宮応かつゆきの日本改革ブログ

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日本と米国は対等な関係なのか。 日米首脳会談・共同声明は日本の未来をどう描いたか

2014年04月27日 | 綱領関連

 23日から25日のオバマ米大統領の訪日と安倍首相との首脳会談、共同声明の発表から、日本の未来、アジア・太平洋地域の平和的未来が見えてきただろうか。 外務省が公表した「日米共同声明ーアジア太平洋及びこれを越えた地域の未来を形作る日本と米国」は、冒頭部分で次のように書かれています。

 「日本と米国との間の関係は、相互の信頼、ルールに基づく国際的な秩序への共通のビジョン、民主的な価値の支持及び開かれた市場の促進に対する共有されたコミットメント、並びに深い文化的及び人的な絆の上に築かれている。 日米同盟は、地域の平和と安全の礎であり、グローバルな協力の基礎である。 国際協調主義に基づく『積極的平和主義』という日本の政策と米国のアジア太平洋地域へのりバランスは、共に、平和で繁栄したアジア太平洋を確かなものにしていくために同盟が主導的な役割を果たすことに寄与する」

 「共同声明」は、「日米両国は」を主語として、文章が作られています。 こうした文脈からは両国の関係が、「対等で平等な関係」であることが前提とされています。

 しかし、首脳会談やその後の共同記者会見、同時並行で行われた、「TPP交渉」の内容(全容は隠されたまま)からは、こうした関係が表面的なものであったことが浮き彫りになってきているのではないでしょうか。

 「共同声明」では、米軍の存在、配備について、次のように書かれています。

 「日米両国は、両国が直面する共通の安全保障上の課題を踏まえ、日米防衛協力のための指針の見直しによることを含め、日米安全保障協議委員会の指示に従い、日米の安全保障同盟を強化し、現代化している。 米国は、最新鋭の軍事アセットを日本に配備してきており、日米安全保障条約の下でのコミットメントを果たすために必要な全ての能力を提供している」

 「日米両国は、地域の安全を維持するための米国の拡大抑止の重要性を再確認した。 グアムの戦略的な拠点としての発展を含む、地理的に分散し、運用面で抗堪(こうたん)性があり、政治的に持続可能な米軍の態勢をアジア太平洋地域において実現することに向け、継続的な前進を達成している」

 こうした、米軍の存在と役割の確認の上で、「米国は、日米両国間の政策及びインテリジェンスに係る調整の強化を促進することとなる日本による国家安全保障会議の設置及び情報保全のための法的枠組みの策定を評価する」

 「米国は集団的自衛権の行使に関する事項について日本が検討を行っていることを歓迎し、支持する」という仕組みになっているのではないでしょうか。

 ここには、日本の憲法上の理念や9条に関わる意識、思いは全くありません。 文字通り、日米軍事同盟ー日米安全保障条約が全ての不動の大前提となっています。 そもそも、『憲法』の下では、成り立たない『声明』ではないでしょうか。

 TPPに関しては、「共同声明」は、「TPPに関する2国間の重要な課題について前進する道筋を特定した。~両国は全てのTPP参加国国に対し、協定を妥結するための必要な措置をとるために可能な限り早期に行動するよう呼び掛ける」などと書かれれいます。 ここにも、日米の横暴性が現れているのではないでしょうか。

 この点で、印象深いのは、オバマ大統領が、共同記者会見で述べた発言です。

 「日本経済において、農産品、自動車といった一部の分野で、市場の開放度が制限されている。 米国の消費者に対するマーケットアクセスに比べると限られている。 今こそ解決すべき時だ。 日本が更に前進したいと思うのなら、改革を実施しなければならない」(「読売」25日付)

 この発言には、それそれの国民の食文化や食の安全、農業・農畜産品に対する洞察、食料主権の尊重など微塵も感じられません。 あるのは、米国の巨大アグリビジネス産業や自動車産業のための市場拡大の欲望を丸呑みした姿勢です。 安倍首相と「すし」を食べたということが話題になりましたが、 「すし」という食文化を生み出した日本の長い食の歴史はほとんど理解していないようです。

 「共同声明」は「未来」を「副題」にしていますが、「戦争する国に変えられる日本」「食料や医療、労働のルールも自分たちで決めることもできないような国」に、「未来」を託すことができるでしょうか。

 あらためて、「日本には、憲法がある、この憲法を生かした国づくりこそ、日本国民の道そして、アジアの国々、人々とも心から協力していくことができる道だ」ということを強く感じています。