宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

月2万円の賃上げは十分可能、不払い労働の根絶等で約600万人の雇用増

2018年01月19日 | 雇用と賃金

 労働組合の春闘に関わる具体的行動などがほとんど報道されなくなってしまったように感じています。 私も現役を離れて10年以上過ぎてしまいましたが、労働組合の賃上げ要求をはじめとした運動の重要性を忘れたことはありません。 2018年春闘の動向を「しんぶん赤旗」で知り、現役のみなさんのたたかいに励まされています。

 先日の大和駅の早朝宣伝でも、「内部留保3%で賃上げ2万円可」の「赤旗」(12日付)の記事を紹介し、出勤される労働者のみなさんにごあいさつをさせていただきました。

 「内部留保」の活用、取り崩しによる「賃上げ要求」は、私たち現役時代から繰り返し提起してきたことですが、このことが、いま、労働組合、政府や経営者を含めて、共通の認識になりつつあると思います。

 今年の経団連の「経営労働政策特別委員会報告」(「経労委報告」)は、内部留保について、「『人材への投資』も含めた一層の有効活用が望まれる」と、述べています。

 麻生財務大臣が、共産党の国会議員の質問に対し、「財界のみなさんは、財務省にくるたびに、法人税の引き下げを要望されますが、法人税が下がっても、賃上げや設備投資にまわっていない」と答弁していたことがあります。 

 19日付「しんぶん赤旗」の労働総合研究所の「春闘提言」は、日本経済の活性化にとって、「賃上げ」の大義を具体的数字で明らかにしています。

 2万円の賃上げの効果、最低賃金の引き上げ、労働ルールの確立、非正規の正規化等、日本経済の活性化に向けた「提言」となっています。 

 そして、「提言」は、「安倍政権発足後の4年間で、名目賃金は0.47%微増したものの、消費税増税などの物価上昇により、実質賃金が3.93%低下した」と指摘し、「せめて安倍政権発足前までの生活水準に戻すには、賃上げが2万1397円(6.78%、ボーナス含む)が必要だ」と主張しています。

 また、不払い労働の根絶で、389万5千人、年休の完全取得で192万7千人、非正規の正規化で79万2千人の雇用増が可能だと指摘しています。

 日本経済の改革は、労働者・労働組合の運動と政治の転換のたたかいで可能ではないでしょうか。


内部留保 大企業1年で23兆円増=「しんぶん赤旗」調べ。 一方、国保料減額世帯最多4割

2014年06月08日 | 雇用と賃金

 「しんぶん赤旗」8日付はトップニュースとして、「大企業内部留保、1000企業1年で23兆円増」と報じました。 同紙の独自調査に基づくものです。 驚くばかりの増額です。

 同紙は、「この調査は、経常利益(連結)上位1000社を対象に集計したもの。 12年度は16兆円程度の増加でした。 13年度は、増加のペースが大きく上がっています。 このうち、内部留保を1年間で2000億円以上増やした企業は22社にのぼります(12年度は16社)。 内部留保の増加率が最も多いのはトヨタ自動車で、1年で1.4兆円もの増で、消費税増税の駆け込み需要や円安の影響などで、利益が大幅にふえました」

 同紙は、1日付で、「トヨタ法人税ゼロ、08年度~12年度」と報じました。 12年度の大企業の内部留保が16兆円程度であったことが明らかになりました。 なぜ、トヨタ自動車は、12年度も法人税(国税分)がゼロであったのか、さらに調査を進めていただきたいと思います。

 こんなに利益を増やしつづけている大企業に、安倍政権は来年度から法人税率を引き下げることを検討しています。 これでは、消費税をいくら増税しても間に合わないことになることは誰が考えても明らかではないでしょうか。

 一方、厚生労働省が3日発表した4月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、基本賃金を示す、『所定内給与」は0.2%減の24万3989円と、25カ月連続でマイナスになりました。

 内訳をみますと、これは、一般労働者(正社員)に比べ、賃金の低いパートタイム労働者の割合が増え、全体としては減少傾向から抜け出せませんでした。

 23兆円も内部留保を増やした大企業では、その「1~4%程度を 使うだけで、月額1万円の賃上げが可能」(同紙)と指摘しています。

 トヨタ自動車は、13年度末の内部留保は15兆4352億円に達しました。 非正規を含めた従業員月1万円の賃上げに必要な金額は283億円と試算されています。 トヨタ自動車では、そのうちのわずか0.18%を使うだけで実現が可能です。

 同社の今春闘の賃上げは、4000円(正社員)の労働組合の要求に対して、2700円でした。

 日本の大企業には、労働者の賃上げに応える財力は十分あります。 その財力をどう生かすかが改めて大きく問われているのではないでしょうか。


”非正規社員の雇用は禁止””格差の固定も懸念材料”。 前駐中国大使丹羽宇一郎氏語る

2014年05月24日 | 雇用と賃金

月刊誌「PHP Business THE21 2014/06」で、前駐中国大使・前伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏のインタビュー記事が掲載されていました。 

 この間、日中関係に関する発言が注目されている人でもあります。 今回のインタビュー記事のなかで、日中経済関係、特に、日本の雇用、賃金問題に関する発言に共感を覚えました。

