宮応かつゆきの日本改革ブログ

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 「『慰安婦』、靖国、集団的自衛権」 ニューヨーク・タイムズ マーティン・ファクラ―東京支局長が語る

2014年04月03日 | 憲法・平和

 「しんぶん赤旗」日曜版4月6日号で、「慰安婦・靖国・集団的自衛権」についての「米国の見方」を2人の米国人が語っています。 一人は、ナンシー・スノーさん(カリフォルニア州立大学教授)もう一人は、ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーさんです。

 マーティン・ファクラーさんの発言を紹介します。 「見出し」は「”女性踏みにじる国”世界に通じぬ」です。

 「日本軍『慰安婦』の問題で『河野談話』を見直したい政治家の人たちがいますね。 しかし、この問題は、世界では女性の人権の問題としてみられています。 普遍的な人権の問題ということです。 強制を示す資料はなかったとか、当時ではやってもよかったとか、そんなことをいっても世界では通用しません。 そういう主張をすれば、日本は若い女性たちをあんな扱いをしてもいい国だと世界に発信しているのと同じです。 なぜ(一部の政治家は)そんな勝ち目のないたたかいをしようとするのか。 私にはわかりません」

 「安倍さんも、『河野談話』見直しを迫る日本維新の会の議員を評価するかと思えば、談話は見直さないといってみたり。日によって言うことが違います。 矛盾を感じます」

 「靖国参拝について、安倍さんは”戦争で犠牲になった人たちのため”などと強調しますね。 しかし、靖国神社はそんな中立的なところではありません。 遊就館があり、特定の歴史観、イデオロギーがあります。 あの戦争で日本は悪くなかったというメッセージです。 米国では、奴隷制度をめぐって南北戦争(1861~1865年)がありました。 今でも南部へいくと、南軍兵士の墓地や石碑がいっぱいあります。 しかし、それをみて、『(南部が支持した)奴隷制度を美化するものだ』という批判はほとんどありません。 奴隷制度は間違っていたということがコンセンサスにいなっているからです」

 「日本も『大東亜共栄圏』を掲げた、あの戦争は間違っていたとはっきりさせれば、日本軍兵士に被害者の側面があったと言っても誤解されないでしょう。 米国にはアーリントン国立墓地があります。 靖国神社と違い、特定の歴史観を支持しているわけではありません。 南軍兵士の墓もありますが、奴隷制度を美化しているわけではありません。 だれでも行くことができます」

 「しかし特定の歴史観を持つ靖国神社に首相が参拝すれば、そのイデオロギーを支持しているように見えます。 あの戦争が良かったと思う国は世界にはありません。 だから日本は孤立してしまうのです」

 「今、日本には三つの道が問われていると思います。 一つは、平和憲法を徹底し、日本から米軍基地を撤去して、平和外交で物事を解決していく道です。 もう一つは、集団的自衛権を行使するなど”一人前”の米国の同盟国になる道です。 三つめは、石原慎太郎さん(日本維新の会共同代表)が主張するように、独立した大国として軍国主義の道を歩む道です」

 「日本国民の中で、どの道を選ぶかのコンセンサスはまだないようです。 それなのに、軍隊を持たないはずの平和憲法のまま、国防軍に近い軍隊を持ち、集団的自衛権が行使できる国にしようとしている。 その矛盾はだんだん大きくなってきています。 このまま進んでいいのか。 日本社会全体で議論が必要だと思います」

 マーティン・ファクラー支局長の冷静な分析と問題提起を、しっかり受け止め、「第一の道」が大きな国民的合意となるように努力を続けたいと思います。