地球の歴史における「人新世」という時代

137億年前に「無」から宇宙が誕生した。それからおよそ100億年ほどたってから(46億年前)、わが地球が誕生した。以後、地球の歴史は、主として地質上と気候上の区分でいわれてきた。

今から370万年前にアフリカ大陸で人間に似た動物が登場した。「猿人」(アウストラピテクス)の時代を経て「原人」(北京原人など)の時代が続く。
20~19万年前に、ようやくわがホモサピエンスという今につながる人類の祖先が地球上に登場した。
「人新世」が始まった。地球上に登場した生物である人間は、初めて「もっと倖せになるために何をしたらいいか」を考えることができる動物だった。手と足、そして言葉を使い、周りの環境を、どんどん自分たちのために活用するようになった。

地球の歴史からすれば、この人類の活動してきた時間はほんの一瞬だったろう。20万年にも足らない時間だった。しかしこの生物史上稀有の存在である人間は、このとるにたりない時間の中で人間のみならず全生物にまで影響を及ぼすような役割を果たしている。このことを、まとめて引用しておこう。

「人新世(じんしんせい、ひとしんせい)とは、人類が地球の地質や生態系に与えた影響に注目して提案されている、地質時代における現代を含む区分である。人新世の特徴は、地球温暖化などの気候変動、大量絶滅による生物多様性の喪失、人工物質の増大、化石燃料の燃焼や核実験による堆積物の変化などがあり、人類の活動が原因とされる」。

果たしてこれからこの時期がいよいよ本番を迎える中で、人類は、自分たちが創りだしてきたマイナスの要素を完全に克服して地球の自然の姿を再現してくれるのだろうか。この人類的役割をこの地球に刻印するのも「人新世」の不可欠の特性となる。
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