 「急成長を続けてきた中国経済は、近々バブルがはじける。 すでにその兆候はいたるところで、見られると、日本では半ば期待を持って報じられているが、果たしてそれは本当なのか。 また、起こるとすればいつなのだろう」との質問に、丹羽氏は次のように答えています。

 「中国経済はバブルではない。 したがってバブル崩壊もないというのが私の意見です。 ~経済成長が鈍化したのは、確かにそのとおりですが、それも心配するにあたりません。 中国の成長率は2010年までの20年間、平均で10%を超えていました。 しかし、2011年からは一けた台に落ちています。 だからといって経済が低迷しているということにはならないのです」

 「経済規模が一千円のときは、毎年10%成長だと、百円ずつ増えることになります。 では、経済規模が十倍の一万円になって、成長が5%になったとしたらどうですか。 増加分は毎年5百円と、成長率が半分になったにもかかわらず、経済規模の伸びは5倍になります。 つまり、中国経済はいまや経済規模一千円の後進国ではなく、一万円の先進国の仲間入りを果たしつつあるので、二桁の成長など無理になっているのです」

 「しかも、多くの先進国が成長率1~2%にとどまっているのに対し、中国にはまだ5%以上の成長を続ける力があります」

 丹羽氏は、「日本人は、中国のバブルがいつ崩壊するかを心配する暇があったら、その前に自国の経済の行く末を考えなくてはならないと思います」と、次のように語ってい、ます。

 「ここにきて中国もそれに(「教育に起因する労働力の差」)気づき、国民の教育に力を入れ始めたのです。 私の手元にある資料では、なんと国防費の3倍が教育に充てられています。 このぶんでいくと、おそらくものすごいスピードで労働者の質が上がっていくでしょう」

 「これに対し日本には、これを迎え撃つ術がありません。 もっとはっきり言えば、日本の労働現場の労働者の質は確実に下がりつつあります。 その最大の原因は、非正規社員の増加です」

 「いまはまだ高品質の工業製品を安定して供給できていますが、このままいったら、早晩中国に追いつかれのは必至です。 私は、とりあえず日本は非正規社員の雇用を禁止しないと、近い将来多くの工業製品を中国から輸入するようになるのではないかと、本気で危惧しています」

 「それから、日本に関して言えば、格差の固定も懸念材料の一つです。 いったん安定したレールに乗り損ねたら、どんなに頑張っても年収2百万や3百万しか稼げない。 そんな社会になったら、誰が一生懸命働いていいものを作ろうと思うでしょうか」

 「明日は今日より良くなると、みんなが夢を持てる社会にしないかぎり、日本の未来に光が昇る時期が遅くなることは間違いありません」

 大企業の会長を務めた財界人の発言として、たいへん注目される内容ではないでしょうか。

 


いすゞ、非正規従業員日給100円賃上げ(月額2000円以上)、JMIU(労組)が交渉重ね前進

2014年05月20日 | 雇用と賃金

 JMIU(全国金属情報機器労働組合)いすゞ自動車支部は、今春闘で、「すべてのはたらく仲間の賃上げ」「均等待遇の実現(臨時従業員には慶弔休暇がなく、有給休暇も正社員とは差がある)」「安定した雇用の実現」「争議解決」などを求めて5回の団体交渉を重ねてきました。 

 その結果、14日にいすゞ自動車は、「臨時従業員の日給を100円引き上げる」と回答しました。

 「しんぶん赤旗」19日付は、この結果を大きく報道しました。 同紙によると、賃上げは、6月1日実施、臨時従業員の基本日給は9000円から9100円に。 月額では2000円以上の賃上げになり、残業代もあがります。

 「いすゞでは、今春闘、正社員に月額2500円以上のベースアップ(ベア)を行いましたが、非正規雇用の待遇改善を打ち出していませんでした」

 「会社は、60歳定年後の再雇用者(契約1年更新の有期雇用)に対しても、基本給を日額9800円から9920円に引き上げ、特別賞与を夏冬それぞれ6万円支給すると決めました」

 いすゞでは、2008~09年に、「非正規切り」された労働者がJMIUに加入して正社員化を求める裁判をたたかっています。 現在、会社の業績回復によって採用再開された従業員臨時従業員もJMIUに加入してたたかいをすすめています。


”サラ金利用者7割が若者” 「奨学金とサラ金抱えホームレスに」 ”お金で泣かないために”

2014年05月06日 | 雇用と賃金

「しんぶん赤旗」は、毎週月曜日に若手記者を中心につくる「ゆうプレス(若者のページ」を届けています。(とりあげてほしいテーマも募集しています) 5月5日付の「ゆうプレス」は「若者の借金問題」でした。 「サラ金利用者の7割が20~30歳代若者」は衝撃的でした。

3人のケースが紹介されています。 そのうちの一人【さとしさん】は、「大学を卒業し、正社員に。 一人暮らしで、月2万円の奨学金を返していました。 しかしか過酷な労働から派遣社員に。 給料は大幅に減り、生活費としてサラ金に手を出しました。 返済も加わり家計はさらに火の車に。 やがて家賃も払えずホームレスに。 家がない人のための保護施設で司法書士に出会います。 自己破産(注)をすると奨学金の返済義務は保証人にまわるため、任意整理に。 過払い金などを計算すると借金は大幅に減り、月1万円の返済になりました。 支援をうけ、仕事と家を見つけ、返済をつづけています」

