じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

森見登美彦「新釈 走れメロス」

2019-03-03 19:46:55 | Weblog
★ ここまでくればもう一丁。森見登美彦さんの「新釈 走れメロス」(角川文庫)を読んだ。

★ 芽野と芹那の「友情」物語。随所に「走れメロス」からのキーワードが散りばめられ、バカバカしくも芽野が京都を縦横無尽に逃げ回る作品だ。

★ 京都人ならではの面白さが味わえる。「京極東宝と八千代館の前をすり抜けて」なんて、よその人にはわかるまい。

★ 決して教科書には採用されないと思うから、ふふんと笑って読み流しましょう。

★ 最後、3人そろってのブリーフダンスはさぞ、おぞましかったでしょうね。
コメント

鈴木三重吉「デイモンとピシアス」

2019-03-03 18:43:54 | Weblog
★ 鈴木三重吉の「デイモンとピシアス」(青空文庫)を読んだ。

★ 全体は2部で構成され、第1部はシラキュースの議政官ディオニシアスの猜疑心に満ちた残虐な行いが描かれている。第2部はそんな彼の一つのエピソードとして「デイモンとピシアス」の話が紹介されている。

★ ピサゴラスの学徒であるピシアスがシラキュースに来ていた時、ディオニシアスに反抗したということで捕縛され、死刑を言い渡された。ピシアスは死刑は受け入れるが一度故郷に帰り身辺の整理がしたいという。ところが、そんなことを信じるディオニシアスではない。ピシアスは友人デイモンを身代わりに置いておくから行かせてくれと言う。王は友を信じるデイモンの馬鹿さ加減を試すため、帰郷を許した。

★ いよいよ処刑が行われようとする瞬間、ピシアスが帰ってくる。二人の友情を目の当たりにして王は改心し、「三人で本当の友達になりたい」という。

★ 第2部のストーリーはほとんど「走れメロス」と同じ。本作は1911年に発表と言うから、太宰はこの作品からも影響を受けたのかも知れない。ストーリーとしての面白さは「走れメロス」が遥かに優れているように思う。
コメント

太宰治「走れメロス」

2019-03-03 18:10:52 | Weblog
★ 中学校が学年末テスト。2年生の国語は太宰治の「走れメロス」なので改めて読んでみた。

★ 1940年、昭和15年の作品だというが、今読んでもいいリズムだ。確かに邪知暴虐、巡邏、憫笑、奸佞邪知(かんぬいじゃち)、歔欷(きょき)など読み書きできないような熟語は出てくるが、内容はわかりやすい。

★ 最後のシーン、多くの人を殺した邪知暴虐な王がメロスとセリヌンティウスの友情に感動し、「わしも仲間に入れてくれ」と言って、群集が「王様万歳」と叫ぶ辺りは、どうも胡散臭いが、それは本題ではないからまぁ置いといてということか。

★ シラクサの町への帰り道、体力を消耗し気力も萎え「もはやこれまで」とあきらめかけたメロスが石清水を飲んで復活するところ。彼の内面の励まし「走れ! メロス」がいい。このビックリマークが良いなぁ。

★ 長年、教科書に載るだけあってやはり名作だ。
コメント