○南伸坊『本人伝説』 文藝春秋 2012.9
またくだらない(※いい意味で)本を出して…と思って、立ち読みで済ませようと思ったのだが、あんまり面白かったので、買ってしまった。しかし通勤電車の中で開く勇気がなくて、本当に困った。南伸坊さんは、徹底して本人になりすました顔マネ写真を撮ることを「本人術」と呼んで、楽しんでいる。その極意は「顔をキャンバスに似顔絵を描く」ことであるそうだ。
なかには無茶しすぎの作品もあるが、撮影の角度、距離の工夫だけで、こんなふうに印象が変わるものか、と感心する。麻生太郎の輪郭にも石破茂の輪郭にもなれるってすごい。でも鳩山由紀夫より幸夫人のほうが似てるけど…。
話題になった俳優やスポーツ選手もきちんと入っているのだが、私には、政治家や思想家の印象のほうが強かった。吉本隆明、鶴見俊輔、姜尚中あたりは、かなりツボ。毒とくすぐりが、程よく効いている。本書は、モデルごとに、なりすまし写真+なりすましエッセイで構成されており、以前、たぶん著者が初めて「本人術」の本を出したときは、写真に惹かれて買ってしまったものの、エッセイは、さほど面白くなかった記憶がある。今回は、ずいぶん文章で笑わせてもらった。
ガイジンさんも、そこそこ混じっているのだが、翻訳書や動画の字幕では、あんな喋り方をしているんだろうか。ステーブ・ジョブズとか。

なかには無茶しすぎの作品もあるが、撮影の角度、距離の工夫だけで、こんなふうに印象が変わるものか、と感心する。麻生太郎の輪郭にも石破茂の輪郭にもなれるってすごい。でも鳩山由紀夫より幸夫人のほうが似てるけど…。
話題になった俳優やスポーツ選手もきちんと入っているのだが、私には、政治家や思想家の印象のほうが強かった。吉本隆明、鶴見俊輔、姜尚中あたりは、かなりツボ。毒とくすぐりが、程よく効いている。本書は、モデルごとに、なりすまし写真+なりすましエッセイで構成されており、以前、たぶん著者が初めて「本人術」の本を出したときは、写真に惹かれて買ってしまったものの、エッセイは、さほど面白くなかった記憶がある。今回は、ずいぶん文章で笑わせてもらった。
ガイジンさんも、そこそこ混じっているのだが、翻訳書や動画の字幕では、あんな喋り方をしているんだろうか。ステーブ・ジョブズとか。