塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

ドイツの車窓から~貴方の旅行に一振りスパイス~ :「フランクフルト」

2012年09月14日 | ドイツの車窓から
  
 やるやる詐欺だと言われかねないほど間が空いてしまいましたが、ようやく第一回ですm(_ _)m

 タイトルも考えた割には大してひねりがなくてすみません^^;

 さて、何から書いたものかと少々悩んだのですが、まずはドイツの空の玄関口フランクフルトから始めようかと思います。日本からの直行便は、現在フランクフルトとミュンヘンに飛んでいるようですが、利用は圧倒的にフランクフルトの方が多いのではないかと思います。逆にいうと、旅行に限らず多くの日本人がフランクフルトに降り立っているわけですから、私なんぞよりもはるかに熟知した方は数多いらっしゃると思います。ですから、出過ぎたことを書いてお叱りを受けてしまわないかとヒヤヒヤしています。あくまで、ドイツは初めてという方向けに、ガイドブックには書いていなさそうな小ネタを紹介していくコーナーのつもりでおります。

 
旧市街の中心、レーマー広場


 フランクフルト空港からフランクフルト中央駅までは、普通列車でも12分ほどで着いてしまいます。東京-成田間や関空-大阪間の移動を考えると、信じられない近さですね。中央駅は、いかにもヨーロッパらしい行き止まり駅の外観を呈しています(地下ホームは行き止まりではないので寝過ごさぬよう要注意ですが)。

 

 ここで、日本では駅前は一等地というイメージですが、ヨーロッパではそうではありません。スラム…とまでは言いませんが、交通機関の出入り口という以上には顧みられていないようです。日本では「駅前に出れば何とかなる」と考えるのが一般的だと思いますが、ドイツでは駅前に何かを期待してはいけません。フランクフルトは大都市なのでだいぶ駅前は賑やかですが、それでも日本の常識を当てはめれば十分「何もない」レヴェルです。

 ですので、ドイツでは日本のノリで駅前のホテルに宿泊するのもあまりお勧めしません。翌日朝早くに電車に乗らなければならないというのなら別ですが、それ以外に駅前のホテルに泊まるメリットはないように思います。歓楽街は基本的に駅前にはありませんし、周囲も殺風景ですから。

 ただ、フランクフルトは例外的に駅周辺に良質のホテルが数多くあります。おそらく、移動目的で宿泊する客が多いからでしょう。私も駅前のホテルの1つに泊まったのですが、見たところ宿泊客は非西洋人が多くの割合を占めていました。ともあれ、日が沈んでから駅周辺をうろつくのはお勧めしません。危険ではないと思いますが、安全でもありません。なによりとくに面白いものはありません。食事をするにしても、旧市街まで足を延ばした方が旅行の思い出のためにも無難でしょう。

 さてさて、私の手持ちのガイドブックには載っていない名所(?)に欧州中央銀行があります。ユーロ危機のニュースでおなじみとなってしまった、「€」のモニュメントが特徴的な高層ビルです。誰もが一度はテレビやネットを通じて見たことがある象徴的なモニュメントですから、撮っておいて損はないでしょう。また、ドイツは日本と比べて高層ビルがほとんどないので、その意味でも写真に収める価値はあると思います。

 

 ところで、ここからは直接フランクフルトとは関係ないのですが、彼地での体験談をもとに1つ小ネタを。観光都市の広場や大通りでは、よく大道芸人が芸を披露しています。もっともポピュラーなもののひとつが、ポーズを決めたまま銅像のように動かない、というパフォーマンスです。パフォーマーの多くは、より銅像に近づけるためなのか全身を金色に塗りたくっています。お金を投じると、礼を言ったり、ポーズを変えて写真に応じたりします。

 いたるところで見かけるので私も目が肥えてしまったのですが、あるときフランクフルトで見かけたこの金色不動さんは、そんな私が見ても驚くほどのパフォーマーでした。彼はカバンとキャリーバックを持って一歩踏み出した状態でストップしていたのですが、職人肌なのかコインを入れられてもカメラを向けられてもピクリとも動かない。私は少し離れたところからビール片手に10分ほど眺めていたのですが、あまりにまったく動かないので一瞬本当に銅像なんじゃないかとさえ思いました。で、珍しく写真を撮らせてもらってチップを出したのですが、その時、突然彼の後ろから近寄ってきた若い女性が彼のキャリーバックをぐいと引っ張りました。当然、彼は驚いてよろめいたのですが、彼女も彼女でびっくりして「ソーリー」と言い残して逃げ去っていきました。発音からみて、ほぼ日本人に間違いありません。あまりに無礼かつ無責任な行為に、同じ日本人として恥ずかしくてたまりませんでした。

 
件の金色不動さん
この態勢のままピクリとも動きません


 というわけで、体験談が長くなってしまいましたが、金色不動さんを見かけても決して触れないようにしましょう。パフォーマンスにはかなりの集中力が必要と思われ、彼はそれきり広場をあとにしてしまいました。逆に、あちこちで出会う不動さんのパフォーマンスを見比べるのも、旅の楽しみの1つになるかもしれません。