「戦争か平和かをめぐって、戦後最大の歴史的岐路を迎えている日本」の今にあって、大変大きな、勇気ある発言に出会ったように思います。
「しんぶん赤旗」8月3日付「日曜版」の「日本の岐路 今言いたい」コーナーに昭和女子大学学長の坂東眞理子さんが登場し、語っています。 私が同感し励まされた部分を紹介します。(全文はどうぞ「日曜版で)
「日本が60年余りの間、戦争をしなかったことは、この国に繁栄をもたらし、国際社会の尊敬を得て、現実的な利益につながりました。 このことを忘れてはいけません。 憲法9条は輝きを放っています」
「ところが近頃、戦争の悲惨さや平和の大切さを知る人が少なくなりました。 政治家の中には『普通の国になるんだ』『ほかの国から侮られないためには武装しなければいけない』という”元気で愛国的”な方がいらしゃいます。 しかしその愛国心は現実的な裏付けのないバーチャルなものです」
「日本も、自分たちは経済的に優れた国民だと思っていたところ、『失われた20年』でそうではない現実をつきつけられたように感じたのでしょう。 フラストレーションがたまり、それがバーチャルな愛国心やヘイトスピーチなどの背景になって不安や不満のはけ口を求めているのだと思います」
「集団的自衛権の行使を閣議決定で容認する手法は、既成事実を積み重ねてなし崩し的に憲法を変えるのではないかと心配です。 この危ない流れを前にして、フラストレーションに負けない強い心を国民一人ひとりが持つことが大事です、と言いたい」
「じつは昭和女子大学は今年、『女性は世界を変える』という”元気がいい”テーマをアピールしています。 革命を起こすようなイメージを受けるかもしれません。 ~中略~本学で、日本初の大学による『女性のビジネススクール』を開講し、起業家コースを始めました。 受講生は、自分が苦労したり困った時に、『どうして世の中にこういうサービスがないんだろう』と感じたことをアイデアに出し、ビジネスにしようとしています」
「男性は起業というと、『このビジネスは成長するか』『もうかるか』と考えがちです。 しかし、『成長が全て』ではありません。 経済を、人を幸せにするためにあるというその本来の姿にちかづけることは、『世界を変える』立派な仕事です」
「自分は社会を変える力のない無力な存在だとあきらめている女性はまだ多いです。 『だれかが変えてくれる』ではなく、『私が変えるんだ』と思わなきゃ世のなかの変化は起こらないのではないでしょうか。 私たちは微力だけれど無力ではない。 微力は微力なりに黙っていないことが大事です。 それは危ない大きな政治の流れに対しても言えることです」