kametaro爺さんのよもやま話(ペイント画を含む)

日常の生活の中で、主に気付いたことやしたことをまとめておきたい。また、ブログにアップしたい

野菊の墓“伊藤左千夫について    その2

2011-07-15 08:33:14 | 柏シルバー大学院
伊藤左千夫へ

拝啓只今ホトトギスを読みました。野菊の墓は名品です。自然で淡泊で、可哀想で、美しく、野趣があって、結構です。あんな小説なら何百篇よんでもよろしい。36ページの「民さんのお墓に参りました。」は、甚だ佳と存じます。只次にある「只一言である云々」の説明はない方が良いと思います。
小生帯文に趣味の遺伝と言う小説を書きました君の程自然も野趣もないが、亡人の墓に白菊を手向けるという点において少々似ておりますから序に読んで下さい。
押しつまって御多忙のことと存じます。新年欠礼いたします。以上
  12年29日
伊藤大兄                         金[夏目漱石                       

その後、旅をして、歌や写生文を書いた。大災害が大きな打撃を与えた。

晩年の歌風は、「ほろびの光」をはじめとし、人生的な寂しさを味わい、幽寂の境に入って作風をあらわし、「叫び」を強調していった。「叫び」の歌人伊藤左千夫の歌風の達成を見たのである。