kametaro爺さんのよもやま話(ペイント画を含む)

日常の生活の中で、主に気付いたことやしたことをまとめておきたい。また、ブログにアップしたい

竹久夢二について・・・Aクラス授業その3

2012-06-03 15:12:17 | 柏シルバー大学院
画風の特性
1) 竹久夢二は、孤独な漂泊者としてその生涯を終えた人である。数多い女性
との噂は、スター的存在としての夢二像を生んだが、心の奥底には、抗し難い寂しさがいつも潜んでいた。その寂しさを埋めるため、彼は永遠の旅人として、放浪し続けた。それは、女性のうちに、自然のうちに、そしてまた一冊の聖書のうちに、「癒し」を求める旅であったともいえよう。

2) 夢二の心に安らぎを与え、良きモデルにもなった笠井彦乃は、夢二にとっ
て 「永遠のひと」であった。この彦乃をモデルとして次第に夢二の画風は確
立、彼独自の省略とデフォルメが生まれていった。自分を「河(川)」そして
彦乃を「山」と呼んだ夢二は、ことに晩年、山の絵を好んで描いている。最
愛の女性を山の絵に託し、そこに終わることのない永遠の縁を求めようとし
たのであろう。

夢二が女性を描く時、単に外見の美しさだけではなく、内面に隠された女性
の深い哀しみ、夢二自身の哀しみ、そして普遍的な人間の哀しみをも伝えよ
うとしたからであろう。

3)夢二の絵には、教会のある風景や十字架など、「キリスト教的な世界」を感
じさせるものが数多く見出される。それらには、エキゾチックな雰囲気とと
もに、どこか夢二の澄みきった哀愁が感じられる