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不法投棄が起こる理由は何か?なぜ起こるのか?
なんとも、古典的かつ基本的な命題ですが、よく考えるとこのブログでまともに
取り上げたことがないような気がします。もう8年もやっているのに。。。
そこで、改めて整理しておきたいと思います。
いろいろな説明方法があると思いますが、セミナーでよく使っているストーリー
を使います。
セミナーではスライドで説明していますので、もっと分かりやすいはずですが。。。
■発注者=排出事業者の責任
①廃棄物の処理委託も、普通の業務委託も、「品質」「価格」「納期」の
3つを判断要素として発注先を選定します。
②廃棄物の処理委託では、不法投棄を防ぎ、適正処理、リサイクルをして
もらうために、いわば「品質」を確かめる必要があります。しかし、、、
③廃棄物の処理委託では、「品質」より「価格」を最重視していることが多い
ようです。
なぜなら、「品質」がどんなに悪くても、発注側としては痛くも痒くもない
からです。普通の業務委託や仕入先の「品質」が悪いと、自社の業務に直接
悪影響がありますが、不法投棄されても、自社の仕事には何の影響もあり
ませんから。
④そうすると、処理業者としては、公害を全く出さない処理、高度なリサイクル
をしても排出事業者から評価されず、価格面だけでの競争を強いられます。
そのため、徐々にいい加減な処理が横行し、「山の中でダンプアップして
サヨウナラ」という不法投棄が最も競争力があるという業界になってしまいます。
⑤排出事業者としては、発注者としてしっかりした処理をしてくれるか、その
「品質」をしっかりと見極める責任があるといえるでしょう。そうしないと、
間接的に環境汚染に加担したことになりますし、場合によっては行政処分を
受けることにもなります。
■処理業界の構造的問題
①処理業者は、廃棄物を引き取り、ほぼ同時に処分費用を受け取ります。
つまり、本来そうあるべきではありませんが、処分する前に料金を受け取る
ことができます。
②処理業者は、処分を先延ばしにして、廃棄物の引き取りだけを拡大する
ことで、たいした仕事をしなくても収入が増加します。つまり、廃棄物を大量
に保管できれば、それだけ収入が増え、ころあいを見てお金だけ持ち逃げ
することも可能です。
③はじめからお金を持ち逃げするつもりでなくても、食いつなぐために、
無理をしてでも廃棄物を受け取り、何とか収入を得て資金繰りに回しているが、
結局倒産してしまうというケースもあり得ます。その際には、大量の廃棄物が
残ってしまいます。
④処理業者の財務諸表、経営状態が大切であるという理由はここから来て
います。
⑤大量保管を防止するための法規制もありますし、処理を先延ばしにすることが
できないように、マニフェスト制度というものもありますが、いずれも書類上
の話で、実際に現場がそのとおりに運用されていることを保証するものでは
ありません。排出事業者としては、自社のリスク管理という観点からも
処理状況を現地で確認することが望まれます。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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上記の、排出事業者の責任と、処理業界の構造的問題の両方が相まって、
不適正処理を助長しています。
近年不法投棄の量は減少傾向にありますが、統計に上がらない不法投棄も
あります。アミタのクライアントからも、自社の廃棄物、もしくは自社の会社名の
入った廃棄物が不法投棄されてしまったというトラブルの相談を頂くことが
よくあります。
アベノミクスが注目されていますが、処理業界に景気回復の兆しは見えて
いません。排出事業者も、厳しいコストダウン要求の中で仕事をしています。
再び不法投棄が増加することがないように、また、自社が不法投棄に巻き込まれ
ないように、十分な配慮が求められるところです。
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不法投棄が起こる理由は何か?なぜ起こるのか?
なんとも、古典的かつ基本的な命題ですが、よく考えるとこのブログでまともに
取り上げたことがないような気がします。もう8年もやっているのに。。。
そこで、改めて整理しておきたいと思います。
いろいろな説明方法があると思いますが、セミナーでよく使っているストーリー
を使います。
セミナーではスライドで説明していますので、もっと分かりやすいはずですが。。。
■発注者=排出事業者の責任
①廃棄物の処理委託も、普通の業務委託も、「品質」「価格」「納期」の
3つを判断要素として発注先を選定します。
②廃棄物の処理委託では、不法投棄を防ぎ、適正処理、リサイクルをして
もらうために、いわば「品質」を確かめる必要があります。しかし、、、
③廃棄物の処理委託では、「品質」より「価格」を最重視していることが多い
ようです。
なぜなら、「品質」がどんなに悪くても、発注側としては痛くも痒くもない
からです。普通の業務委託や仕入先の「品質」が悪いと、自社の業務に直接
悪影響がありますが、不法投棄されても、自社の仕事には何の影響もあり
ませんから。
④そうすると、処理業者としては、公害を全く出さない処理、高度なリサイクル
をしても排出事業者から評価されず、価格面だけでの競争を強いられます。
そのため、徐々にいい加減な処理が横行し、「山の中でダンプアップして
サヨウナラ」という不法投棄が最も競争力があるという業界になってしまいます。
⑤排出事業者としては、発注者としてしっかりした処理をしてくれるか、その
「品質」をしっかりと見極める責任があるといえるでしょう。そうしないと、
間接的に環境汚染に加担したことになりますし、場合によっては行政処分を
受けることにもなります。
■処理業界の構造的問題
①処理業者は、廃棄物を引き取り、ほぼ同時に処分費用を受け取ります。
つまり、本来そうあるべきではありませんが、処分する前に料金を受け取る
ことができます。
②処理業者は、処分を先延ばしにして、廃棄物の引き取りだけを拡大する
ことで、たいした仕事をしなくても収入が増加します。つまり、廃棄物を大量
に保管できれば、それだけ収入が増え、ころあいを見てお金だけ持ち逃げ
することも可能です。
③はじめからお金を持ち逃げするつもりでなくても、食いつなぐために、
無理をしてでも廃棄物を受け取り、何とか収入を得て資金繰りに回しているが、
結局倒産してしまうというケースもあり得ます。その際には、大量の廃棄物が
残ってしまいます。
④処理業者の財務諸表、経営状態が大切であるという理由はここから来て
います。
⑤大量保管を防止するための法規制もありますし、処理を先延ばしにすることが
できないように、マニフェスト制度というものもありますが、いずれも書類上
の話で、実際に現場がそのとおりに運用されていることを保証するものでは
ありません。排出事業者としては、自社のリスク管理という観点からも
処理状況を現地で確認することが望まれます。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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上記の、排出事業者の責任と、処理業界の構造的問題の両方が相まって、
不適正処理を助長しています。
近年不法投棄の量は減少傾向にありますが、統計に上がらない不法投棄も
あります。アミタのクライアントからも、自社の廃棄物、もしくは自社の会社名の
入った廃棄物が不法投棄されてしまったというトラブルの相談を頂くことが
よくあります。
アベノミクスが注目されていますが、処理業界に景気回復の兆しは見えて
いません。排出事業者も、厳しいコストダウン要求の中で仕事をしています。
再び不法投棄が増加することがないように、また、自社が不法投棄に巻き込まれ
ないように、十分な配慮が求められるところです。