宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

”重要な前進の一歩”。 「拉致包括調査日朝合意」について、志位委員長が談話

2014年05月31日 | 出来事

 昨日、日本共産党の志位和夫委員長は、拉致被害者らの調査で日朝政府が合意したことについて、次の談話を発表しました。

 「日本、北朝鮮の政府間協議の結果として29日、北朝鮮が日本人拉致被害者らに関して包括的で全面的な調査をし、生存者発見の場合は帰国させる方向で日本側と協議する、日本は調査開始が確認されれば北朝鮮への制裁措置を一部解除する、などを柱とした合意が発表された」

 「これは、拉致問題などを解決するうえで重要な前進の一歩である。 わが党は、北朝鮮が合意を確実に実行するよう強く求めるとともに、日朝双方の行動により、拉致被害者の帰国の実現をはじめ、日朝平壌宣言で合意された諸懸案が前進することを願うものである」

 この談話で指摘されている「日朝平壌宣言」は、2002年9月17日に小泉純一郎首相と北朝鮮の金正日国防委員長が合意したものです。

 同宣言は、冒頭部分で、「両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した」と述べ、4項目にわたって記述されています。

 「1、双方は、この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために2002年10月中に日朝国交正常化交渉を再開することとした。 ~以下「略」」

 「2、日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大な損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。 双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等を実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。~中略」

 「双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした」

 「3、双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。 また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案事項については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した」

 「4、双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した。 双方は、この地域の関係各国の間に、相互の信頼に基づく協力関係が構築されることの重要性を確認するとともに、この地域の関係国間の関係が正常化されるにつれ、地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要であるとの認識を一にした。 双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した」

 「また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。 朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明した」

 「双方は、安全保障にかかわる問題について協議を行っていくこととした」

 今回の「拉致包括調査」の日朝合意は、この2002年9月の「日朝平壌宣言」がベースになっていることが確認できると思います。 この合意以来、北朝鮮のミサイル発射、核実験の実施など、「合意」反する事態が繰り返されてきました。

 しかし、日朝の国交を正常化させ、拉致問題などを解決していくためには、「日朝平壌宣言」を基本として、対話と外交によって解決をめざす以外にないことが明らかになったといえるのではないでしょうか。


”私以外、外国人はいません”アフガンで人道支援中の中村哲氏 「9条は大いなる日本の遺産」

2014年05月30日 | 憲法・平和・文化

 中村哲氏が、6月1日大和市で講演会を開きます。 講演会については先日、ご案内しました。 5月16日付の「西日本新聞」の電話取材に応じた中村哲氏の発言内容が掲載されました。 以下、紹介させていただきます。 (電話取材は15日、「安保法制懇」の報告書が出され、安倍首相が記者会見しました)

 「アフガニスタン人にとって、日本は軍事行動に消極的な国だと思われています。 一言で言うと敵意のない国。 これは自衛隊の行動を縛ってきた憲法9条の威力です。 アフガニスタン人も、日本には他国の戦争に加担しないという『掟』(おきて)があることを知っています」

 「アフガニスタンで活動する中で、米軍のヘリコプターに撃たれそうになったり、米軍に対する反政府側の攻撃に巻き込まれそうになったりしたことはありますが、日本人だからという理由で標的にされたことはありません。 この『掟』があるからです」

 「今、活動拠点のアフガニスタン東部のジャララバードには私以外、外国人はいません。 大勢いた欧米の人は逃げ出しました。 米同時多発テロの後、米国を中心とする多国籍軍が集団的自衛権を行使し、軍服を着た人々がやって来てから、軍事行動に対する報復が激しくなり、国内の治安は過去最悪の状況です」

 「アフガ二スタン人は多くの命を奪った米国を憎んでいます。 日本が米国に加担することになれば、私はここで命を失いかねません。 安倍首相は、記者会見で『(現状では)海外で活動するボランティアが襲われても、自衛隊は彼らを救うことはできない』と言ったそうですが、全く逆です。 命を守るどころか、かえって危険です。 私は逃げます」

