じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

石田衣良「ガラスの目」

2019-03-20 20:15:20 | Weblog
★ 石田衣良さんの「再生」(角川文庫)から「ガラスの目」を読んだ。

★ わが子の障がいを受け入れられず、家を飛び出して仕事に逃げた男の話。

★ 思い詰めて、償いに走るところは短絡すぎるが、そこまで追い詰められたということか。

★ そんな男でも、家族が受け入れてくれてよかった。

★ ただ、冷静に考えてみれば、やっぱり男の身勝手だと思う。
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泉鏡花「外科室」

2019-03-20 17:49:31 | Weblog
★ これも古い作品。泉鏡花「高野聖」(角川文庫)から「外科室」を読んだ。明治28年の作品。

★ 文語と口語が入り混じった文体、内容も核心をはっきりとは言わないから、読み取れているのやらいないのやらはっきりとはわからない。

★ ともかく場面は伯爵夫人の外科手術。麻酔をかけようとするが夫人は頑なに拒む。夢うつつのうちに秘密を暴露するのが嫌だという。麻酔なしで手術は開始。執刀医はほんの数秒で手術を終えるが、何を思ってか夫人は執刀医のメスを握り自らの胸に刺し絶命する。

★ なぜ夫人はそんな行いをしたのか。「下」でそれが説明されている。どうやら伯爵夫人と執刀医とは一瞥の恋に陥っていたようだ。


★ 二人の縁は現世だけでは説明できないのかも知れない。他生の縁と言うやつだろうか。
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石坂洋次郎「霧の中の少女」

2019-03-20 13:02:51 | Weblog
★ 古い小説を読んでみた。石坂洋次郎さんの「霧の中の少女」(新潮文庫)から表題作。昭和29年の作品だ。

★ 北国の農村地帯に住む家族。祖母、父母、姉、妹、弟の6人家族。姉は東京の大学に通っている。帰省中の姉のもとに1枚の葉書が届く。それを見た妹は大騒ぎ。姉の同級生(それも男性の)が我が家に停泊するというのだ。

★ 戦後になって男女共学になり、田舎の村にも民主化の波が押し寄せていたとはいえ、未婚の女性の家に未婚の男性が宿泊する。果たして受け入れるべきか否か、姉が銭湯に行っている間に家族会議は沸騰する。

★ 結局、宿泊を認めることになったが、それから家の掃除やら何やら。妙に緊張する父母。減らず口を叩く妹。

★ さらに、姉、妹、弟、そしてその男性で近場の温泉で一泊することに。

★ 家族の風景を書いた妹の作文も面白いし、ちょっともうろくしかけた祖母が妹に性教育をするところも面白い。とにかく明るさを感じる作品だった。戦後から10年近く。この時代の空気が感じられる。
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