見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

金・ガラス・錦・仏の荘厳/金沢文庫

2006-03-03 22:59:07 | 行ったもの(美術館・見仏)
○金沢文庫 企画展『仏の荘厳~飾り讃えるもの~』

http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm

 入口を入ってすぐ、待っているのは、秦野市の金剛寺に伝わる観音・勢至菩薩立像である(上記サイト参照)。あまり見た記憶のない仏様だ。鎌倉時代初期に遡ることが近年確認されたそうだ。展示位置が低いので、胴長の印象を与えるのが惜しい。腰を低くして、少し下から眺めるのがよい。向かって左側、両手で蓮の茎を支えた勢至菩薩(たぶん)の腰のひねり具合が優雅である。額に沿って流れる巻き毛も。

 2階に上がると、称名寺の釈迦如来、海岸渡寺の十一面観音の「光背」が飾られている。本来の主役が不在で、大きな「光背」だけがあるというのも不思議な光景だ。会場の過半を占めるのは「幡」の断片である。鎌倉時代から江戸時代まで。シルクロードふうの唐草文もあれば、和風な山水文もある。縞、亀甲、チェック、三角形を連ねた鱗文など。それから、ガラス棒を並べてつないだ「玉すだれ」。以上、全て称名寺ゆかりの重宝である。

 このほかでは、伊勢原市・宝城坊(日向薬師)の、大ぶりな飛天像残欠。顔が想像できないほど損傷しているが、肉厚なつくりが、昔日の東ぶりの華やかさをしのばせる。

 あと、灌頂の儀式で使う「香象」(象のかたちの置物)。ほしいと思った。
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