宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

”地球生命体の「維持装置」が破壊されている” 原因は「永遠の経済成長」-グレタさん

2019年09月26日 | 環境

 9月23日、ニューヨークの国連本部で開催された「気候行動サミット」で、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンべりさん(16)が声を震わせながら訴えました。 グレタさんの訴えは、昨日付の新聞等で大きく報道されました。 「しんぶん赤旗」も1面トップで報道しました。

 私も、グレタさんの訴えを新聞、ネット等で読みました。 国際連合での本格的討議が、22年前の1997年の京都会議。 それから18年たって2015年に、「地球温暖化」防止の目標を義務付けた「パリ協定」が締結されました。 グレタさんの訴えはこうした事実を踏まえた上での厳しいものでした。

 グレタさんは、「人々は苦しみ、死にかけ、生態系全体が崩壊しかけている。 私たちは絶滅に差し掛かっているのに、あなたたちが話すのは金のことと、永遠の経済成長というおとぎ話だけ、何ということだ」と告発し、世界の政治指導者を糾弾しました。

 日本共産党は、綱領のなかでも地球環境問題を重視し、次のよううに規定しています。(現綱領は2004年1月採択)

 「-多国籍企業の無責任な活動を規制し、地球環境を保護するとともに、一部の大国の覇権主義をおさえ、すべての国の経済主権の尊重および平等・公平を基礎とする民主的な国際経済秩序の確立をめざす」(「第4章 民主主義革命と民主連合政府ー第12節)

 不破さんは、今年3月発刊した「『資本論』のなかの未来社会論」のなかで、次のように述べています。(同書 52、54頁)

 「私は、4億年ものあいだ、地上での生命体の進化をささえ、人類の誕生と進化を守ってきた地球大気を『生命維持装置』と呼んでいます。 この『生命維持装置』に1860年頃を転機として、変化が起き、大気中の二酸化炭素の増大という危険が始まったのです」

 「なにが、この危険な転機をひきおこしたのか。 答えは明らかでした。 最大限の利潤を求めて、時には、『大量生産、大量消費、大量廃棄』をスローガンに、ひたすら生産の拡大を追求してきた資本主義の産業活動が、地球史が4億年もの時間をかけてつくりあげてきた『生命維持装置』を破壊し始めたのです」

 「『地球温暖化』は、まさに資本主義そのものがひきおこした人類社会の危機です。 この危機を解決する力を発揮できるかどうか、それは、資本主義社会が21世紀に生き残る資格があるかどうかが問われる問題だということを、声を大にして言わなければなりません」


不破氏と中国社会科学院一行が会談ー「核、領土など中国の現状」等の質問に答える

2019年09月25日 | 党関係

 「しんぶん赤旗」25日付2面に、「不破社会科学研究所長と中国社会科学院一行が会談」の記事が掲載されました。 以下、記事の内容を紹介します。

 「日本共産党の不破哲三社会科学研究所長は24日午後、党本部で中国社会科学院マルクス主義研究院の辛向陽(しん・こうよう)副院長一行と会談しました」

 「不破氏は、先方の質問に答え、今日の資本主義の矛盾、30年前のソ連、東欧の政変の見方、核兵器問題、東シナ海・南シナ海でのふるまいなど今日の中国の現状、未来社会論などについて党の立場を説明しました」

 「辛副院長は、これにたいして中国の国際政治上の立場を説明するとともに、建国70年を迎える中国の現状と課題について紹介しました」

 中国の社会科学院と不破氏らの会談は久しぶりと思います。 不破氏の中国側の質問に対する回答が公開されるかどうかわかりませんが、中国が建国70年を迎える直前での今回の会談とその内容が注目されます。

 日本共産党は今月15日、第27回大会期第7回中央委員会総会を開催し、来年(2020年1月14日~18日)第28回党大会を開催することを決定しまいた。 この大会では、現行綱領の一部改定を16年ぶりにおこなうことを明らかにしています。

 志位委員長は、同総会のあいさつで、綱領の一部改定について次のように述べました。

 「2004年に改定された現綱領は、15年の内外情勢の大激動のなかで、全体として豊かな生命力を発揮しています。 いよいよ綱領で掲げた民主的改革の課題を実行に移す時代がやってきたと思います」

 「今回の改定は、綱領第三章ーー世界情勢論を中心に行い、それとの関連で第五章ーー未来社会論の一部の改定を行うという限定的な改定を考えています」

 また、同紙は、小池晃書記局長が24日の記者会見で「11月4・5日に第8回中央委員会総会(8中総)を開催し、『党綱領の一部改定案の提案』、『党大会決議案の提案』などが議題になる」と述べたと報じました。

 どのような党綱領改定の「世界情勢論」、「未来社会論」が提案されるのか、今から大変楽しみにしています。

 


エンゲルスの苦闘と功績、残された課題解明ー新刊「資本論」 不破氏の講演から (2)

2019年09月24日 | 「資本論探究」

 新刊「資本論」刊行記念講演会の不破さんの講演(詳報)が、「しんぶん赤旗」23日付に掲載されました。 「詳報」には掲載しきれない部分は、日本共産党中央委員会のホームページで視聴できます。 不破さんは「資本論」研究過程の様々なエピソードも紹介しています。

