この時期になるとよく日生諸島に移動運用に出かけています。これは他局が日生諸島に出かけていないというのが最大の理由なんですが、もう一つ「カキオコが食べられる」というのもあります。今回はカキオコについてご紹介したいと思います。
お店の場所や営業時間などは「日生カキオコまちづくりの会」さんのサイトを見て頂くのがベターですので割愛します。こちらのサイトには日生で配布しているカキオコマップのpdf版もあります。
[カキオコって?]
岡山県備前市日生町の郷土料理で、肉やエビ・イカの代わりにカキを使ったお好み焼きです。カキの煮汁を煮詰めたオイスターソースが美味しいように、カキのうま味が味わえる絶品です。日生はカキ養殖が盛んで、新鮮なカキがいくらでも安く手に入りますからカキを使ったお好み焼きが始まったと言われています。
新鮮なカキを鉄板に並べ、大量のキャベツとトロトロの生地を混ぜ合わせた上に軽く焼いて塩胡椒で味付けしたカキを乗せて焼いてゆくスタイルが一般的です(関西流の店もあります)。関西のお好み焼きのように最初から混ぜ込んだりしませんし、広島のように先に生地だけを作って上に具材をおいてゆくスタイルとも違う「日生流」の焼き方です。カキの大きさと多さに驚くと思います。
発祥は諸説あるのですが、現在も営業している老舗の浜屋さん・ほりさん・安良田さんのいずれかとの説が有力です。
こちらが「浜屋」さん。「みっちゃん」という呼ばれ方もしてます。
こちらが「ほり」さん。看板には使用しているソースの名前が入ってます。岡山市内で作っているソースです。
こっちが安良田さん。ちょっと前に焼き台回りをリニューアルしましてこぎれいになりました。
いつ頃始まったのかも定かではないものの、3店とも少なくとも40年以上は営業していますのでそれだけの歴史があると思われます。
B-1グランプリへは2011年の姫路大会で初参加し9位、2012年の北九州大会では5位と続けて上位にランクインしています。それ以前のB-1に参加していないのは開催日がカキのオフシーズンだったためにカキが調達できなかったためだそうです。
[カキオコのシーズンは?]
日生では10月末頃~桜の咲く頃までが生カキの水揚げシーズンです。この時期にカキオコが味わえます。
夏の間は同じく日生で水揚げされるガラエビというエビを使った「エビオコ」がメインになりますが、冷凍カキを使ってカキオコを出している店も増えてきました。生カキに比べて味は落ちますが「どうしてもカキオコが食べたい」ということなら冷凍カキになると思います。
なお、カキオコのシーズンのみ営業し夏の間は休業する(もしくは他の商売をする)お店もあります。ご注意下さい。「日生カキオコまちづくりの会」が配布するカキオコマップの夏版で確認するのがいいと思います。
[日生へのアクセス]
あとで説明しますが日生の集落は狭いため車よりもJR赤穂線の利用が便利です。神戸・大阪方面からは新快速の播州赤穂行き(毎時1本)に乗り、終点の播州赤穂で岡山方面行きの電車に乗り換えて日生駅で下車して下さい。播州赤穂での乗り継ぎはスムースなので大阪からトータルで2時間くらいで到着します。駅前の道路が国道250号線で、この道を右に進んで下さい。
大きな左カーブの先にオレンジハウスさん、福来さん、もりしたさんが見えてきます。
さらに進んで小さな峠を越えると安良田さん、その先で右に入る旧道を進むと浜屋さんやほりさんがあります(このあたりで駅から徒歩10分くらい)。旧道に入らず国道を進むと桜さんなどがあります。
車ですと神戸・大阪方面からは山陽道の赤穂インターで降りて国道250号を西に進んで下さい。JR日生駅までは渋滞がなければ10~12分前後だと思います。西方面からは山陽道の備前インターで降り、国道250号線を東へ進みましょう。
[注意点]
日生の集落(定期船乗り場周辺)は狭い土地にお店や家が密集しており、どの店も座席数の少ない小さなお店です。ですので以下の点ご注意下さい。
・ピークの時間帯を外しましょう
シーズン中の土休日、特に11時台~13時台は混み合います。1時間~1時間半待ちとなる
こともありますので、できる限りこの時間帯を外すことをお勧めします。
特にこの時間帯は5人以上のグループ客やベビーカーを連れての入店は困難です。
グループ客は店を分散した方がスムースです。
ハシゴをしてみたい方は例えば10時台(もしくは11時の開店直後)に
1軒回ってから五味の市などで時間を潰してもう1店回るのがベターだと思います。
・予約は受けていません
どの店も来店したお客さんの対応で精一杯ですので一般の予約は受けていません。
来店順となります。
・駐車場が少ないです
各店で駐車場を備えてはいますが台数が少なく停められない可能性もあります。
電車(JR赤穂線)の利用が便利です。あるいは日生駅近くや
定期船乗り場近くのスーパーの脇にある市営駐車場(有料)をご利用下さい。
スーパーや銀行等の駐車場は迷惑になりますので駐車はご遠慮下さい。
・持ち帰りもあります
ほとんどの店で持ち帰りも対応してくれます。ただし混雑時には断る場合も
ありますので、あらかじめ電話で相談してみて下さい。
[日生のおみやげ]
せっかくなのでお土産を、という方はこの辺でどうぞ。
・五味の市
地場の魚や殻付きのカキ、カキ飯などを販売しています。その場で発送可。名物はまさかの「カキフライソフト」。
・焼き穴子
定期船乗り場の前に店があり、店頭で焼いた穴子を売っています。地味ながら絶品。
・中円坊
駅近くの国道沿いにある和菓子店。注文を受けてからクリームを詰めてくれるシュークリームやパイが電車のおやつに最適。シュークリームは126円だったと思います。
・新橋餅
定期船乗り場から少し東へ行くとあります。大ぶりのお餅やおはぎが名物です。別腹の王者。
・さくらさくら
駅と定期船乗り場のほぼ中間にある焼きたてパンの店。朝から営業しているので日生諸島に行くときにも便利。
・頭島みかん直売所
さくらさくらの近くにあり、シーズンになると日生諸島の頭島で収穫したミカンを売っています。なぜか午前中しか営業していないようです。お隣の錨はカフェ。
・日生青果
中円坊の近くにある野菜や果物のお店。シーズンになると岡山産の桃やブドウが並びます。自家製の甘栗もやってます。
穏やかな瀬戸内海の潮風を感じながらのんびり日生散策もいいと思います。ぜひ日生に出かけてみてください。