「しんぶん赤旗」19日付一面、「志位委員長の領土問題発言、ロシアの国会議長らが反応」に注目しました。 志位氏の発言は、「読売」15日付、「インタビュー 領土 千島列島 全てを対象に」に掲載れたものです。
志位氏は、冒頭部分で安倍政権の日露領土交渉の現状を次のように批判しました。
「日露の領土交渉を巡り、安倍首相が投げた歯舞群島、色丹島の『2島返還』というボールは、ロシア側から拒否されている。 従来の『4島返還』という外交的立場を棚上げしたことで、日本が譲歩した事実が残った。 覇権主義をむき出しにするプーチン露大統領を相手におべっかを使う交渉では解決しない」
「千島列島放棄を定めた講和条約(1951年のサンフランシスコ講和条約)の条項を廃棄するべきだ。 『北千島も含めて全て日本の領土だ』という交渉をやって初めて、南千島を取り戻すことができる」
19日付、「しんぶん赤旗」は、ロシア側の反応を次のように伝えています。
「ロシア国営のロシア・テレビ(RT)、タス通信、ロシア通信、民間のインタファクス通信などが、同日、一斉に報道。 国会議員や識者がコメントを求められる事態となりました。 ビチェスラフ・ボロジン下院議長は、『ロシアの領土一体性と主権への脅威。 そうした主張はロ日関係に有害だ』と反発」
「『第2次世界大戦の結果を見直す試みは、誰のためにもならない』と、ロシアが日本の正当な領土を不法占領していることへの批判をけん制しました」
「コンスタンチン・コサチョフ上院外交委員会委員長は、『諸島に関する立場の急進化だ』とコメント。 下院のアントン・モロゾフ議員は、『領土でロシアは譲歩しない』と有力紙『イズベスチア』に語りました」
「モスクワ教育大学のウラジミール・シャポバロフ氏は、ネットメディア『自由報道』で『この発言にはできるだけ真剣に接したい』とのべつつ、『第2次世界大戦中に日本が非常に否定的な役割を果たしたので、今の地政学的な現実が存在するのだ』と千島の占領を正当化しました」
「ロシアの国会議員や識者のコメントは、旧ソ連・ロシアの行為が『領土不拡大』の原則を踏みにじるものという志位氏の肝心の指摘に、口をつぐみ、まったく反論できないのが特徴です」(田川実 記者)
私は、このロシア側の反応記事を読み、第1に、領土という、国の主権に関わる重大な問題であるからこそ、堂々と歴史的根拠と国際法の原則を示して交渉することが何より重要だと改めて感じました。
第2に千島問題や尖閣諸島をめぐる領土問題は、旧ソ連・中国の「偽りの社会主義の侵略性論」と結びついて、日本国民のなかに歴史的に、広く沈殿した「認識」こなっていることなどから、日常的に学習を強め、国民に丁寧に、粘り強く宣伝していくことが求められていると思います。