 不破さんは、まず、マルクス経済学の2つの要について、語りました。

 「第一は、なぜ資本主義が封建社会にかわって生まれ、発展したのかを解明した部分で、マルクスはこれを資本主義の『肯定的理解』と呼びました」

 「第二は、資本主義がなぜ矛盾が大きくなって次の社会に交代するのかを解明した部分で、マルクスはそれを資本主義の『必然的没落の理解』と呼びました」

 そして、志位さんも紹介したことですが、不破さんは、マルクスの「必然的没落論」の「発見」とエンゲルスの「その見落とし」による資本論第3部の編集の問題を語りました。

資本論2部、3部は、マルクスの死後エンゲルスによって編集されたことは知られていることです。 不破さんは、第3部の編集だけでも10年の歳月を要したこと、エンゲルス自身が病気とのたたかいを続け、なを様々な活動を行いながら、「最後の2編を印刷所に送ったのが(18)94年5月でした」 と紹介ました

 不破さんは「10年近い歳月をかけて生み出されたのが現行の第3部で、これで、『資本論』全3部を世界が手にすることができるようになったのです。 その10カ月後、1895年8月、エンゲルスは死去しました。 まさに『資本論」』に命をささげたといっていいと思います」と感慨深く語りました。

 私が、不破さんの講演を視聴して心に残った一つは、エンゲルス研究への新たな「挑戦」宣言とも言うべき話でした。

 「不破氏は、『こういう困難を極めた歴史的条件のもとでエンゲルスは最善を尽くしたと思います。 その努力があったからこそ、『資本論』の全体像が後世に伝わることができました。 これはエンゲルスならではの歴史的功績だったと思います」

 「私は今回、改めてその全過程を振り返って、その意義を痛感しました。 後の機会に、エンゲルスの苦闘の経過をまとめて紹介する仕事を自分の課題にしたい気になりました」

 不破講演の最後の部分を紹介します。

 「今年は、エンゲルスが『資本論』第2部を刊行してから134年、第3部を刊行してから125年にあたる年です。 この間、日本でも世界でも『資本論』の多くの諸版が発行されてきました。 しかし、エンゲルスによる編集の内容そのものに検討を加え、残された問題点を解決して、マルクスの到達した理論的立場をより鮮明にする、こういう立場で翻訳・編集した『資本論』の新刊の刊行は、これまで世界に例がないものです」

 「それだけに、私たちは当事者としてその責任の重さを痛切に感じています」


「新版『資本論』」発刊-新しい恐慌論の全文を掲載、世界で初めての解明 (1)

2019年09月22日 | 「資本論探究」

 新版「資本論」第1分冊が、今日手元に届きました。 今後、隔月毎に発行され、全12分冊が手元に届くには約2年かかるこtになります。

 9月20日、東京都内で新刊「資本論」刊行記念講演会が開かれました。 私も、「志位委員長あいさつ」「荻原伸次郎・横浜国大名誉教授のはなし」「山口富男・社研副所長の新版の内容紹介」、そして、1時間近い不破哲三氏の講演をインターネットで視聴しました。

 「しんぶん赤旗」では、22日(本日)志位委員長のあいさつが掲載されました。 今後連続して、当日の内容が掲載される予定とのことです。

 志位さんはあいさつでのなかで、綱領の「ルールある経済社会」の基礎になる諸命題について「マルクスが到達した理論的立場」がいかされていることを説明しました。

 そして、次のことを最後に強調しました。

 「それは、マルクスが、1865年前半の時期に、恐慌論にかかわって大きな発見を行ったということです。 ~すなわちマルクスは、65年前半の時期に、それまでの恐慌が引き金となって資本主義を変革する革命が起こるー『恐慌=革命』説とよぶべき立場を乗り越えて、不破さんが『恐慌の運動論』とよんでいる恐慌論を発見しました」

 「それは、資本の再生産過程に商人が入り込むことによって、再生産過程が商品の現実の需要から独立した形で、『架空の需要』を相手にした架空の軌道を走りはじめ、それが累積し、破綻することによって恐慌が起こるというものです」

 「この新しい見方に立ちますと、恐慌というのは、資本主義が『没落』の過程に入ったことの現れではなく、資本主義に固有の産業循環の一つの局面にすぎず、資本主義は、この循環を繰り返しながら発展をとげていくことになります。歴史を見れば、事実そうなっていったわけであります」

 「この『恐慌の運動論』の発見は、マルクスの資本主義観を大きく変え、革命論も大きく変えるものとなりました。 すなわち、あれこれの契機から始まる破局的な危機を待つのではなく、資本主義的生産の発展のなかで、社会変革の客観的条件と主体的条件がどのように準備されていくかを全面的に探究し、労働者階級のたたかい、成長、発展によって革命を根本的に準備していく」

 「これが革命論の大きな主題となりました。 『資本論第1部完成稿』には、こうした立場にたった資本主義の『必然的没落』論が全面的に展開されることになりました」

 志位さんは、「ぜひマルクスを学び、研究し、社会進歩の事業に役立てていこうと志す多くの方々が、新版『資本論』を手にとって、活用していただくことを強く願い、あいさつといたします」と述べました。


若い世代ほど韓国が”好き”が多く、高齢世代ほど“嫌い”が多いー「朝日」世論調査」

2019年09月20日 | 日韓関係

 「朝日」紙が今月14、15に行った世論調査結果が、同紙17日付に掲載されました。 それは次のような内容でした。

 「韓国が好きですか。 嫌いですか。 特にどちらでもないですか」 この選択肢による全世代の傾向は、「好き」13%、「嫌い」29%、「どちらでもない」56%となっています。