 ※1、【自己破産】「任意整理でも返済が難しいときに、裁判所に破産を申し立て、自己破産と免責許可決定を受けると、借金はすべて払わなくてもよくなります。 借金の原因が浪費などの場合、免責をうけられないこともあります」

 ※2、【任意整理】「借り手と貸し手が話し合い、借金減額などを交渉。 その時点から将来利息は発生しません。 

 「全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会」事務局長・秋山淳さん(司法書士)の話が掲載されていますので、紹介します。

 「サラ金の金利は15~20%です。 返済が遅れると『遅延損害金』もつきます。 クレジットカードでの買い物も『リボ払い』は約15%と高金利です。 数万、十数万から始まった借金でも永遠に返済が終わらないこともあります。 一人で解決しようと暴力団系の闇金融に手を出し、すべてを失う人もいます」

 「こうなる前に早く弁護士や司法書士などの専門家に相談してください。 生活は立て直せます。 お金が払えないときは、法テラスの法律扶助を使えば無料で相談もできます」

 ※3、リボルビング払い=利用金額にかかわらず、毎月一定額を返済。 ほとんどのサラ金が採用。

 ※4、借金で困ったときの相談窓口

  「全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会」 電話: 03-3527-9357

  「法テラス」 電話 0570-078374

 ※5、日本共産党大和市議団 無料法律相談日 毎月第4水曜日 電話: 046-277-5077

       「湘南合同法律事務所と提携」

  【日本共産党の大門実紀史参院議員の話】

 「サラ金大手は大銀行と連携しています。 ほぼゼロに近い金利で日銀から資金を調達し、その金を高金利で貸し付けています。 加えて国は非正規雇用の拡大を進めてきました。 派遣・契約社員のサラ金利用目的の44.8%が『生活費不足』です。 大学の高学費による奨学金返済が原因で多重債務に陥る若者も増えています。 こうした政策を根本から見直す必要があります」


第85回メーデー、基本賃金24カ月連続減。 時給千円で、2252万人が月平均2万4049円上昇

2014年05月01日 | 雇用と賃金

 消費税が増税されて、1カ月、様々な分野に増税の影響が出始めています。 「しんぶん赤旗」も4月分は増税分を紙代に上乗せしないでで頑張りましたが、5月分からは、増税分を「日曜版で23円」「日刊紙で97円」上乗せすることになりました。 同時に、編集局は、紙面の改革にも積極的に挑戦して、魅力があり、「役に立つ」「しんぶん赤旗」を発行するために力を尽くしています。 皆さんのご理解とご協力をよろしくお願いします。

 昨夜の激しい雨も上がり、日差しも漏れてきました。 メーデ日和となりました。 今日の「しんぶん赤旗」の「広告」欄「神奈川」には、「厚木基地周辺住民の会」も名を連ねています。

 「しんぶん赤旗」の魅力は、「事実」「真実」をタブーなく報道し続けるところにあるにではないでしょうか。 特に、労働者にとって、「しんぶん赤旗」は、欠かせない情報源です。 「賃上げ要求」についても、生活や労働の実態から出発し、現実的な要求と実現可能性を大企業の内部f留保の規模などから誰でも分かるように明らかにしています。 同時に、労働者の賃上げが、労働者の生活改善にとどまらず、日本の経済や産業の発展への影響など大きな角度から、その「正当性」を一貫して追求してます。

 また、世界の労働者のたたかい、各国政府の最賃政策や労働雇用政策の取り組みなどを紹介し、日本の労働者のたたかいを励ましています。 私も、現役時代はもちろん、今日もこうした報道を大いに活用させていただいています。

 今日の「しんぶん赤旗」は、アベノミクスの下で、労働者の「基本賃金が減り続けている」異常事態を、厚労省の「毎月勤労統計調査」から明らかにしています。 

 「3月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上の事業所)によると、基本賃金にあたる『所定内給与』の平均は前年同月比992円減(0.4%減)の24万656円でした。 基本賃金が前年同月を下回るのは24カ月連続です。 比較的賃金が低い非正規労働者などの雇用が増えたことが影響していると考えられます」

 「残業代やボーナスなどを合わせた『現金給与総額』の平均は同1976円増(0.7%増)の27万6740円となりました。 現金給与総額が前年同月を上回るのは3カ月ぶりです」

 こうした「政府統計」からも雇用の厳しい実態、基本賃金の減少を残業代などの不安定な収入に依存している姿が浮かび上がっています。

 こうした事態を根本から改善するために大事な賃金政策が「最低賃金」の引き上げです。 今日の「しんぶん赤旗」はこの問題を日本と米国の実態と取り組みから紹介しています。 日本の地域最賃の平均は、時給764円です。 東京が最高で869円、次いで神奈川が868円、大阪が819円です。 800円台はこれら3都府県だけです。 最低は鳥取県、沖縄県など9県の664円、東京とは205円の格差があります。 

 「正社員の平均的な所定内労働時間の月155時間働けば、3万1775円もの差にまります」

 労働総研代表理事・国学院大学名誉教授の小越洋之助さんは、

 「2012年に行った試算では、最賃を時給1000円に引き上げれば、約2252万人の労働者が月平均2万4049円上昇します」と大きな経済的効果を指摘しています。 そして、

 「最賃が低い地域で若者の都市部流出が問題になっています。 公正競争のためにも『全国一律』が必要です」と述べています。

 --第85回メーデー --

 