 「9条は数百万人の日本人が血を流し、犠牲になって得た大いなる日本の遺産です。 大切にしないと、亡くなった人たちが浮かばれません。 9条に守られていたからこそ、私たちの活動も続けてこられたのです。 私たちは冷静に考え直さなければなりません」

 中村哲氏の発言は、自らの命懸けの活動と体験にことづくものであるだけに、特別の”ひびきと真実の重さと力強さ”を感じます。

 海外で活動するボランティアの命を守り、海外に派兵され他国民の命を奪い、奪われる日本の若者たちを守るために、「憲法9条を守り、生かす」声を挙げ、できるところから行動を広げていきたいと思います。

 

 

 


”米国の戦争のために日本の若者が血を流す” 志位質問で「集団的自衛権の本質浮き彫りに」

2014年05月29日 | 安全保障関連

 昨日の衆院予算委員会の志位和夫委員長の質問を視聴しました。 25分間の質問時間でしたが、基本点を踏まえた分かり易い質問で、安倍首相の進めようとしている集団的自衛権の危険な憲法違反の中身を浮き彫りにしたのではないでしょうか。

 

 志位委員長は、質問後の記者会見で次のように語りました。

 「集団的自衛権行使容認の核心部分が、『海外で武力行使しない』『戦闘地域にはいかない』という憲法上の『歯止め』を外し、文字通り『海外で戦争する国づくり』にあるということが明確になった」

 「”二つの歯止め”を残すのかとの追及に、安倍首相が『残す』とは言わなかった」「武力行使を目的といした活動はやらない』と繰り返したが、これは『武力行使をやらない』ということとはまったく違う」

 「特に、兵站(へいたん)活動・後方支援について、『戦闘地域ではやらない』という『歯止め』を最後まで『残す』とは言わなかった。 逆に首相は、『後方支援』については、『戦闘地域』『非戦闘地域』という概念も含めて検討すると述べた。 自衛隊の活動範囲を広げる方向で検討することであり、結局、『戦闘地域』に行くことがはっきりした

 記者からの、「法律や首相の判断が『歯止め』になるのか」と問われ、志位氏は、「ならない。 時の政権党が多数を持っているのだから、法律はいくらでも作ることができ、首相の判断にいたっては、歯止めというのもおこがましい。 『海外で武力行使してはならない』という憲法上の『歯止め』をはずしてしまうわけだから、残る『歯止め』はなく、『歯止め』なしが明りょうとなった」と答えました。

 志位氏は質問の最後に、「集団的自衛権行使は端的にいえば、米国の戦争のために日本の若者の血を流すということではないか」とズバリ質しました。 安倍首相は、「米国に要請されればただちに集団的自衛権を行使するというものではない」とごまかしました。 

 志位氏は、「自民党の石破茂幹事長は『自衛隊が他国民のために血を流すことになるかもしれない』と述べていることを示し、

 「これほど重大な『海外で戦争する国』への転換を一内閣の閣議決定で憲法解釈の変更で強行することなど立憲主義の否定だ」と述べ、憲法破壊の暴挙の中止を強く求めました。

 志位委員長の質問要旨と安倍首相の答弁内容をよく検討して、今後の活動に生かしていきたいと思います。


 「軍事では安全守れない」、外交評論家・元外交官小池正行さんの実感がこもった発言に同感

2014年05月28日 | 安全保障関連

 今朝から、衆議院予算委員会では、安倍首相出席のもとで、憲法の解釈を変更しての「集団的自衛権の行使容認」への方向性をめぐって質疑が行われています。 日本共産党の志位和夫委員長の質問は、午後4時25分ごろから25分間予定されています。 NHKが中継しています。

 「しんぶん赤旗」を含めて、新聞各紙は、政府が27日、自民、公明両党の「与党協議会」に、集団的自衛権の行使容認など、「海外での武力行使」を禁じた憲法解釈の変更を正当化するための15事例を正式に提示したことを大きく報じています。

 憲法9条をもつ日本が、こんな「架空」の事例を持ち出して、「戦争する国」に変えられようとしています。 憲法の立場に立てば、仮にこうした事例が発生する危険があるならば、日本国民をまもるために憲法9条に基づく外交戦略の構築と具体的な外交活動の展開ではないでしょうか。 