 同紙の報道では、18~29歳は、「好き」が23%、「嫌い」13%、「どちらでもない」64%。 30代では、「好き」17%、「嫌い」21%、「どちらでもない」60%。 そして、「嫌い」の比率は、「40代 25%」、「50代 33%」、「60代 36%」、「70代以上 41%」に上っています。

 「男性では、50代以上の4割が『嫌い』」と答えたといいます。

 また、同世論調査の全世代通じて、「日本と韓国の関係悪化で、経済や文化の交流に影響がでることをどの程度心配していますか」という質問に対しては、次のように答えています。

 「大いに心配している」14%、「ある程度心配している」42%で合計56%となっています。 一方、「あまり心配していない」29%、「全く心配していない」12%で合計41%となっています。

 私は、若い世代と高齢世代の「韓国」に対する認識、感覚の違いはどこからうまれているのだろうか、考えさせられました。

 前にも引用させていただいた、ジャーナリスト・元共同通信ソウル特派員の青木 理氏の今月4日付「しんぶん赤旗」紙上のコメントを紹介させていただきたいと思います。

 「かすかな希望は、10代、20代の若者たちが韓国のポップカルチャーに親しみ、ごく当たり前に日韓の壁を超えていることでしょうか。 今回の対立を文化や人的交流に波及させず、発展させられるようにしなくてはいけません。 と同時に、かつて日本が何をしたか、歴史の事実を知り、伝え、歴史修正主義にあらがう必要もあるでしょう」

 大変、大事な指摘だと感じています。

 「しんぶん赤旗」18日付は、「植民地支配―歴史と実態」シリーズ、「日本メディアはどう伝えてきたかー番外編」を掲載しました。

 その内容の一部を紹介します。

 「1945年8月、日本はポツダム宣言を受諾し、植民地朝鮮を解放しました。 しかし、日本政府はその直後から、過去の非を認めず、朝鮮支配は正しかった、日本はいいこともしたという態度を打ち出しました。 戦後一貫した日本政府の立場です。 これが端的に表れたのが、1950~60年代にかけての日韓国交正常化交渉における、いわゆる『久保田発言』『高杉発言』でした」

 「『日本は朝鮮に鉄道、港湾、農地を造った』『多い年で2000万円も持ち出していた』。 53年10月、日韓会談が長期にわたり中断する原因となった第3次会談の日本側首席代表、久保田貫一郎の発言です。 韓国側の激しい反発にあい、会談決裂、中断したのは当然です」

 「ところが、日本のメディアは久保田発言を批判するどころか、『ささたる言辞』『韓国の不条理な威嚇には屈しない』『朝鮮統治には功罪両面がある』などと発言を擁護しました。 当時の新聞論調について研究者は『全新聞が韓国に非があるという認識であった』と分析しています」

 「『日本は朝鮮を支配したというけれども、わが国はいいことをしようとした』『それは搾取とか圧迫とかいったものではない』。 交渉最終盤の65年1月、第7次会談主席代表の高杉晋一による妄言は、交渉決着への影響を懸念した日韓両政府によってオフレコ扱いとされ、日本の商業メディアは取材しながら黙殺しました」

 「同年6月、日韓条約は日本政府が植民地支配の不法性を認めようとしないなか、歴史問題が未決着のまま締結されましたが、この視点から日韓条約、諸協定を批判する日本のメディアはありませんでした」

 私自身もこうした状況のなかで、少年時代を過ごしていたわけです。 1962年横浜税関に就職し、労働組合活動に参加し、学習しながら、日韓条約反対行動に参加すようになったことを思いだします。

 


日韓関係」の悪化が観光、貿易に影響鮮明にー今後の動向に注目

2019年09月19日 | 日韓関係

 「韓国からの訪日客半減」(「朝日」)、「韓国訪日客48%減」(「読売」)、両紙とも1面トップで大きく報道しましました。 「しんぶん赤旗」は「社会・総合」面で、「韓国訪日客が48%減」と報道しました。

 「読売」紙によれば、「日本政府観光局が18日発表した8月の訪日外国人旅行者数によると、韓国からの旅行者数は前年同月比48%減の30万8700人と、ほぼ半減した。 この影響で、全体の訪日客数も11か月ぶりに前年実績を下回った。 日韓関係の悪化による観光への影響が鮮明になってきた」

 また、「朝日」紙は日韓貿易について、次のように報道しました。

 「財務省が18日に発表した8月の貿易統計(速報値、通関ベース)では、韓国向け食料品輸出額が前年同月比40・6%減の24億円となった。 世界全体への食料品の輸出額も3・5%減だったが、それを大きく上回る減り幅だった」

 「韓国国内では7月ごろから日本製品の不買を呼びかける動きが出始めた。 対象は主に消費者向けの製品で、日本製のビールや調味料などの食料品に影響が出ている。 韓国への輸出の全体額も8月は前年同月比9・4%減の4226億円にとどまった」

 「全国の統計は公表されていないが、大阪税関によると、日本政府が輸出規制を強化した化学物質『フッ化水素』を含む無機化合物の近畿2府4県から韓国向けの8月の輸出額も68・7%減の16億6600万円と大きく減った。 大阪市内にフッ化水素で高いシェア持つメーカー2社の本社があり、税関担当者は『8月に入り、輸出管理が本格的に出ている』と指摘した」

 こうした観光や貿易面の動向が、地域経済や雇用等に今後どう影響していくのか、注目していきたいと思います。

 


