塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

残暑お見舞い申し上げます:グリーンハウスエフェクトならぬクーラーハウスエフェクト?

2015年08月13日 | 社会考
  
 暦の上でははや残暑となりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。一応、連日の猛暑は一旦和らいだ感がありますが、どうせまたぶり返しの酷暑があるのだろうと思うと、今ひとつ気は休まりません。

 他方で、ここ毎年のことなのですが、小生は家ではクーラーを使うことがほとんどありません。世間ではクーラーを使用しないお年寄りなどが熱中症で倒れる事案が問題化していますが、私の場合は起きているときも寝ているときも、なぜか扇風機だけで過ごせるのです。

 気の持ちようとでもいいましょうか、夏はそもそも暑いんだから、多少汗をかくのはあたりまえ!と思っていれば、「あ~涼しい!」とか「極楽天国♪」と感じるような冷房のかけ方をしなくても、扇風機の風で快い気持ちになることは十分可能です。そういう季節なのだから、汗がにじむくらいが健康なように思いますし、たまにタオルで汗を拭くのがまた気持ちよかったりするものです。

 ただ、我が家は多摩丘陵の小高い山の上のマンションの、さらに7階にあるので、平野部の一戸建てに比べればそもそもかなり涼しい立地にあるといえるかもしれません。ですから、一歩外に出て日差しと湿度に当てられると、さすがに我慢できないほどの汗が噴き出ます。そんなときはやっぱり、電車やビルの中へクーラーの涼を求めて逃げ込んでしまいますね^^;

 しかし、日々の生活でそれ以上に不快感にさいなまれてしまうところがあります。いたって身近なのですが、住んでいるマンションの廊下です。各階につき1本の廊下でつながっているので、多くの家の前を通過するのですが、クーラーを使っている部屋の数だけ、室外機からの熱風を浴びることになります。

 クーラーに限らず、冷蔵庫や電動ワインセラーなど電気を使って冷やす装置は、なべて液体が気体になる際に周囲の熱を奪うという気化熱の性質を利用しています。ですので、絶対的に温度を下げるとか、熱を消滅させるというものではなく、奪った熱は気体に乗って外へ放出されます。これが、クーラーの場合には室外機から出る熱風というわけです。つまり、冷房によって下げられた気温の分は無くなっている訳ではなく、単にそのまま屋外に放り投げられていることになります。

 そこで個人的に思うのですが、地球温暖化とか日本の熱帯化などと叫ばれるなかで、その原因の結構上位に、クーラーの濫用があるのではなかろうかと。今日、日本国内のあらゆる建物や列車、車両などで冷房が寒いくらいに利かされており、その分の熱は容赦なく大気中に放出されている訳です。二酸化炭素の排出によって大気中の熱が逃げにくくなっているといわれていますが、それ以上に大気中に放出される熱自体が、相当増大しているのではないでしょうか。二十数年前の私の幼少期には35度を超える猛暑日なんてほとんどなかったように思いますが、他方で電車の半分くらいはまだ天井に扇風機が回っていましたし、家庭用クーラーが部屋ごとに1つずつなんてなかったように記憶しています。

 意外なことに、猛暑だ酷暑だと毎年のように騒いでいるのは、世界的に見れば日本とヨーロッパぐらいのもののようです。両者に共通しているのは国土の小さな先進国(の集まり)ということで、グリーンハウスエフェクトならぬ「クーラーハウスエフェクト」が大きくはたらいているのではないかな?と感じる次第なのです。

 と、勝手にひとりで話を進めてしまっていますが、私が実行しているような「家ではなるべく扇風機で過ごす」というのは、健康と環境の双方に優しい一石二鳥の生活スタイルではないかな、と自負しています(経済面についてはちょっと分かりかねますが…)。みなさまも、暑さを封じ込めるのではなく、暑さを感じることで涼をより楽しむというライフスタイルも、毎日とはいかずとも週に数日は試してみてはいかがでしょうか^^

  



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