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ゲゲゲの鬼太郎

 日曜日、WOWOWで録画しておいた「ゲゲゲの鬼太郎」を見た。昨年公開された時は映画館まで行こうかなと思ったほどだったし、DVD化されたものを買おうかなとも思ったが、アニメの実写化だけにどうしてもためらいが出てしまった。アニメはアニメで大切にしておくべきだよな、と昨今流行の実写化にはイマイチ賛同できない。「どろろ」のようにそれなりに面白かった映画はあるが、それでもやはり原作を越えたなどとはとても言えないので、実写化された映画を見るのはTVで放送されるまで待ったほうがいいように思う。
 実際、この「ゲゲゲの鬼太郎」も面白くはあったが、わざわざ映画館まで足を運ぶ必要はないと思える出来栄えだった。一応ストーリーを書き出してみると、

 ゲゲゲの森で父親の目玉おやじや仲間たちとのんびり暮らす鬼太郎のもとに、ある日届けられた一通の手紙。それは恐るべき魔力を秘めた<妖怪石>をめぐり、妖怪界と人間界を揺るがすことになる大事件のはじまりだった。ひょんなことから妖怪石を手に入れたのは人間の実花と健太姉弟。石のパワーを手に入れようと、次々に襲い掛かる邪悪な妖怪たちから2人を助けた鬼太郎は、妖怪石を盗んだ張本人として濡れ衣を着せられ、妖怪大法廷にかけられることに。満月の夜までに石を取り戻せなければ命はない。今、善と悪、様々な妖怪たちを巻き込み、史上最大の戦いが始まる!

などという他愛もないものだが、そんな筋立てなどこの映画には付け足しのようにしか思えなかった。唯一最大の見所は「出演者がどれだけ大真面目に妖怪役を演じているか」の一点に絞られている。



 鬼太郎役のウエンツ瑛士には最初から期待していなかったから、別に失望もしなかった。ただ、鬼太郎の左目は髪の毛で隠れて決して見えてはいけないはずなのに、何度も映ってしまったのには興ざめした。あれはダメでしょう!!
 それに引きかえ、ねずみ男役の大泉洋は最高だ。あれだけねずみ男のいやらしさを表現できるなんて彼自身も妖怪じゃないかと思いたくなるほどだった。ずっと前から深夜番組で彼のことは知っていたが、それにしても今どき珍しいインチキくさい俳優だ。映画の前半部は彼の出番が多く、とても愉快だった。
 大泉の次に光っていたのが猫娘役の田中麗奈だ。撮影時は27歳だった彼女が猫娘のコスチュームで動き回るのには少々驚いたが、その手足の細さはまさに特筆ものだ。この映画を見たあとで草剛とのドラマ「猟奇的な彼女」を見たが、猫娘で猫ダンスを踊っている彼女のほうが何倍もキュートだった。(しかし、あのドラマはひどい・・、最悪だ)
 その他にも、子泣き爺役の間寛平はいい味出していたし、砂かけ婆役の室井滋もメイクが強すぎて一目見ただけでは誰だか分からなかったが、いかにも砂かけ婆らしかった。
 さらには、西田敏行、中村獅童、竹中直人、谷啓など一癖ある出演者が目白押しで、彼らの怪演はさすがだった。出演者の誰もが楽しんで妖怪役をやっているように見えたから、余計面白かったのかもしれない。
 忘れるところだった、目玉おやじはCGでの登場だったが、なかなか上手にできていて、まるで生きているようだった・・。あんなペットがいたらいいなと思わないでもなかった。

 また今年の7月に同じ配役で第2作が公開されるようだ。一年待ってTV放送されるのを楽しみにすることにしよう。
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