「明治政府指導者が受け継いだ侵略思想」-吉岡吉典氏の著作より

2019年09月17日 | 日韓関係

 「しんぶん赤旗」8日付、「植民地支配ー歴史と実態 ①」では、冒頭部分で次のように述べています。

 「明治維新から10年もたたない1875年、日本は江華島事件を起こしました。 軍艦をソウルの入り口の江華島まで行かせて、衝突を挑発し、砲撃戦で砲台を占領し、大砲などを強奪。 翌年、日本は朝鮮に不平等条約を押しつけました。 これを機に日本は朝鮮への圧迫を続け、本格的な侵略に乗り出したのが日清戦争(1894年)でした」

 この背景に何があったのか。 この問題を考えるうえで、私が参考にしているのが、日本共産党の参議院議員を務め、2009年3月1日、韓国。ソウルの講演先で死去された吉岡吉典氏が、書き残した、「「韓国併合』100年と日本」という著作です。

 吉岡氏は議員時代、私たちの現役時代、大蔵省・税関当局の人権侵害、労働組合の団結権侵害問題、賃金差別等の憲法違反の労務政策に反対して、裁判闘争に立ちあがった運動を国会で取り上げ、是正のために、大いに協力していただいた議員でもありました。

 それだけに、吉岡氏のこの著作に関心をもっていました。 初版の刊行は、吉岡氏の死去後の2009年11月30日です。

 吉岡氏の著作は、「明治政府指導者が受け継いだ侵略的思想」等を明らかにしています。

 その一部を紹介したいと思います。

 「『韓国併合』が韓国皇帝の申し出を日本が受け入れたものだなどということを信ずるものはどこにもいません。 第一、調印者の寺内がそう思っていません。 ~ 条約に調印した寺内正毅陸軍大将は、『韓国併合』は豊臣秀吉が朝鮮侵略戦争で果たしえなかったことを果たすものだという認識を明らかにして、次の歌を詠みました」(69頁)

 「小早川、加藤、小西が世にあらば、今宵の月をいかに見るらむ」(同前)

 「~ そして、こうした認識は明治の政治家、とりわけ寺内を含む長州(山口県)出身の政治家には共通の認識だったと思われます。 吉田松陰が、木戸孝允、山縣有朋、伊藤博文はじめ明治政府の中心指導者を松下村塾で教育したのがこういう思想であり、吉田松陰自身この種のことを書いているからです」(69~70頁)

 「『明治政府が最初から侵略的だったのはなぜか』とは、よく受ける質問でもあります。 そこで、この点に関して、吉田松陰をはじめ明治維新の志士たち、吉田松陰の一番弟子だったといわれる木戸孝允をはじめ明治の指導者は、『朝鮮侵略』『中国侵略』を当然とする侵略的イデオロギーの影響を非常に強く受け継いでいたという点を紹介しておきましょう」(「71頁」)

 「明治維新の志士の代表的人物で志士たちに大きな影響をあたえた吉田松陰は、『東亜先覚志士記伝』ものべているように、佐藤信淵の思想的影響をもっとも強くうけています」

 佐藤信淵の記述については、大変重要なのですが、是非、吉岡氏の著者をお読みいただきたいと思います。 吉田松陰について見ていきたいと思います。

 吉岡氏は、続けて次のように書いています。

 「松下村塾を開いて門下生の教育をおこなった吉田松陰の明治維新の志士の間における地位、立場からいって、志士に与えた吉田松陰のこうした思想的影響はけっして小さくありませんでした。 明治政府の征韓論は、こうした思想的影響が溢れているとみなければなりませし、それは明治政府によって実行にうつされたのです」(81頁)

 [ウイキぺデイア]では、吉田松陰の対外思想が次のように紹介されています。

 「~ 北海道の開拓、琉球(現在の沖縄、当時は半独立国であった)の日本領化、李氏朝鮮の日本への属国化、満州・台湾・フィリピンの領有を主張した。 松下村塾出身者の何人かが明治維新後に政府の中心で活躍したため、松陰の思想は日本のアジア進出の対外政策に大きな影響を与えることとなった」

 


36年間の朝鮮半島の植民地支配の「歴史と実態を知る」-「赤旗」シリーズ」 (2)

2019年09月16日 | 日韓関係

 志位氏は、韓国紙「京郷新聞」のインタビューに答えて、「36年間の朝鮮半島支配がどのように行われたのか、基本的事実が知られていない」「ひとつひとつ明らかにしなければならない。 私たちの責任だと思う」と語っています。 (「ぶんしん赤旗」9月7日付)

 「しんぶん赤旗」は、「いま振り返るー植民地支配 歴史と実態」シリーズを9月8日付①から4回(2回目ー11日付、13回目ー13日付、4回目ー16日付)にわたって連載しました。

 第1回目の見出しは、「脅迫と強圧で実現した『韓国併合」。 第2回目は、「抑圧36年、日本は朝鮮で何をしたか」。 第3回目が、「戦後、日本政府がとった態度」。 第4回目が、「世界の流れは被害者の人権救済」です。

 また、同紙「日曜版」9月15日付では、2頁にわたって、「悪化する日韓関係 原因は解決の道は」と題して、大変参考になる記事を掲載しています。 同紙には、「6月末に大阪で開かれたG20サミット。 サミットに出席し、議長国の安倍首相が会談も立ち話も食事会もしなかったG20国の大統領は、韓国の文在寅氏だけでした」

 「安倍氏はG20メンバー以外の『招待国』-スペイン、エジプト、セネガル、シンガポール、タイ、ベトナムとも首脳会談か首脳立ち話、ワーキングランチを行っています。 文氏への異様な冷遇が際立ちます」と一覧表付で紹介しています。