 「しんぶん赤旗」28日付に、外交評論家・元外交官の小池正行さんの発言が紹介されています。 体験を踏まえた発言だけに迫力があり、説得力があると感じました。

 小池さんは、「安倍首相が15日の記者会見で、『国民の命と暮らしを守る』と繰り返し強調し、集団的自衛権行使の事例として示した『日本人を乗せて非難する米輸送艦の防護』は、朝鮮半島有事を想定しているものと思われます。  ただ、私が北朝鮮の外交筋などと話した感触では、彼らは現在の軍事力で韓国と戦争しようという意思はありません。 想定自体がありえないものです」と断言しています。 

 冷静な見方ではないでしょうか。 朝鮮半島で戦争が起こる様なことになれば、在韓邦人の救出が日本にとって最大の対応課題になることは言うまでもないでしょう。 同時に、こうした戦争が起これば、最大の犠牲者となるのは、韓国民であり、北朝鮮の国民です。 南北合わせて7000万人以上(南4500万人以上、北2500万人以上)が暮らす朝鮮半島で、最新型の兵器、場合によれば、核戦争にも発展しかねない戦争を覚悟しなければんりません。

 そして、こうした戦争ともなれば、日本本土にも想像さえできないような、事態が発生しかねないことになってきます。

 だからこそ、「戦争を起こさせない」最大限の知恵と能力の発揮が望まれているのではないでしょうか。 その「根源的な力」として憲法9条があるのではないでしょうか。

 小池さんは、「ありえない想定を持ち出して集団的自衛権の行使に固執する安倍首相や一部外務官僚は、日本は『二流国』だと感じています。彼らは米国の他の同盟国や国連安保理常任理事国と伍していく上で、集団的自衛権はどうしても必要だと思っています」

 「しかし、それは間違っています。 日本は戦後70年近く、自分たちの軍事力で外国人を殺していないことで尊敬を勝ち得ている。 そういう国であり続けたほうがいい」と語っています。

 強い共感を覚える発言です。


”防空識別圏侵入を理由とする中国軍機の接近、やめるべきだ” 山下芳生書記局長が見解

2014年05月27日 | 安全保障関連

 防衛省は、24日、同日昼ごろに2回、東シナ海の公海上空を飛行していた自衛隊機2機に対し、中国軍の戦闘機が数十メートルの距離まで接近したと発表しました。 

 中国国防省は25日、「自衛隊機が中国の防空識別圏内に入り、中ロ合同軍事演習を偵察、妨害した」との談話を発表しました。

 日本共産党の山下芳生書記局長は、26日、国会内で記者会見し、次のような見解を明らかにしました。(以下、「しんぶん赤旗」27日付)

 「中国軍機の接近行為は、この地域の緊張を高め、航空の安全や秩序を脅かすものにしかならない。 今後、こういった行為はやめるべきである」と述べました。

 山下氏は、「中国の国防省が、『自衛隊機が中国の防空識別圏に侵入』したことを接近理由に挙げていることについて、日本共産党が昨年12月9日に”中国の設定した『防空識別圏』は公海上の広い空域をあたかも自国の『領空』のように扱っており、空の基本原則である『公海上空の飛行の自由』に反するものである”として、『防空識別圏』撤回を中国に求めていたことを強調しました」

 その上で、山下氏は「日中両政府は、事故回避のための共同措置がとれるよう、真剣に努力すべきだ」と指摘しました。

 そして、この問題をてこに日本政府が「グレーゾーン事態」と称して、もっぱら軍事的対応を強めようとしているが、「そのような企ては行うべきではない」と述べました。

 日本共産党が昨年12月9日発表した、「中国の『防空識別圏』設定の撤回をもとめる」見解は、今回のような事態の発生を予想し、「日中間や北東アジアの緊張の高まりが強く憂慮される事態となっている」とし、2つの重大な問題点を指摘していました。

