「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録されてからはや2週間。その決定過程のゴタゴタについて記事にしたりもしましたが、まずはそれぞれの地元が潤ってくれれば、それに越したことはありません。
複合遺産として登録されたうちの1つ、韮山反射炉には、偶然ながら6年前に一度訪れています。当時は観光客もまばらで、きれいな写真が撮り放題でした。一度しか行っていないくせに偉そうな感じで恐縮ですが、私は韮山反射炉のベストシーズンは春だと確信しています。
というのも、反射炉の周囲には立派な桜の木が巡らされており、朴訥な骨組みと煉瓦の炉塔によく映えるのです。「一度は」行ってみたいとお考えの方には、タイムリーな今夏ではなく、来春の訪豆をお勧めします。河津桜に代表されるように、伊豆の春は早く訪れるので、3月中旬から4月上旬まであたりが狙い目でしょう。私が訪れたのは4月の頭でした。
以下、当時の写真より。
韮山周辺は、古くから伊豆国の中心地だったので、歴史的な痕跡はかなり集中しています(北条早雲の居城韮山城址や源頼朝が配流された蛭ヶ小島、頼朝の妻北条政子の実家北条氏館跡など)。ただ、これらの旧跡は一般的な観光地として見て面白いかというと難しいところです。そのなかで、反射炉に次いで名所として整備されているのが、江川邸です。江川邸は、江戸時代に伊豆・相模・武蔵・甲斐・駿河の5ヶ国の幕府直轄地を代々治めた韮山代官江川家の邸宅です。韮山反射炉建設を幕府に具申した江川英龍もここに住んでいました。
こちらにも桜の古木がいくつもあり、よく手入れされた古い建物に合います。母屋の表玄関は、かつて大河ドラマ「篤姫」に使用されたそうで、ひそかな自慢となっているようです。
メジャー嫌いの私は当分再訪することはないと思いますが、これから行かれることを検討中の方々に、多少なりとも参考になればと願うところです。
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