 そして、私もよく駅頭宣伝などで、紹介している実例が、中国の強制連衡被害者と西松建設の和解の実例です。

 同紙「日曜版では、「”政府として原告・被害者双方が受け入れ可能な解決策を模索させることも一つの選択肢ではないか”-。西松建設の例を引き、記者会見でそう問われた菅義偉官房長官は『政府の立場で発言することを控えたい』と述べるだけ(2日)。 なぜ中国で和解できて、対韓国で和解できないのか、その理由を説明できませんでした」

 

 

 

 


日韓関係ー”国民の願いは、友好・親善” (1)

2019年09月14日 | 日韓関係

 第4次安倍再改造内閣がスタートしました。 しかし、日韓関係改善の期待は感じられません。 それどころか、”韓国バッシング”が強まりかねない心配が窺えます。

 こうした中で、日本共産党と「しんぶん赤旗」は総力をあげて、日韓関係の当たり前の隣国関係を取り戻すための活動、宣伝を展開しています。 

 私は、毎週3日、大和市内の駅頭で党支部、後援会のみなさんと朝の宣伝活動をしていますが、この活動のなかでも、参議院選挙中以上に日韓関係を重視して宣伝をしています。 通勤者との直接的な対話は、朝の通勤時間帯のためほとんどありませんが、ビラの受けとり状況や目でのあいさつ等、様々な挙動から関心の深さを感じています。

 そうしたことから、できるだけ新聞各紙に目を通し、テレビ放映も視聴ていますが、両国民が一番望んでいる”友好・親善関係の発展”という視点がきわめて不十分ではないだろうか、と感じています。

 「しんぶん赤旗」は、日韓関係についての情報、日本共産党の取り組みについて連日報道しています。 この間、私が大変励まされ、参考にしている記事の一部を紹介させていただきたいと思います。

 その一つは、9月4日付のジャーナリスト・元共同通信ソウル特派員の青木 理さんの発言です。 青木さんは次のように述べています。

 「経済面でも日韓は1965年の国交正常化以降、緊密に結びついてきました」「ある意味では、”ウィンウィン”だった経済関係を日本が輸出規制などで傷つけ、安保面や観光面にまで悪影響がどんどん広がっています」

 「しかもメディアの現状も無残です。 メディアは本来、政治権力の行き過ぎをチェックし、冷静な視座からの情報や分析を提供し、隣国などとの対立や紛争はできるだけ抑制的に報道すべきなのに、日本では政権があおる対立にメディアが風を吹き込むような最悪の状況になっています」

 そして、次のように述べています。

 「日本政府や私たちが常に念頭に置くべきは、歴史認識問題です。 かつて日本は朝鮮半島を植民地支配し、どれほどの苦痛を与えてしまったか。 韓国を併合して言葉を奪い、氏名を奪い、天皇の臣民として動員し、とてつもない被害を強いたのは歴史的事実であり、日本がそれを反省する立場にたつのが問題解決の土台です」

 二つ目に、同月7日付、同紙は、韓国・京郷新聞4日付に掲載された、志位委員長インタビュー記事の紹介です。 その中で志位氏は次のように語っています。

 「― 『嫌韓』雰囲気が広がっている」

 「(志位) 日本にもまともな、理性的な声を出す人が多い。 (嫌韓は)政治が意図的に拡散させている。 多くの日本国民は侵略戦争への反省の気持ちをもっている。 ただ、植民地支配に対する反省は、戦争に対する反省より弱い。 36年間の朝鮮半島支配がどのように行われたのか、基本的な事実がちゃんと知られていない」

 「戦争をしたことは悪いと考える日本人の中でも、植民地支配についてよく知らない人が少なくない。 何が誤っていたのか、ひとつひとつ明らかにしなければならない。 私たちの責任だと思う。 ただし韓国も、安倍政権の政策に対して批判するのは当然だが、反日は困る」

 三つ目は、10日付の報道記事です。

 「『日韓連帯アクッション』が7日、東京と大阪で行われました。 『辺野古』県民投票の会代表で大学院生の元山仁士郎さんらがSNSで呼びかけた東京・渋谷の『アクッション』には首都圏から約300人も集まりました。 日本語とハングルで『差別や憎しみでなく友好を』『私たちは一緒に生きていく』などと書かれたボードを持ってリレートークしました」

 「『嫌韓をあおるムードに、ちょっとおかしいと声をあげたいと思いました。 韓国だけでなく朝鮮半島にルーツを持つ人、在日コリアンの方と一緒に生きているし、生きていきたいんです』と元山さん」

 


「日本における未来社会」-自由と民主主義、政治体制について (2)

2019年09月11日 | 未来社会へのプロセス

 「朝日」10日付、「インタビュー」欄に、香港中文大学副教授の周 保松(チョウ ポーチョン)さんの記事が掲載されました。 周さん自身もこの間の香港市民の運動に「参加し、考え、発信を続けている」と紹介されています。

 周さんはインタビュー記事の最後の部分で、次のように語っています。

 「― 香港人も中国への愛国心はあるのではありませんか」

 「(周氏) 共産党の倫理では、『愛国』イコール『愛党』。 ところが天安門事件後、多くの香港人の心の中で愛国と愛党が分裂しました。 我々が中国に関心を持つのは愛国心の表れですが、中国の共産党や政府に心を寄せることではありません。 我々は違うのです」

