じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

江國香織「りんご追分」

2019-03-10 21:50:39 | Weblog
★ 今日は疲れた。雨なので外出もせず、新入生募集のチラシをつくっていた。年のせいか目が疲れるし、この時間になると肩も(あるいは首筋が)パンパンだ。こんな時は、天下国家が動乱するような物語は重すぎる。

★ 江國香織さんの「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」(集英社文庫)から「りんご追分」を読んだ。

★ 小さなスナック、いやバーかな。「ねじ」と言う名のその店で働く「あたし」。読み進めると自分がその店にいるような錯覚に襲われる。それぞれが家庭やら仕事やらを持っていて、この店に集っては帰っていく。

★ 「あたし」にもいろいろな思いがあって、その物語に付き合っているうちに題名のことなどすっかり忘れていた。

★ 店が閉まるのは早朝。夜が白々と明けてゆく。「空の分量が夜よりも多く見える」(85頁)なんて表現も素敵だ。

★ そうすると突然流れてきた。「りんご追分」が。トランペットの音色と共に。

★ 情景そして「あたし」の心臓の震えが伝わってくる。
コメント

遠藤周作「一人の娼婦の話」

2019-03-10 20:27:24 | Weblog
★ 遠藤周作さんの「聖書の中の女性たち」(講談社文庫)から「一人の娼婦の話」を読んだ。

★ 聖書の一節(ルカ福音書第7章第36節だという)も、文才のある人の手によってアレンジされれば、見事な物語のふくらみが感じられる。

★ ナインという町に一人の売春婦がいた。ある日、彼女は街でみすぼらしい盲目の老婆を見る。彼女もかつては体を売っていたという。自分もやがて彼女のように人から投石され罵倒され、町から町へとさすらい、やがて朽ち果てていくに違いない。そう思うと彼女は絶望を感じた。

★ そんなとき、ナインの町にイエスの一行がやってきた。イエスは言う。苦しんでいる人を救うために私は地上にやってきたと。

★ やがて彼女はイエスと会う。彼女は目から大粒の涙を流し、イエスの足を濡らしたという。彼は女性の苦悩を理解し「安心するがいい」と言ったという。

★ とてもドラマチックな場面だと思う。イエスが本当に奇蹟を行ったかどうかは私には分からないが、少なくともこの一言で、彼女の心は軽くなったに違いない。

★ 「理解する」ということ、それが再生、蘇生へとつながるのだろう。これを、イエスは「愛」といい、釈迦は「慈悲」と言うのだろうか。 
コメント

映画「ステキな金縛り」

2019-03-10 16:47:27 | Weblog
★ 映画「ステキな金縛り」(2011年)を観た。

★ 冤罪を晴らすために幽霊が証言台に立つ。奇想天外な設定だったが、面白かった。

★ 何といってもキャストが豪華だ。脚本、監督は三谷幸喜さんということで、実現できたのだろう。

★ ちょっとドジな弁護士役の深津絵里さん。熱演だった。西田敏行さんの落武者。さすがに芸達者だ。検事役の中井貴一さん、深津さんの上司の弁護士に阿部寛さん。竹内結子さん、山本耕史さん、浅野忠信さん、市村正親さん、佐藤浩市さん、深田恭子さん、篠原涼子さん、唐沢寿明さんなど主演級の俳優が惜しげもなく登場する。これほど贅沢なことはない。

★ 生瀬勝久さんのヘアースタイルなどコミカルな演出も忘れない。

★ 序盤の法廷、バナナのくだりなどは古畑任三郎を思い出すなぁ(明石家さんまさんが弁護士役の回)。セットもどことなく古畑任三郎を使いまわしているようにも思える。

★ 舞台芝居のような演出もいい。「素晴らしき哉、人生」のようにホッとするエンディングだった。
コメント

映画「監視者たち」

2019-03-10 00:23:10 | Weblog
★ 映画「監視者たち」(2013年)を観た。韓国映画は元気だ。最近日本ではこんな映画ないなぁ。

★ 韓国警察特殊犯罪課「監視班」に配属された新人刑事を中心に、監視カメラなどのメカと人間のチームワークで、犯罪者を追い詰める物語。公道や地下鉄を使ったロケがすごい。

★ 新人刑事役のハン・ヒョジュさんがいいなぁ。大塚寧々さんや中森明菜さんや深田恭子さんに似ている。

★ 現場に指示を出す指令が女性であるパターン、最近増えてきた気がする。

★ スリリングな映画だった。香港映画のリメイクということなのでオリジナルも観たくなった。
コメント