”生涯賃金、非正規雇用は1億円以上低い”「しんぶん赤旗」が試算

2014年04月22日 | 雇用と賃金

 「しんぶん赤旗」21日付は、正規雇用と非正規雇用の生涯賃金を試算し、 その結果は、「非正規雇用は1億円以上低い」という結果を明らかにしました。 衝撃的ともいうべき実態について、紹介します。

 「非正規雇用で働き続けた場合生涯賃金は、正規雇用に比べて1億円以上少なくなります。 厚生労働省が2月に発表した2013年の『賃金構造基本統計調査』から本紙が試算しました。 安倍政権は、『常用雇用の代替禁止』などの大原則をなくす労働者派遣法改悪案を今国会に提出しています」

 「非正規雇用を際限なく増やす同法改悪が、賃金水準全体をいっそう押し下げ、貧困を拡大する無謀な政策であることは、この試算からも明らかです」

 「この試算では、フルタイムに当たる『一般労働者』について、年齢ごとの平均年収を、正規雇用と非正規雇用で比較し、生涯賃金を集計しました。 若い世代では正規雇用と非正規雇用の賃金格差はそれほど大きくありません。 20~24歳の場合、非正規雇用の平均年収は228万7000円で正規雇用308万8000円の74.1%です」

 「しかし、年齢を重ねるにつれて正規雇用の賃金が上がるのに対し、非正規雇用ではほとんど変動しないため、格差が広がります。 50~54歳の年収は正規雇用631万4000円に対し、非正規雇用267万9000円と半分以下にすぎません」

 「このデータをもとに20~64歳で得られる賃金を計算すると、正規雇用で2億2432万円となり、非正規雇用では1億2104万円となり、その差は1億328万円となります」

 「なを、非正規雇用の平均年収のピークは60~64歳です。 これは60歳で定年を迎えた正規雇用労働者が非正規雇用で再雇用されたために平均年収が引き上がったことが最大の要因です。 そのため、実際に非正規雇用で働き続けてきた場合の生涯賃金はさらに低くなると考えられます。 しかも現役時代の賃金は年金給付額に反映されるため、格差は一生格大し続けます」

 


”生涯ハケン””正社員ゼロ” 「派遣法大改悪反対へ共同を」、日本共産党アピール発表

2014年04月16日 | 雇用と賃金

 消費税の大増税路線を進める安倍政権は、働くルールの大改悪にのりだしました。 この事態を受け、日本共産党は昨日、志位和夫委員長が、「アピール」を発表しました。 以下、要旨を紹介します。

” 「常用雇用代替禁止」「臨時的・一時的業務に限定」の大原則を投げ捨て、いつでも、どこでも、いつまでも派遣を使い続ける”

 「安倍政権は、歴代自民党政権も手をつけることができなかった派遣労働の大原則を投げ捨て、いっそう大規模に、かつ公然と、正社員を派遣労働に置き換えることができるようにするとともに、派遣労働者に『生涯ハケン』を押しつけようとしている。 これまでも労働者派遣法は、何度も改悪され、低賃金で不安定な雇用で働く派遣労働者を増やしてきました。 それでも『派遣労働の常用雇用代替の禁止』『派遣受け入れは一時的・臨時的業務に限定』という大原則をとりはずすことはできませんでした。 企業が雇用主としての責任を果たすためには、直接雇用が基本であり、間接雇用は例外的な場合だけというのが、戦後の労働法制の根幹であり、世界で確立している原則だからです」

 「この大原則があるために、現行法でも、企業が同じ業務で派遣を使えるのは原則1年間、最長でも3年間に制限されています。ところが改悪案では、企業は、派遣労働者を3年で『取り替える』だけで、いつまでも、同じ業務に派遣を使い続けられるようになります。 期間制限を事実上なくし、派遣の恒常化と常用雇用の代替をおおっぴらに認めるものとなっています」

”正社員にも大打撃・・・派遣への置き換えと賃下げ・長時間労働を加速させる”

 「常用雇用代替を禁止する大原則がなくなれば、正社員、直接雇用から、派遣への置き換えが大規模にすすみます。 正社員の解雇や派遣への『変更』、直接雇用の契約社員、パート労働者が、契約更新時に派遣への転換を迫られることになります。 さらに、派遣労働の拡大は、正社員の賃下げや長時間労働など労働条件悪化をもたらします」

 「労働者派遣法の大改悪は、派遣労働者はもとより、契約社員、パート、そして正社員を含めてすべての働く人たちの労働条件を悪化させ、働く人間の『使い捨て』をより大規模に引き起こすことになります」

 「安倍内閣は、労働者派遣法に続いて、労働契約法、労働基準法など、わが国の労働法制の根幹になっている一連の労働法を軒並み大改悪しようとしています。~労働者派遣法改悪案は、こうした労働法制の全面改悪の突破口であり、その意味でもすべての働く人たちにとっての大問題です」

 日本共産党の提案ー「働く人間を大切にする労働法制にー経済と産業のまともな発展のためにも」

 ーー労働者派遣法を派遣労働者保護法に抜本的に改正し、派遣労働の受け入れを臨時的・一時的業務に厳しく限定し、派遣から正社員への道を開くなど、派遣労働者の生活と権利を守り、正社員化をすすめる。 不当な差別や格差をなくす均等待遇をはかる。 登録型派遣、製造業派遣を禁止する