 日本共産党の第26回大会の決議を紹介します。

 「自由と民主主義、政治体制という点でも、日本での社会主義の道は、中国などとは異なる道をすすむことになる。 中国、ベトナム、キューバでは、政治体制の面で、事実上の一党制をとり、それぞれの憲法で、『共産党の指導性』が明記されている。 これは、それぞれの国で社会主義をめざす勢力が、革命戦争という議会的でない道を通って政権についたことに関連がある」

 「もちろん、議会的でない道を通って政権についた場合でも、レーニンがロシア革命の初期に実践したように、反対政党の禁止は一般的な革命の原則とはいえない。 同時に、議会も民主主義の経験も存在しないという条件から革命が出発したことが、現在のこれらの国ぐにの政治体制のあり方と結びついていることを、見ておかなければならない」

 「日本では、このようなことは決して起こりえないことである。 日本共産党は、当面する民主主義革命でも、将来の社会主義的変革においても、その一歩一歩を、選挙による国民の審判を受け、議会で多数を獲得することによって進むことを、綱領で宣言している。 綱領には、つぎのように明記している」

 「『社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」

 「さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される」

 「『社会主義』の名のもとに、特定の政党に『指導』政党としての特権を与えたり、特定の世界観を『国定の哲学』と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、きびしくしりぞけられる」

 「これが綱領が国民に約束している社会主義日本の展望であるが、これはたんに綱領上の公約というだけでにとどまらない。 日本のように憲法で国民主権、基本的人権がうたわれ、議会制民主主義が存在する社会において、それらが全面的に継承され、豊かに花開くことは、歴史の必然である」

 「発達した資本主義国から社会主義・共産主義の道に踏み出した経験を、人類はまだもっていない。 この変革の事業のもつ可能性は、その出発点の諸条件を考えるならば、はかりしれない豊かさと壮大さをもつものとなるだろう。 そのことに深い確信をもって、未来を展望し、前進しよう」

 と述べています。

 こうした「未来社会」は、現在は「展望の世界」でもあります。 そこに向って日本国民が進んでいくためには、多くの困難も予想されることです。 それらの困難を乗り越えていく経験と知恵も蓄えてきたのが、市民と野党の共同ではないでしょうか。 その最大の大儀となるのが”、憲法”ではないでしょうか。 

 


「日本における未来社会ー豊かで壮大な展望」 経済力の水準について(1)

2019年09月09日 | 未来社会へのプロセス

 「日本が、社会主義の道に踏み出したときには、その出発点の諸条件を考えるならば、きわめて豊かで壮大な展望が開けてくる」(第26回党大会決議)

 米中貿易摩擦の激化、香港市民の民主化運動の継続のなかで、中国は10月1日、建国70年を迎えます。 こうしたなかで、日本国民の中国に対する関心がいっそうたかまりつつあるように思います。 これは日本の未来社会への展望を考える条件ともなっているように感じています。

 そこで、あらためて日本共産党の日本の未来社会の展望について、第26回党大会(2014年1月)決議を紹介しご一緒に考えて見たいと思います。

 同大会決議は、「未来社会への移行の過程の条件」を2つの面から明らかにしています。 第1の条件は、「経済力の水準について」です。 「決議」は、次のように述べています。

 「日本における未来社会を展望した場合には、未来社会への移行の過程の条件は、異なったものとなる。 日本が、当面する資本主義の枠内での民主主義革命の課題をやりとげて、社会主義への道にすすむ場合には、発達した資本主義のもとでつくられた巨大な経済力の水準を引き継ぐことになる」

 「その場合には、現在の中国社会で進行しているような経済の急成長、それにともなう社会的矛盾の拡大という現象は、決しておこらないだろう。 日本経済は、現在の水準でも、日本国憲法にいう『健康で文化的な最低限度の生活』を国民すべてに十分に保障できるだけの経済力をもっている」

 「社会の現実がそうなっていないのは、財界・大企業の横暴な支配のもとで社会的格差が拡大しているという問題にくわえて、今日の資本主義がきわだった『浪費型の経済』-繰り返される恐慌、大量生産・大量消費・大量廃棄、金融経済の異常な肥大化などーになっているためである」

 「生産手段の社会化によって、資本主義に特有の『利潤第一主義』という狭い枠組みから解放され、『生産と経済の推進力』が『資本の利潤追求から、社会および社会の構成員の物質的精神的な生活の発展』に移されるなら、人間による人間の搾取を廃止するとともに、現在の資本主義経済のこうした『浪費的な部分』は一掃されることになるだろう」

 「そのことによって、現在の社会的生産の規模と水準でも、日本国民すべてに『健康で文化的な最低限度の生活』を十分に保障し、労働時間の抜本的な短縮を可能にすることだろう。 そのことは、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台となり、社会と経済の飛躍的な発展への道を開くことだろう」

 10月からの消費税10%増税が迫るなかで、次のような報道もされています。

[大企業の内部留保ー最高更新、449兆円を超える]

 「財務省が2日発表した2018年度の法人企業統計調査によると、資本金10億円以上の大企業(金融・保険業を含む)の内部留保は同年度末449兆1420億円となり、過去最高を更新しました」 

 「内部留保は、企業があげた利益から法人税や配当を払った後に残った剰余利益、資本取引から生じた資本剰余金、引当金などをためこんだもの。 大企業は賃上げを抑制する一方、法人税負担の軽減など政府の優遇政策によって内部留保を積み増しています」「「しんぶん赤旗」3日付)

[生活保護世帯ー163万世帯に]

