日本共産党の志位和夫委員長は5日、貧困打開案を提案し、安倍首相を質しました。
志位氏は、冒頭次のように、「生活保護の在り方」について、日本共産党の考え方を明らかにしました。
「今年は、5年に一度の生活扶助基準の見直しの年となっていますが、安倍政権が、最大5%という生活扶助基準引き下げの方針を決めたことに対して、国民の不安と批判が広がっております」
「生活保護の問題は、制度を利用している人だけの問題ではありません。 今日の日本で、貧困は、特別の事情ではなく、倒産、失業、リストラ、病気、親や家族の介護などで職を失えば、誰もが貧困に陥っておかしくない状態におかれています」
「生活扶助費の低さ下げは、住民税、保育料、介護保険料、就学援助、最低賃金などに連動し、広範な国民生活に重大な影響を与えます。 憲法25条に明記された国民の生存権を保障する最後のセーフティーネットである生活保護のあり方は、すべての国民の権利にかかわる重大な問題であります」
日本共産党は、2014年1月に開いた第26回党大会決議で、「日本の未来社会への移行の過程の条件ー経済力の水準について」(「前衛」誌、大会特集号56~57頁)の項で次のように述べています。
「日本が、当面する資本主義の枠内での民主主義革命の課題をやりとげて、社会主義への道にすすむ場合には、発達した資本主義のもとでつくられた巨大な経済力の水準を引き継ぐことになる。 その場合には、現在の中国社会で進行しているような経済の急成長、それにともなう社会的諸矛盾の拡大という現象は、決しておこらないだろう」
「日本共産党は、現在の水準でも、日本国憲法にいう『健康で文化的な最低限度の生活』を国民すべてに保障できるだけの経済力をもっている。 社会の現実がそうなっていないのは、財界・大企業の横暴な支配のもとで社会的格差が拡大しているという問題にくわえて、今日の資本主義がきわだった『浪費型の経済』-繰り返される恐慌、大量生産・大量消費・大量廃棄、金融危機の異常な肥大化などーになっているためである」
この認識と提起は、今日、ますます重要になっているのではないでしょうか。
志位氏の指摘のなかで、私自身も体験している問題として、「生活保護は恥=『スティグマ』」という偏見です。
志位氏は、2013年の国連社会権規約委員会の日本政府に対する勧告の取り組みについて質しました。
「委員会は、公的福祉給付に付随したスティグマ―恥の意識ーを解消する目的で、締約国が国民の教育を行うよう勧告する」「政府はこの勧告を受けて、どのような措置をとったんですか」 志位氏と厚労相や安倍首相との応答の結果。
安倍首相は、「生活保護を受給することへの偏見をなくし、保護を必要とする方は、確実に保護を適用するという方針のもと、適正な運用に取り組んでいく」と答弁しました。
この答弁を、生活保護の申請権を侵害している「水際作戦」を根絶する運動などにに生かしていきたいと思います。