 --中小企業への抜本的な支援を行いながら、最低賃金を時給1000円以上に引き上げ、全国一律最低賃金制度を確立する

 など、5項目を提案しています。

  人間らしい労働の実現は世界の流れです。 また、何よりも人間社会の発展の基盤であり根本問題です。 安倍政権の労働法制の大改悪をストップさせるために、力をあわせなければと考えています。


”3度のストで月額2400円最賃増額”=全国港湾。「最賃は消費も雇用も増やす」=ライシュ米元長官

2014年04月11日 | 雇用と賃金

 「港の産業別労働組合の全国港湾労働組合連合会(全国港湾)と全日本港湾運輸労働組合同盟(港運同盟、連合加盟)は10日、今春闘を3波に及ぶ24時間ストライキなどでたたかい、産別最低賃金の増額などで経営者側と大筋合意をかちとり、スト体制を解除しました」(「しんぶん赤旗」11日付)

 「同紙」は、合意内容を次のように報じています。 「産別最賃を守り、月額2400円引き上げて16万円とし、日額6310円から6960円へ引き上げることなどで合意。 日港協は、大企業など荷主から適正料金を確保することも約束しました。 全国港湾は、各業種・職場などの賃上げが前進しなくなった場合は、産別スト体制を再構築するとしています」 

 かって、一緒にたたかった労働者、労働組合のたたかいの前進を心から喜んでいます。

 【ワシントン=洞口昇幸】「しんぶん赤旗11日付」は、米国のロバート・ライシュ元労働長官の発言が紹介されています。 私が労働組合の仕事をしていたころに記憶があるクリントン政権時の労働長官です。   このライシュ発言は今日の日本にこそ必要ではないかと感じました。

 「最低賃金の時給10.10㌦(約1028円)への引き上げが州レベルで実現し始めている米国ですが、1990年代のクリントン政権時に労働長官を務めた経済学者のロバート・ライシュ氏は、米国民・経済のために同15㌦(約1527円)までの引き上げが必要と主張しています。 米メディア・オルターネットが9日付で報じました」

 「ライシュ氏は、最賃時給15㌦までの引き上げの『7つの理由』を紹介。 1968年から物価上昇に対応していれば、現在、最賃は10㌦以上になっており、労働者の生産力も2、3倍に向上しているため、その成果の一部は『労働者に(賃上げで)向わなければならない』と指摘しています」

 「10.10㌦では、家族を養うなどの勤労世帯すべての脱貧困と生活水準の向上には不十分で、米マクドナルドなどのように雇用主側が低賃金を強いて、労働者が公的支援制度に頼らざるをえない状況を懸念しています。 最賃を引き上げれば、そのコストを補おうとして企業側が大量解雇するという考えをライシュ氏は否定。 『私が労働長官だった96年に最賃を引き上げたとき、数百万人の失業者を予測したが、その後の4年間は史上最高の雇用増となった』などと述べ、賃上げした分は多くの低賃金労働者の消費に回り、経済全体を活性化させるとしています」

 


トヨタの賃上げ回答は2700円、しかし、実質50円の賃下げとは。 同期間従業員は4000円賃上げ

2014年04月08日 | 雇用と賃金

 消費税8%への増税実施のなか、労働者の賃上げはどこまで進んでいるのでしょうか。 朝の駅頭宣伝でも”賃上げこそ景気回復の決め手”と訴え続けています。 全労連の集計では、回答額の平均が5000円台になっていることが「しんぶん赤旗」で紹介されていますが、消費税が8%に増税されると、平均サラリーマンで10万円もの負担増になると言われています。 また、非正規雇用者が37.6%まで上昇し、働いているのに年収200万円に届かない貧困層が1090万人に達しています。 こうした労働者に重くのしかかるのが消費税です。

 「しんぶん赤旗」8日付の「春闘点描」は、トヨタ自動車の賃上げ回答状況を伝えています。

 「過去最高の2兆4000億の利益見通し、14兆円の内部留保。 日本最大の企業、トヨタ自動車では、組合員の要求、運動で6年ぶりに賃上げを実現しました。 連合・トヨタ労組の春闘要求はベースアップ(ベア)月4000円。 会社は『万が一にも競争力を低下させてはならない』と賃上げを抑制し、回答した額は2700円でした」

 「今年の賃上げから新退職金制度へ2750円を移行させることを労使合意していることから、実質の賃上げはマイナス50円です。 中堅の組合員は、『消費を増やし、デフレ不況を克服することにつながらない』と語っています。 同時に、『労組が非正規雇用の期間従業員の賃上げ要求(日給200円)し、要求通りに獲得したことは特筆すべきこと』といいます。 中年の期間従業員は、『月に4000円ほどの賃上げになる』と喜んでいます」

 「日本共産党トヨタ委員会は、『トヨタは、02年からの12年間のうち8回も1兆~2兆円の利益をあげながら、賃上げがあったのはわずか3回。 党委員会のブログ『トヨタで生きている』で、ばく大な利益、内部留保を取り上げてきた結果、賃上げのある春闘へと切り開くことができたと思います』とまとめています」

 「国際競争力の強化と利潤第1」を至上目的としている巨大企業・トヨタ自動車のなかで、労働者の要求を実現するために奮闘している党委員会のみなさんの熱い思いが伝わってきました。