 「今年6月時点の生活保護利用世帯は163万世帯で、うち半数が1人暮らしの高齢者世帯であることが4日、厚生労働省の被保護者調査でわかりました。 単身高齢者のなかで生活困窮が広がっている実態がうかがわれます」(「しんぶん赤旗」5日付) 

 

 

 

 

 

 

 

 


「香港市民の民主化運動」の発展に注目

2019年09月06日 | 未来社会へのプロセス

 「しんぶん赤旗」には連日、北京からの「香港関係」の記事が掲載されています。 記者は釘丸昌さんです。 釘丸記者のお母さんは今回、引退した日本共産党の厚木市議会議員を務めていた方です。 お兄さんは衆院選小選挙区候補者として私も一緒に活動したこともあり、現在は日本共産党神奈川県北東地区委員長として活動しています。 

 私も、「香港の動向」について強い関心をもっている一人として、釘丸記者の活躍に期待しています。

 釘丸記者の6日付記事は、「香港の動向に」ついて、次のように述べています。

 「香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は5日、記者会見し、前日に表明した逃亡犯条例の正式撤回を改めて説明しました」「考えを変えたわけではない」とし、「市民との対話の基礎となると語りました」と紹介しています。

 一方、香港の民主派の対応について、2つの団体の態度を紹介しています。

 「若者の政治団体『香港衆志(デモシスト)』の周庭氏は4日、日本語でツイッターに『条例の撤回は喜べません。 遅すぎました』と投稿。 「これからもたたかい続けます』と抗議行動の継続を宣言しました」

 「100万人規模の大規模デモを組織してきた民主派団体『民間人権陣線(民陣)はフェイスブックで声明を発表し、『林鄭氏が早く改定案を撤回していれば、警察の制御不能の暴力も暴力団による襲撃も起こらなかった』と批判。」「(真の普通選挙の実現や、警察の暴力行為に対する独立した調査委員会設置など)5代要求が完全に実行されるまで抗争を続ける』と表明しました」

 こうした、香港市民の民主化運動が今後どのように発展するのか。 そして、そのことが中国本土の未来社会にも関わる可能性がある人権・民主化運動にどのような影響を及ぼすのか。 重大な関心を持って見ていきたいと思います。


”社会主義をめざす国ぐに”は「資本主義国との対比が試される」ー第26回党大会決議より

2019年09月04日 | 未来社会へのプロセス

「米中の貿易摩擦は、報復の連鎖を引き起こし、泥沼の状況に陥っています。 1日には、米国による対中追加関税の第4弾の一部が発動されました。 中国も報復。 タリフマン(関税男)を自称するトランプ米大統領の対中経済政策が世界の経済を揺らし続けています」(「しんぶん赤旗」「米中経済激突 上」-9月4日付)

 日本共産党第26回党大会決議(前回のつづき)は、次のように指摘しています。

 「第二の角度は、”社会主義をめざす国ぐに”が、社会の発展段階ではなを途上国に属しながらも、世界の政治と経済に占める比重は、年々大きくなるもとで、いやおうなしに資本主義国との対比が試されるようになっているということである」として、次の諸点を挙げています。

 ・ 「『人民が主人公』という精神が現実の社会生活、政治生活にどれだけ生きているか」

 ・ 「経済政策の上で人民の生活の向上がどれだけ優先的な課題になっているか」

 ・ 「人権と自由の拡大にむけて、自身が認めた国際規約にそくした努力がなされているか」

 ・ 「国際活動で覇権主義を許さない世界秩序の確立にどれだけ真剣に取り組んでいるか」

 ・ 「核兵器廃絶、地球温暖化などの人類的課題の解決にどれだけ積極的役割をはたしているか」

 こうした指摘をしたうえで、「覇権主義という点でいえば、レーニンが、勝利したソビエト・ロシアが周辺諸国との関係で大国主義的な態度に陥ることを、どんなにきびしく戒めたかも、想起されなければならない重要な問題である」と強調しています。

 この「決議案」が提起されたのは、今から約6年前のとでした。 先に紹介した第一の角度は、日常的にも議論してきた体験もあり、理解されやすい提起であったと記憶していますが、この第二の角度は、大変新鮮で、先見的な新しい提起であったと記憶しています。

 特に、中国がこの間、さらに経済的に、政治的に大きな影響力をもち、一部では大国主義的な側面が現実の問題となっているだけにこれらの指摘は私たちの実際の活動でも欠かせない指針となっていると感じています。

 前述の「しんぶん赤旗」の記事は、「米大手企業トップで構成する財界団体『ビジネス・ラウンドテーブル』は、『中国との貿易紛争の報復継続は、経済成長の脅威となり、アメリカの労働者と消費者に害をもたらす』と強調しています」


「香港市民の平和的政治活動に対する当局の抑圧的措置に反対」-志位氏コメント

2019年09月03日 | 未来社会へのプロセス

 日本共産党の志位和夫委員長は、香港民主派幹部が一時拘束された8月30日に、直ちに次のコメントを発表しました。 重要なことと思いますので、紹介させていただきます。

 「香港の平和的デモのリーダーである黄之鋒氏と周庭氏の2人が香港警察により拘束されたことに強い懸念を表明する。 香港市民の当然の権利である平和的な政治活動に対する当局による抑圧的措置に反対する。 われわれは、事態の平和的な解決を強く望む」

 9月2日、「香港島のランドマーク『国際金融センター』を背にする広場に制服姿の中高生が集まった。 ストライブのネクタイ、水色のスカート、白のワンピースーー。 それぞれ異なる学校の生徒たちが、声をそろえて『香港に自由を』と訴えた」(「朝日」9月3日付)

