■雲崗石窟
大同は、山西省でも最北の地。内モンゴル自治区を挟んで、国境に近い。そのため、多くの兵士が駐留している。私は見なかったが、ホテルの朝食の席にも、機関銃を携えた兵士の姿があったとか。
最初の観光地、雲崗石窟に向かう。朝からいくぶん雲行きのあやしい天気だったが、「私は雨の中でガイドしたことはないよ。絶対晴れるよ」と胸を張る于さん。大同市内から雲崗石窟までの道中は降られたが、石窟に着くと、なるほど雨は上がっていた。
雲崗は、数ある中国の石窟の中でも、私のいちばん好きなところだ。8年間に比べると、道路も駐車場もすっかり整備され、赤い風船に飾られた、真新しい 「世界遺産」の碑が誇らしげである。日曜日ということもあって、軽い遠出を楽しむ家族連れやカップルで賑わっている。平和と生活のゆとりが感じられて、た いへんよろしい。
ここなら終日いたって飽きないと思われるが、そうも言っていられないので、三龍壁のある観音堂を見て、市内に戻る。昼食は羊肉のシャブシャブ。上華厳寺、下華厳寺、九龍壁、善化寺など、定番の名所を見てまわる。
夕食は、我々だけで食べにいくことになったので、城壁の遺址と鼓楼のある中心部まで、ぶらぶら歩いて出かける。見回した限りでは、比較的、高級そうな鍋料理店に入ったのだが、会計を終えると、ビール込みで、ほぼ50元。肉より野菜・豆腐中心のオーダーだったからかなあ。
親切だった小姐たちが、あとで「テーブルクロスの洗濯代も出ない!」と嘆いているのではないかと案じられた。久しぶりに下手な中国語で意思疎通を図ろうとした私は、中国人(漢民族)でないと見破られて、「モンゴル族か?」と聞かれてしまった。
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