10月13日(日)の朝、大津祭の曳山は朝9時に天孫神社に集合すると聞いていたので、8時前にホテルをチェックアウトして町に出てみる。まだ人が集まっていない曳山もあるが、既にお囃子方が乗り込んで、出発準備完了の曳山もある。たまたま、源氏山が動き始めるところだったので、天孫神社まで着いて歩いた(今年の一番籤である)。綱の引手は源氏香マークの揃いの半纏。
四つ角で90度方向転換する「辻廻し」。祇園祭では巨大な山車もビルの谷間に埋もれてしまうが、ここは、まわりが2~3階建ての住宅ばかりなので視界が広い。大津祭の曳山は三輪車スタイルで、かなり力づくで前輪を持ち上げて方向転換させていた。そして、曳山が集合する朝の時間帯は、特に車の流れを止めないのだな。曳山優先で、後ろをゆるゆる着いてくる自動車もいて面白かった。
天孫神社へ向かう道で見つけた神輿。布袋と並んで「ねりもの」のひとつとされている。これは飾り物のきれいな側面の写真。会所の人たちは出払っていて、おばさんが一人で見守っていた。
天孫神社には、源氏山に先んじて「籤取らず」の西行桜狸山がすでに到着していた。引手は「狸」の一文字を染め抜いた半纏。そして曳山の屋根の上にはタヌキ~。思い出した。昨夜、会所で見たときは、なんか変な剥製がいると思っていたが、コイツは巡行の先頭に立つのである。
曳山の集合を待つ道端で、おじいちゃんが「去年も一昨年も雨でねえ」と話していた。その前は新型コロナ禍で2年間中止だったはずだから、本当に待ちに待った秋晴れだと思う。屋根のタヌキもさぞ嬉しかろう。
9時が近づくにつれ、徐々に曳山が集まってくる。明るい空の下で聞くお囃子は、宵宮とはまた違った雰囲気だった。鯉山の見送りは「トロイア戦争」のタペストリー(おそらく複製)。
この日は丸一日かけた曳山巡行と同時に、滋賀県の酒蔵が集まる「秋の大おさけ日和」も開催されることを現地に来て初めて知ったのだが、次の予定があったので断念し、まずは大津市歴史博物館へ向かう。
※竹生島~大津祭の写真はフォトチャンネルで。