当時は元気だったお母さんと一緒に九州に入るのをお手伝いしたり、お母さんの友人が熊本市の上通りで、食事処をされていて、私まで一緒におよばれを受けたこともあります。幼少の時は厳しく育てられたようですが、あのように仲のいい親子はめったにお目にかからない・・・が私の印象です。
「妻の日の愛のかたみに」のロケで福岡県柳川市に入り、出番が終わってロケ途中帰京する時も彼女と姿美千子と私の3人で、福岡へ一旦戻り食事をしたりボーリングをしたりして、時間を調整した思い出もあります。着物姿が多い彼女ですが、本当はとてもスタイルがいい人で、洋服がとても似合う人でもあることを、一緒にボーリングをしていて発見しました。
彼女はもともと日本舞踊・花柳流の名取さんなのに、大映後に武原はん先生の地唄舞を観て感激し、どうしても地唄舞を踊りたいの一心で花柳流名取を返上、40歳からお稽古をつけてもらって、ついには自分の地唄舞の会を開くに到ったという記事を読みましたが、この事こそ彼女の全てを語っているのではないかと思います。どうか安らかにお眠りください。合掌