 「第一の問題点は、今回の措置が、日本の実効支配下にある尖閣諸島を中国の『防空識別圏』に包含していることである」

 「第二の問題点は、今回の措置が公海上の広い空域をあたかも自国の『領空』のように扱っていることである」

 そして、「見解」は、「防空識別圏は、領空に接近してくる航空機を識別して、不審機が領空に入ることを防ぐためのものとされているが、中国が今回設置した『防空識別圏』は、領空への不法な侵入を防止するという措置を超えて、公海上空の広い範囲を、自国の排他的権限の及ぶ『領空』であるかのように扱うものであり、空の基本原則である『公海上空の飛行の自由』に反する」

 さらに、「今回の中国の措置は、領土・領空の『安全』や『飛行秩序』のためという中国が表明している設置目的とは正反対に、この地域の緊張を激化させ、航空の安全や秩序を脅かすものにしかならない。 それは、東アジアの平和と友好関係をめざす努力とは相いれない」

 として、日本共産党は中国政府にたいし、「防空識別圏設定」の撤回を求めています。

 いま、日中両政府に対し、外交による平和的解決を強く求めていくことが重要になっています。


「戦争に巻き込まれる可能性が高まる」75%、「安倍首相の進め方適切でない」67%

2014年05月26日 | 安全保障関連

 「朝日」の集団的自衛権などに関する世論調査(24、25日実施)結果が掲載されました。(  )内数字は4月19、20日の調査結果。

 質問項目の説明がかなり長いものになっていますが、公平性が感じられます。

 「集団的自衛権についてうかがいます。集団的自衛権とは、アメリカのような同盟国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして、一緒に戦う権利のことです。 これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。 憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることに、賛成ですか。 反対ですか。 賛成29(27) 反対55(56)」

 「安倍首相は、国会の議論や国民の賛成を経て、憲法を改正するのではなく、内閣の判断で政府の憲法解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにしようとしています。 こうした安倍首相の進め方は適切だと思いますか。 適切ではないと思いましか。 適切だ 18 適切ではない 67

 「もし日本が集団的自衛権を使えるようになったら、抑止力が高まり、周辺の国と紛争が起こりにくくなる、という意見があります。一方、周辺の国と緊張が高まり、紛争が起こりやすくなる、という指摘もあります。 集団的自衛権を使えるようになったら、紛争が起こりにくくなると思いますか。 紛争が起こりやすくなると思いますか。

 紛争が起こりにくくなる 23 紛争が起こりやすくなる 50

 「もし日本が集団的自衛権を使えるようになったら、アメリカなど同盟国の戦争に巻き込まれる可能性が高まると思いますか。そうは思いませんか。

 巻き込まれる可能性が高まる 75 そうは思はない 15

 「外交についてうかがいます。安倍内閣は中国や韓国との関係改善に、積極的に取り組んでいると思いますか。 そうは思いませんか。

 積極的に取り組んでいる 28 そうは思わない 55

  一内閣の憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使に踏み出すことへの国民の不安が大きいことが明らかになったように思います。 外交によって中国や韓国との関係改善を過半数の国民が期待し、望んでいることも重要ではないでしょうか。

 安倍暴走政治に対して国民の理性が一歩一歩発揮され始めているように感じます。


「事実と道理にたった理性的判決」大飯原発差し止め、志位委員長「原発再稼働中止」を要求

2014年05月25日 | 原発

 日本共産党の志位和夫委員長は、23日の大阪市内での演説会で、関電大飯原発、3、4号機の再稼働差し止めを命じた福井地裁判決について、「事実と道理に立った理性的判決」と述べ、判決の画期的な意義を4点にわたって明らかにしました。

 「第1は、憲法で保障された『人格権』を最優先にしていることです。 判決は、人の命を基礎とする『人格権』は憲法上の権利で、日本の法律では『これを超える価値を他に見いだすことができない』と宣言。 この大原則に立って原発再稼働にストップをかけました」

 「第2は、他の技術とは異なる原発の『本質的な危険性』を繰り返し強調していることです。 判決は、原発について『いったん発生した事故は時の経過に従って拡大していくという性質を持つ』と述べ、原発は他の技術にない『異質の危険』があると指摘してきた日本共産党と同様の指摘をしています」

