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見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

新出・運慶作の大威徳明王/神奈川県立金沢文庫

2007-05-10 23:56:05 | 行ったもの(美術館・見仏)
○神奈川県立金沢文庫 特別展『金沢文庫の仏像』

http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm

 金沢文庫では久しぶりの仏像展に加えて、先ごろ、仏師・運慶の作であることが確認された大威徳明王坐像が特別公開されているというので、楽しみに見に行った。

 運慶作の大威徳は、造作がしっかりしているので、写真で見ると大ぶりな印象があるのだが、実は拍子抜けするほど小さい。500ccの牛乳パックほどしかない。後ろから見ると、腰のきゅっと引き締まったプロポーションが、なるほど運慶かもなあと感じさせる。

 驚いたのは、像の胴部にはめ込まれていたという文書の料紙(雁皮紙)4葉に、虫食いひとつないことだ。皺は寄っているが、絹のような光沢がある。キリーク文字を連ねた真言の最後に、3行だけ漢文が記されており、その末尾に「巧匠肥中仏師運慶也」とある。肥中仏師? 展示品を見ながら、これが分からなくて悩んだ。あとで展示図録を立ち読みしたら、「備中仏師」の誤記らしい。え~展示説明に書いておいてほしいなあ。

 そのほか、海中から立ち現れたヴィーナスのような、海岸尼寺旧蔵の十一面観音、称名寺伝来の十大弟子像は、旧なじみの仏像で「お久しぶり」という感じ。はじめて見たのは、脇息にもたれてくつろぐ維摩居士坐像。類例を知らない。江戸時代の作だった。

 さて、明日から、ちょっとムリをして関西へ。むろん、お目当ては若冲です!
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