○東京芸術大学大学美術館 日中国交正常化40周年記念特別展 『草原の王朝 契丹-美しき3人のプリンセス-』(2012年7月12日~9月17日)
記念講演会の記事に続いて、芸大展の様子についても書いておこう。入口にあったのが、九博展でも印象的だった男女一対の『侍者像』で懐かしかった。九博「ぶろぐるぽ」にエントリーしてダウンロードした写真を当時の記事に使わせてもらっている。
鍍金の冠やブーツ、金製の仮面など(いずれも副葬品)、精巧な装飾工芸品を前にすると、九博展のワクワク感が戻ってきた。こんな凄い考古文物を日本で見ることができていいのだろうか…。個人的には、故宮博物院展より、さらに貴重な文物を実見することのできる、得がたい機会だと思っている。
記憶によれば、九博展は「3人のプリンセス」という切り口を大事にして、場内の説明にもイラストやアイコンを多用したり、プリンセスどうしのお喋り形式で解説を書いてみたり、工夫を凝らしていたように思う。それが、ちょっとウルサい感じもあった。九博って、よくも悪くも大宰府観光のついでに寄ったみたいなお客さんの多いところだから、展示に関心を引き付けるには、いろいろ工夫が必要なんだろうな、と思う。
それに比べると、芸大展の会場の作りはオーソドックスで、3人のプリンセスの面影は後景に退いている。講演会の直後ということもあってか、こういう考古文物が本当に好きな人たちだけが来ている雰囲気で、ゆっくり落ち着いて見ることができた。
本展覧会の見もの、トルキ山古墓の彩色木棺は、展示ケースと一緒に巡回しているんだろうか? なんとなく印象として、芸大展のほうが「見やすい」と感じたのである。まわりが静かで人が少なかったために、そう感じたのかもしれない。
九博→芸大に巡回と聞いたときは、かなり規模を縮小するのではないかと思ったが、途中の説明パネルコーナーなどを省いただけで、展示文物は減らしていないようだ。芸大美術館、よく頑張っている。
契丹の工芸品に表された動物たち、龍、鳳凰、マカラなどの溌剌とした躍動感は、何度見ても感動的だが、今回、私が再発見したのは、第二会場(地階)の冒頭に並んだ契丹磁器の美しさ。三彩(遼三彩)もあるけど、黒釉、黄釉、緑釉など単彩のものがいい。色も形もシンプルで、北欧ブランドの台所用品みたいな、堂々とした存在感がある。契丹って、いまの北欧諸国みたいな、大人の文化国家だったんじゃないかと直感的に感じた。
記念講演会の記事に続いて、芸大展の様子についても書いておこう。入口にあったのが、九博展でも印象的だった男女一対の『侍者像』で懐かしかった。九博「ぶろぐるぽ」にエントリーしてダウンロードした写真を当時の記事に使わせてもらっている。
鍍金の冠やブーツ、金製の仮面など(いずれも副葬品)、精巧な装飾工芸品を前にすると、九博展のワクワク感が戻ってきた。こんな凄い考古文物を日本で見ることができていいのだろうか…。個人的には、故宮博物院展より、さらに貴重な文物を実見することのできる、得がたい機会だと思っている。
記憶によれば、九博展は「3人のプリンセス」という切り口を大事にして、場内の説明にもイラストやアイコンを多用したり、プリンセスどうしのお喋り形式で解説を書いてみたり、工夫を凝らしていたように思う。それが、ちょっとウルサい感じもあった。九博って、よくも悪くも大宰府観光のついでに寄ったみたいなお客さんの多いところだから、展示に関心を引き付けるには、いろいろ工夫が必要なんだろうな、と思う。
それに比べると、芸大展の会場の作りはオーソドックスで、3人のプリンセスの面影は後景に退いている。講演会の直後ということもあってか、こういう考古文物が本当に好きな人たちだけが来ている雰囲気で、ゆっくり落ち着いて見ることができた。
本展覧会の見もの、トルキ山古墓の彩色木棺は、展示ケースと一緒に巡回しているんだろうか? なんとなく印象として、芸大展のほうが「見やすい」と感じたのである。まわりが静かで人が少なかったために、そう感じたのかもしれない。
九博→芸大に巡回と聞いたときは、かなり規模を縮小するのではないかと思ったが、途中の説明パネルコーナーなどを省いただけで、展示文物は減らしていないようだ。芸大美術館、よく頑張っている。
契丹の工芸品に表された動物たち、龍、鳳凰、マカラなどの溌剌とした躍動感は、何度見ても感動的だが、今回、私が再発見したのは、第二会場(地階)の冒頭に並んだ契丹磁器の美しさ。三彩(遼三彩)もあるけど、黒釉、黄釉、緑釉など単彩のものがいい。色も形もシンプルで、北欧ブランドの台所用品みたいな、堂々とした存在感がある。契丹って、いまの北欧諸国みたいな、大人の文化国家だったんじゃないかと直感的に感じた。