 香港市民、学生などの民主化を求める運動がどう発展していくか。 香港当局や、中国本国がどう対応するか。 世界が注目しています。

 日本共産党は、30年前の天安門事件を含めて、市民の平和的な政治活動については、政治体制の違いに関わらず、武力弾圧はもとより、政権側の抑圧的な措置には強く反対しています。

 中国などの「社会主義をめざす国」をどうみているか、あらためて、日本共産党の党大会決議から紹介したいと思います。

 2014年1月に開かれた第26回党大会決議「第6章 日本における未来社会の展望について」では、「日本共産党がめざす未来社会にかかわって、『中国と同じ社会をめざすのか』という疑問がよく寄せられる。 中国やベトナム、キューバの現状をどうみたらいいのか、日本における未来社会の展望をどうとらえるか。 これは大きな問題である」と国民の疑問に向き合い、日本共産党の立場、見解を明らかにしました。

  中国やベトナム、キューバの現在と今後をどうみるかという点で二つの角度からの見解を明らかにしました。

 「第一の角度は、これらの国ぐには、”社会主義に到達した国ぐに”ではなく、”社会主義をめざす国ぐに”--『社会主義をめざす新しい探究が開始』(綱領)された国ぐにだということである。

 日本の政界でもマスコミ報道でも、「中国は社会主義の国」という認識が一般的になっています。 その最大の根拠が「中国共産党が権力を掌握している国」と言う以外に見当たりません。

 第26回党大会「決議」は、中国について、次のように述べています。

 「中国は、経済規模では日本を抜いて、世界第2位の経済大国になり、世界経済のなかでの比重を年を追うごとに高めている。 同時に、国民1人あたりの国内総生産で測ると、なを発達した資本主義国の8分の1という水準にとどまっていることも事実である。 そのことは中国政府自身が中国の現状を『大量の貧困人口を抱える発展途上国』と規定していることにも示されている」

 「こうして中国の場合、社会主義という以前に社会主義の経済的土台である発達した経済そのものを建設することに迫られいるのが現状である。 そして、そうした経済的土台をつくる過程で、中国では市場経済を導入している。 この道が合理性をもっていることは、『改革・解放』以来の中国の経済的発展が証明しているが、同時に、この道を選択すれば、国内外の資本主義が流入してくるし、そこから汚職・腐敗、社会的格差、環境破壊など、さまざまな社会問題も広がってくる」

 「中国の将来を展望する場合に、この国が、今後もかなり長期にわたって、貧困とのたたかい、所得格差を縮小するたたかい、政治体制と民主主義の問題など、さまざまな問題と格闘を続けていかなければならないーーそういう国として見ていく必要がある」

 「そこには、模索もあれば、失敗や施行錯誤もありうるだろう。 覇権主義や大国主義が再現される危険もありうるだろう。 そうした大きな誤りを犯すなら、社会主義への道から決定的に踏み外す危険すらあるだろう。 私たちは、”社会主義をめざす国ぐに”が旧ソ連のような致命的な誤りを、絶対に再現させないことを願っている」

 (つづく)

 


「資本論」新版刊行ー30年ぶり、日本共産党綱領改定にかかわって

2019年09月01日 | 「資本論探究」

 「資本論」新版刊行について、不破氏(日本共産党社会科学研究所長)は、8月18日付、「しんぶん赤旗」掲載の討論(不破氏、萩原氏、山口氏)で、不破氏は次のように語っています。

 不破 「『資本論』の親書版は1982年から89年に刊行しましたが、それ以来30年たちます。 この間に『資本論』の諸草稿がすべて刊行され、日本語訳の刊行もすすみました。 また、エンゲルスの編集上の問題点も明らかになり、その解決を含め、新しい内容をもった新たな版を準備する条件が整ったのです」

 「新版では、これらの問題点の解明とマルクスの学説の到達点を明確にすることに特別の力を入れました」

 大変、興味深い対談が紹介されていますが、2003~2004年の党綱領改定に関わる、不破氏の発言を紹介します。

 不破 「諸草稿を読むと、ここでの未来社会論は、マルクスが最初の経済学草稿『1857~58年草稿』にとりかかった最初のときから、すべての人間が自分の意のままに活用できる『自由』な時間をもつことに、未来社会の根本問題があるとして、その展望を発展的に展開してきたことがわかります」

 「第三部第七篇には、その到達点が、『自由の国』と『必然性の国』という印象的な言葉を使って展開されています。 この一節は、現行版では、『三位一体的定式』という俗流経済学の滑稽な図式批判の文書のなかに埋め込まれていて、未来社会論がそこにあるとは、多くの方が気がつかなかったのではないか」

 「草稿では、[  ](角カッコ)つきで書かれた一節ですが、これは、マルクスが、文賞を書いている地点の主題とは別個の問題をそこに書き込むときに使う方式なのです。 エンゲルスも、この文章の意義を読み取っていたら、第七篇の冒頭の角カッコつきで書かれた未来社会論を、俗流経済学批判のなかに埋没させることはしなかったと思います」

 「私たちは、2003~04年の党綱領改定のさいに、マルクスのこの解明に注目し、人間の全面的な発達をはかる『自由な時間』をつくりだすことを、未来社会における人間生活の変化の最大のものと意義づけました」

 新判「資本論」刊行記念講演会が、9月20日(金)午後5時半開場、午後7時~9時、東京・四谷区民ホールで開かれます。

 第1分冊の到着を楽しみにしています。