 また、トヨタ自動車など輸出大企業が利用している全国の港で、全国港湾と港運同盟が毎週日曜日に24時間ストライキを決行しています。 今回のストライキは、組合側の賃上げ要求に対して、港運事業者の中央団体、日本港運協会が、「産業別労働協約」で決めていた労働条件の一部を個別企業任せにして、産別最低賃金も廃止しようと言い出したため、交渉が決裂しているためです。

 日本の貿易は、重量ベースで99%が港湾(海側)で行われています。 「全国港湾は、港の秩序と港湾労働者の雇用と生活を守ることが重要だと主張。 事業者に対し、270兆円の内部留保を持つ大企業から適正な運送料金をとり、賃上げを行うよう要求しています」

 港湾労働者のたたかいの前進、要求の実現を心から応援しています。


36万人が参加、「くらし・営業・雇用守れ」、労働組合はストライキ実施。 政府は「法人税下げ」に着手

2014年03月14日 | 雇用と賃金

 「4月から狙われている消費税増税の中止をはじめ国民の諸要求を掲げ、『くらし・営業・雇用守れ 国民大行動』が13日、列島各地で展開され、36万人以上が参加しました。~「国民大行動に呼応した第45回『重税反対全国統一行動』は580か所、14万人が参加しました」(「しんぶん「赤旗」14日付)

 大和、綾瀬、座間、海老名4市共同の「重税反対」行動は、会場の都合で12日に実施され約200人が参加し、大和市内で集会、デモ行進、大和税務署への集団確定申告を行いました。 同集会では、消費税増税実施を前に、今月中にはさらに宣伝、署名行動を実施することなどを確認しました。

 政府税制調査会は12日、法人課税検討グループ(座長・大田弘子元経済財政担当相)の初会合を開き、法人税実効税率を引き下げる検討をはじめました。

 「法人税引き下げは、財界の強い要望です。 経団連は昨年9月の『税制改正』提言で、法人実効税率の引き下げは『改革の本丸である』と位置づけ、、『最終的にはアジア近隣諸国並みの約25%まで引き下げるべく、道筋を示すための議論を早期に開始すべきである』と政府に求めています」(同紙)

 「今年1月22日、安倍首相はスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、『本年、さらなる法人税改革に着手する』と発言。 経団連事務局幹部は、『法人税引き下げへ向けた動きがこの首相発言であわただしくなった』といいます」(同紙)

 法人課税検討グループのメンバー38人の中には、産経新聞の論説委員、読売新聞の論説副委員長、日本経済新聞の会長も名前を連ねています。 大手メディアをあげて法人税減税を推進する仕組みが作られています。

 「これまで行われた法人税率の引き下げは、企業の内部留保と配当に回ってきたのが実態です。 法人税率は1998年度、99年度に連続して引き下げられ、37.5%から30%になりました。 黒字企業が利益を何に使ったのか、年ごとの変化をまとめた財務省の資料によると、法人税率が引き下げられる前の97年度は利益のうち31.8%が法人税、内部f留保に37.2%、配当には10.4%があてられていました。 2011年度には法人税が21.3%まで比率を落とす一方、内部留保は45.1%、配当は21.8%にまでふくれあがっています」

 「国民には、消費税の大増税、大企業には法人税の連続引き下げ」、こんな異常な政治の転換が求められています。

 なを、今日午後2時から、日本共産党の志位和夫委員長が、国会内で日本軍「慰安婦」問題についての見解を発表します。

 インターネットで生中継します。 インターネット中継は日本共産党ホームページからアクセスできます。

 多くの方に視聴していただきたいと思います。

 


小池氏「最低賃金、全国1律1000円をめざすのは先送りできない課題」、首相「共産党と同じ考えだ」

2014年03月06日 | 雇用と賃金

 4日の小池議員の参院予算委基本的質疑では、最低賃金の引き上げ問題が取り上げられました。 小池議員の質問では、新しい資料も提示され、最低賃金の引き上げの大きな役割と実現の可能性が実感をもって明らかにされたのではないかと感じました。

 今日の「しんぶん赤旗」は、2㌻をつかって、小池質疑の大要を掲載しました。 「最賃引き上げ関係」を紹介したいと思います。(全文は是非「しんぶん赤旗」または、共産党のホームページでお読みいただきたいと思います。 私も、駅頭宣伝などで大いに活用したい思っています。

 小池 : 「私たちは厚労省と総務省の統計をもとにフルタイムの一般労働者で時給1000円未満の労  働者がどれだけいるのか計算してみました。 若年者、高齢者、そして全体を通じて女性です。 フルタイムであってもこれだけの低賃金が広がっているのです」

 小池議員の示したグラフは、年齢別、男女別の時給1000円未満の労働者の分布状況です。
 20~24歳代が最も多くなっていますが、その男女比は、男性19.8%、女性26.0%、その後の年代では、59歳までいずれも女性の比率が20%前後、男性が10%前後で女性の比率が男性を上回っています。 

 小池 ::「1959年に最低賃金制を導入した当時の岸信介首相も、最低賃金制によって、『中小零細企業の劣悪な労働条件が改善され、能率も上がり事業も安定し、過当な競争もなくなる』『中小企業対策としても効果がある』と答弁をされているわけです」

