突然ですが、町の紹介だけでなくインフラの紹介なんかもした方が良いかなと書いていて思い立ちまして、今回はドイツの鉄道について日本と異なる点を中心にとりあげてみようと思います。
ドイツの鉄道は、DB(ドイッチェ・バーン)という、日本でいうJRに相当する企業が運営しています。JRのように公共性より儲けを重視しているような様子はなく、かなり質素かつ堅実な経営をしているように見受けられます。そのためか駅前の開発にはほとんど関心がないようで、以前書いたとおり駅構内や駅前は基本的に殺風景です。行ったことのない駅に対して何かを期待するのはやめましょう。
DBのHPには列車の検索機能があり、発着時刻や接続、料金などが調べられます。ありがたいことに、DBの列車だけでなく他の私鉄やバスの接続も検索可能です。したがって、このページだけ押さえておけば移動に関する問題はほぼクリアできます。また、すべての駅に切符の自動販売機が設置されていて、この機械でも同様の検索が可能です。ただし、この機械では鉄道の接続しか調べられません。他方で、列車の遅延状況がリアルタイムに反映されるという利点もあります。ドイツの鉄道はラッシュでもないのによく遅れるので、遅延情報は非常に重要です。
ドイツ人は、勤勉であるとしてよく日本人と並び評されますが、日本人から見れば十分ドイツ人もテキトーです。遅延の表示は5分遅れからで、5分以内の遅れは遅れのうちに入らないようです。数十分単位での遅れも稀ではありません。ここで、経験に基づくまったくの個人的見解ですが、30分以上の遅延には要注意です。「30分遅れ」と表示してあって、「30分後に来るのか」と待ち呆けていると、30分が50分になり、50分が80分になり、果ては「運行を取りやめました」などとなる場合もあります。経験上、10分や20分くらいまでの遅れなら予告通りに列車が来るのですが、30分以上になると駄々延びになる可能性が高くなるように思います。こうした場合、正常に動いている代替ルートがあれば、乗車時間が多少長くなるとしてもそちらの方が確実に目的地に着けます。
さて、ドイツの駅には改札がありません。代わりに入鋏機という、切符に日付をパンチする機械があります。一般乗車券や路面電車などの切符は、買った後にこの機械で入鋏してはじめて有効となります。入鋏機の挿入口は狭く、入鋏が不要な切符は基本的にこの口に入りません。ですから逆に入鋏機に差し入れられる切符はすべて入鋏してしまえば無問題です。不要なのに入鋏したからといって怒られたりはしませんから。切符は検札が来た時にだけ出して見せればOKです。
特急列車に乗る場合、一等車と二等車の区別はありますが、新幹線のような自由席車両と指定席車両の区別はありません。全席が、指定が入っていない限り自由席です。網棚のところに指定が入っているかいないか、入っているとしてどこからどこまでかが表示されているので、自分の乗る区間に指定が入っていない席を見つけて座りましょう。満席で座るところがない、という事態はよほどの幹線ルートでないと起こりませんが、心配な方は切符を買う時に指定席を取った方がよいかどうか尋ねれば良いでしょう。
最後に、前回も特筆しましたが、ドイツの鉄道は基本的に自転車を乗っけてOKです(たいていの場合バスも)。この点は本当に日本の交通機関各位に見習ってもらいたいところです。都市部ではさすがにあまり見かけませんが、一歩郊外に出ると自転車ユーザーはまったく珍しくなくなります。ドア口付近にいると、自転車の出し入れに巻き込まれたりして結構面倒だったりします(笑)。ですから、拠点となる町に連泊して、大荷物は宿に置きっぱにして毎日自転車で出かけるといった旅のスタイルも可能だと思います。
とまぁ、思いつくままに書き付けたのでまとまりがありませんが、スムーズな移動は旅のキーポイントですから、どんな情報も無駄ではないのではないかと思っています。