kametaro爺さんのよもやま話(ペイント画を含む)

日常の生活の中で、主に気付いたことやしたことをまとめておきたい。また、ブログにアップしたい

歌舞伎は、どのように育ってきたのだろうか・・・その2

2016-05-23 15:00:17 | 日記

1-4. 歌舞伎は、この発祥時の精神を受け継ぎ、約400年の歴史の中で、さまざまな時代の困難を乗り越えながら、他の芸能やそのときどきの流行などを貪欲(どんよく)に取り入れ、たくましくまた柔軟に発展してきました。その結果、歌舞伎は、演劇・舞踊・音楽の各要素を備えた「総合芸術」として現在に受け継がれています。

 

1-5. 女方はなぜ誕生したのでしょう (前回の続き)

歴史的な経緯から、歌舞伎では女性役を含めたすべての役を男性が演じます。この女性役、また女性役を演じる俳優のことを「女方(おんながた)」、反対に男性役、また男性役を演じる俳優のことを現在では「立役(たちやく)」といいます。[歴史的には、「立役」は、悪人の男役である「敵役(かたきやく)」に対して、善人の男役をさしましたが、現在では一般的に広く男役全体をさします。]

 「女方」は、衣裳や化粧などの扮装だけで、「女性らしさ」を表現しているわけではありません。例えば女性が歩く様子を演じる場合、「女方」では両膝をつけて内股で歩くことで「女性らしさ」を表現します。また舞台上では、肩甲骨をぐっと下に落とすことで、女性のなで肩を表現します。これらは男性である「女方」が、写実的に女性をまねするのではなく、あくまで舞台上で「女性らしく」見えるように工夫してきた演技法です。