 と、最低賃金制度導入の歴史を指摘し、さらに、欧米諸国が軒並み1000円以上の最低賃金の引き上げを経済政策の柱にすえている取り組みを明らかにしました。 

 小池 ::「最低賃金を導入した、この歴史をさらに前に一歩進める。 そういう決意はありませんか。 
全国一律最低賃金を引き上げることによって地域格差も解消する。 このことは大事な政策ではないか。 やっぱり最低時給1000円以上と。 これを目指して、そのための中小企業支援を行う。 先送りできないと思いますが、いかがですか」

 首相 :: 「最低賃金が引きあがっていく状況をつくっていくことについては、共産党の小池先生も岸信介も私も同じ考え方といってもいいんだろうと思います。 その考え方のもとに、昨年度は15円最低賃金を引き上げたところであります」

 小池 :: 「最低賃金を引き上げたとおっしゃるんですが、全国平均で5年前の703円から764円です。 ペースは若干上がってきていますが、毎年10円ちょっとの引き上げなんです。 この5年間のペースでいくと、1000円になるまでにあと20年かかるわけです」

 小池議員は、中小企業への直接支援を行い、賃金、消費の向上を求めました。

 小池 :: 最低賃金を時給1000円以上に引き上げる場合に、雇用者全体の約2割にあたる932万人が賃上げの対象になってまいります。 そのために必要総額は約2兆2000億円。 従業員規模100人未満の企業を対象として最低賃金を900円に引き上げる段階では最大で4000億円程度。 1000円に引き上げる段階でも9000億円。 もちろんこの中には黒字企業もあるでしょうから、すべてを助成しなくてもできると思うんですね」

 そして、小池議員は、財源の一つとして、5兆円規模に積み上がっている雇用保険の活用を提案しました。 これは、政府がやる気になれば実現可能な具体的提案ではないでしょうか。

 


 オバマ大統領”最賃上げに署名” 日本の安倍政権は「雇用改革」で賃金42兆円減を狙う

2014年02月14日 | 雇用と賃金

 【ワシントン=洞口昇幸記者】(「しんぶん赤旗」14日付)「オバマ米大統領はホワイトハウスで12日、政府の契約職員の最低賃金を時給7.25㌦から10.10㌦(約1030円)に引き上げる大統領令に署名しました。 同賃上げは来年1月1日から実施予定です。 オバマ氏は一般教書演説で宣言したとおり、米国の最賃引き上げの流れをけん引する取り組みを実行しました」

 「ホワイトハウスに招いた労働者らを前にオバマ氏は、最賃引き上げ反対の議論が『間違っていることは証明されている』と指摘。 『最賃引き上げは企業、労働者、経済にとって良いことだ。 みなさんが買い物のためにより多くのお金を得ることは、企業がより多くの顧客を持ち、そのためより多くの労働者を雇い、より多くの利益を生むことになる』と強調しました」

 「オバマ氏は、『働く米国民の賃上げのためにできることは何でもし続ける』と述べ、財界指導者や地方自治体の首長、米議会を説得する姿勢をあらためて示しました。 米議会で、最賃の時給を10.10㌦に引き上げる法律を成立させれば『2800万人の賃上げに効果があり、数百万人の米国民を直ちに貧困から救い出すことになる』と訴えました」

 日本でも、こうした政策が強く求められているのではないでしょうか。 ところが、安倍政権の政策はまったく逆立ちしています。

 同紙の14日付1面に、「賃金42兆円減=労働総研試算」「安倍政権が狙う『雇用改革』」の記事が掲載されました。

 安倍首相の頭の中は、古い破たんした「トリクルダウン」理論ー”おこばれ経済学”しかないのでしょうか。

 安倍政権の「雇用改革」で42兆円もの賃金が減少するという労働総研の試算内容はつぎのようなものです。

 (1) 正社員の「限定正社員」化 14兆円減小

 (2) 新裁量労働制導入による「無限定正社員」の残業代削減 10.5兆円減少

 (3) 「無限定正社員」の選別・振るい落としによる限定正社員化 1.3兆円 減少

 (4) 非正規労働者増大による非正規労働者の賃金水準低下 2.9兆円

 (5) 「名ばかり正社員」の非正規化 0.9兆円

 (6) 「限定正社員」リストラによる派遣労働者化 12.3兆円

  これらを合計すると、なんと41.9兆円に達します。 この減少額は、日本のGDP(国内総生産)472兆6000億円(2012年)の約9%に相当するといいます。

  労働総研の藤田宏事務局長は、「試算の結果が想像以上の額にのぼり、驚いています。 アベノミクスによる『雇用改革』は労働者にとって大きな悪影響を与えます」と語っています。

 


「経済の好循環は賃上げ」で、オバマ米大統領の”最賃アップ提案”に注目。 日本の賃上げは

2014年02月12日 | 雇用と賃金

 2014年春闘がスタートしました。 全労連は、全ての労働者の賃上げをめざし、月額1万6000円以上、時給120円以上の賃上げを要求しています。 連合は5年ぶりに1%以上の賃上げをめざす統一要求を掲げました。