 「第3に、原発『安全神話』に対し、厳しい断罪を下したことです。 判決は、この10年足らずに4つの原発で、想定した地震動を超える地震が5回も到来した事実を示し、想定される最大の地震の揺れが大飯原発に到来しないとの関電側の主張は『本質的な危険性についてあまりにも楽観的といわざるを得ない』と指摘しています」

 「第4に、国民の命よりも、コストを優先する考え方をきっぱりと退けたことです。 判決は、住民らの『人格権』と電力の安定供給やコスト問題をてんびんにかけた関電側の議論を『法的に許されない』と強調。 『国富の喪失』とは運転停止による貿易赤字でなく、『豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していること』を失うことだと強調しました」

 志位委員長は、「4つの判断は大飯原発だけでなく、全国の原発にもあてはまるものです。 安倍政権はこの判決を重く受け止め、大飯原発はもとより、全国の原発の再稼働を中止すべきです」と述べました。

 改めて、憲法に基づく政治こそ、今の日本に求めらていることを強く感じさせられました。 


”非正規社員の雇用は禁止””格差の固定も懸念材料”。 前駐中国大使丹羽宇一郎氏語る

2014年05月24日 | 雇用と賃金

月刊誌「PHP Business THE21 2014/06」で、前駐中国大使・前伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏のインタビュー記事が掲載されていました。 

 この間、日中関係に関する発言が注目されている人でもあります。 今回のインタビュー記事のなかで、日中経済関係、特に、日本の雇用、賃金問題に関する発言に共感を覚えました。

 「急成長を続けてきた中国経済は、近々バブルがはじける。 すでにその兆候はいたるところで、見られると、日本では半ば期待を持って報じられているが、果たしてそれは本当なのか。 また、起こるとすればいつなのだろう」との質問に、丹羽氏は次のように答えています。

 「中国経済はバブルではない。 したがってバブル崩壊もないというのが私の意見です。 ~経済成長が鈍化したのは、確かにそのとおりですが、それも心配するにあたりません。 中国の成長率は2010年までの20年間、平均で10%を超えていました。 しかし、2011年からは一けた台に落ちています。 だからといって経済が低迷しているということにはならないのです」

 「経済規模が一千円のときは、毎年10%成長だと、百円ずつ増えることになります。 では、経済規模が十倍の一万円になって、成長が5%になったとしたらどうですか。 増加分は毎年5百円と、成長率が半分になったにもかかわらず、経済規模の伸びは5倍になります。 つまり、中国経済はいまや経済規模一千円の後進国ではなく、一万円の先進国の仲間入りを果たしつつあるので、二桁の成長など無理になっているのです」

 「しかも、多くの先進国が成長率1~2%にとどまっているのに対し、中国にはまだ5%以上の成長を続ける力があります」

 丹羽氏は、「日本人は、中国のバブルがいつ崩壊するかを心配する暇があったら、その前に自国の経済の行く末を考えなくてはならないと思います」と、次のように語ってい、ます。

 「ここにきて中国もそれに(「教育に起因する労働力の差」)気づき、国民の教育に力を入れ始めたのです。 私の手元にある資料では、なんと国防費の3倍が教育に充てられています。 このぶんでいくと、おそらくものすごいスピードで労働者の質が上がっていくでしょう」

 「これに対し日本には、これを迎え撃つ術がありません。 もっとはっきり言えば、日本の労働現場の労働者の質は確実に下がりつつあります。 その最大の原因は、非正規社員の増加です」

 「いまはまだ高品質の工業製品を安定して供給できていますが、このままいったら、早晩中国に追いつかれのは必至です。 私は、とりあえず日本は非正規社員の雇用を禁止しないと、近い将来多くの工業製品を中国から輸入するようになるのではないかと、本気で危惧しています」

 「それから、日本に関して言えば、格差の固定も懸念材料の一つです。 いったん安定したレールに乗り損ねたら、どんなに頑張っても年収2百万や3百万しか稼げない。 そんな社会になったら、誰が一生懸命働いていいものを作ろうと思うでしょうか」

 「明日は今日より良くなると、みんなが夢を持てる社会にしないかぎり、日本の未来に光が昇る時期が遅くなることは間違いありません」

 大企業の会長を務めた財界人の発言として、たいへん注目される内容ではないでしょうか。