 日本共産党は1月29日の衆院本会議の代表質問で志位委員長が、安倍首相に賃上げを実現するための3つの提案をしました。

 一つは、270兆円にのぼる大企業の内部留保の一部を賃上げに活用するよう、経済界に正面から提起することです。

 二つは、最低賃金の抜本的引き上げと、そのための財政出動を行うことです。

 三つは、雇用のルール破壊をやめ、人間らしく働ける雇用のルールを強化することです。

 こうした中、1月28日のアメリカのオバマ大統領の一般教書演説が注目されています。 その背景を考える際に、 「しんぶん赤旗」日曜版9日付の島田峰隆ワシントン特派員の記事が大変参考になります。 以下、要旨を紹介させていただきます。

 「フルタイムで働く人が貧困の中で家族を養うことがあってはならない。 この点では圧倒的な国民が賛同している」とオバマ大統領は訴え、「大統領令を出して、政府の契約職員の最低賃金を時給10.10㌦(約1030円)まで引き上げると表明しました」

 「また、企業経営者や自治体首長に最賃引き上げを呼び掛け、国の最低賃金を『現在の同7.25ドル(約740円)から同10.10㌦に引き上げる法案の可決』を求めました」

 「 なぜ、オバマ氏は最低賃金の引き上げを提起したのかー」

 「オバマ氏は昨年12月の経済演説で、富裕層や大企業さえもうかればいずれ庶民におこぼれがしたたりおちてくるという『トリクルダウン理論』を批判。『この理論が顕著になる中で富裕層課税は減らされ、万人を豊かにするための投資は消え去った」「経済は、成長がより広く共有されるときに最も成長する」と述べ、「「中間層支援こそが必要だと指摘しました」

 島田記者によれば、「米国ではブッシュ前政権による富裕層減税などによりトリクルダウン理論に基づく政策が長く進められてきました。 その結果、米国の最富裕層10%が国民の収入全体に占める割合は、30年前の35%から50%となっています。 現在の格差の規模は世界大恐慌前年の1928年以来最大とされます」

 「経済成長には賃上げで国内需要を刺激することこそが有効だ、ということは、米国の多くの経済学者が主張しています。 米国の『経済政策研究所』(EPI)は昨年12月の報告書で『消費者の需要が抑制されている時期には、最低賃金を引き上げることが経済活動全体にある程度の勢いをつける』と指摘」

 「最低賃金を2016年までに段階的に10.10㌦まで引き上げれば約220億㌦(約2兆2500億円)の経済活動が新たに生まれ、雇用も増えて国内総生産(GDP)はお0.3%伸びると試算しています」

 「ノーベル賞経済学者のスティグリッツ氏らは1月14日、オバマ氏や上下両院の与野党幹部に宛てた公開書簡で『最低賃金の引き上げは、需要を伸ばし、雇用を増やす刺激的効果がある』と強調しました。 書簡に賛同を表明した経済学者は600人を超えています」

  安倍政権との賃金、雇用政策の違いを痛感させられます。 

 全労連の大黒作治議長は、「賃上げは、自動的についてくるものではなく、たたかいとるものだ」と訴えています。 大いに期待しています。 同時に労働者と労働組合の要求実現のために連帯していきたいと思います。


こんな状況で消費税増税か、民間賃金12年分平均408万円、前年1万円減。非正規は168万円

2013年09月28日 | 雇用と賃金

 国税庁は27日、2012年の1年間の民間給与実態統計調査を公表しました。国税庁調査で、民間企業で働く会社員やパート・アルバイト、派遣などの非正規従業員の同年受け取った賃金の平均は408万円で、前年を1万円下回り、2年連続で減少したことが明らかになりました。(28日付、各紙報道)

 「正規従業員(役員を除く)の平均は467万円(男性520万円、女性349万円)、非正規は168万円(同225万円、同143万円)。同庁が正規、非正規を区別して調査したのは初めて」、「408万円は、1989年の402万円とほぼ同水準で、ピークだった97年の467万円から59万円減りました」(「しんぶん赤旗」28日付)

 雇用数や納税額はどうだったのでしょうか。「年間を通じて勤務した給与所得者は4555万人(男性2726万人、女性1829万人)で男性は前年比4万人減。女性も同5万人減。源泉徴収による収めた所得税額は7兆2977億円で、前年より2552億円減りました」(「同紙」)

  総務省が7月に発表した2012年の就業構造基本調査では、非正規雇用者の総数が2043万人と、2000万人を突破しました。雇用者全体に占める割合は38.2%t4割にせまりました。また、総務省が8月に発表した4~6月期平均の労働力詳細集計では前年同期比106万人増加し、1881万人。4半期ベースで、調査開始以来最多となっています。

 雇用形態(正規、非正規)が賃金格差の大きな原因であることははっきりしています。政府の雇用政策はどうなっているのでしょうか。「厚労省は、14年度概算要求で、雇用調整助成金(雇調金)を半減し、労働者を放出する企業を助成する労働移動支援助成金の予算を150倍化しました。雇調金は、失業を防ぎ雇用の安定を図る役割を果たしてきました」(「同紙」

 安倍政権は、さらに雇用を破壊し、多国籍企業の「もうけ」を保障するために、「解雇特区」(「遅刻を理由に解雇できる。労使協定なしで時間外手当なし、深夜・休日勤務を認めるなど)まで、つくろうとしています。まさに、「ブラック特区」の導入です。市田書記局長は24日の記者会見で、「こういうやり方では、ますます雇用を破壊し、国民の所得を減らし、景気も経済もダメにする道であり絶対にゆるされない」と厳しく批判しています。