お正月恒例の年賀状となると、社会生活から引退しているので交際範囲が狭くなって定番の方々ばかりになるが、それでも見るのが楽しみ。
今回はその中から印象に残ったものを「二題」紹介してみよう。
☆ 重たい真空管アンプはイヤです!
これまで真空管アンプの修理など随分お世話になったMさん(奈良)からの年賀状に「クォードⅡ+22がオーバーホールしなければならなくなりました」とあった。
すかさずピ~ンと閃いて次のようなメールを送った。
「賀状拝見しました。長年愛用されてこられた名器がオーバーホールとは残念ですね!ふと思ったのですが以前修理していただいた“V V52Bアンプ”が現在遊んでいます。今後も使う見込みがありそうにないので出力管7本付きでお譲りしてもいいですよ。たいへん申し上げにくいのですがお値段の方はズバリ〇円でいかがでしょう。
真空管だけでもオークションに出品したらそのくらいの値段はすると思いますが(笑)。ご検討をお願いします。」
自分でいうのも何だが、ご覧のとおり堂々としたアンプでシングル型式の割には出力も結構あるし、ハム音などのノイズはいっさい無縁で音質もクリヤーで非の打ちどころなし(笑)。
ただし、非常に重たいのが難点で移動に難儀するあまり、つい最近「予備役」に編入したばかり。
さあ、ご返事はいかに? 新春早々思わずドキドキ~(笑)。
翌日(2日)になって返信メールが届いた。
「VV52Bアンプの件ですが、これからのことを考えますと重量の件を考慮に入れておく必要を感じます。ですので今後はモノアンプ2台にしようと考えています。クオードⅡパワーアンプがモノ仕様で誠に都合がよいです。
それに不調はプリアンプのほうです。年末に素晴らしい情報を得ましたので、1976年に英国のメンテナンス会社でメンテ完了品を10年後に購入したのでかれこれ30年の歳月が経過していますので少しの改造は許してもらえるのではと勝手に決めました。メンテから40年、メンテ前がおそらく10年以上は経過しているとなると50年になります。」
以上のようにやんわりと拒絶されてしまった。要因は文面だけからすると「重量」のようで、誰でも考えることは同じだと思わず苦笑した。年齢がいくにつれ「重厚長大」から「軽薄短小」に移行するのは世のならいだ。
それにしても「少しの改造は許してもらえる」という発想はいかにも律儀なMさんらしく「オリジナルの設計者を尊重したお言葉だ」と感心した。
何でもかんでもすぐにアンプの改造に“ひた走る”自分とは大違い。ただし、新品の名器はお値段が高いこともあって最初から手を出さず、中古品を主体に買い漁るのだから仕方が有りませんと一応弁解しておこう(笑)。
Mさんから見事にフラれたので、そのうち知人を通じてオークションに出品することにした。
☆ ブラリ九州の旅
以前「AXIOM80」(復刻版)を格安で譲っていただいた千葉県にお住いのSさん。その後も「AXIOM301」を無料で送付していただいたりと非常にお世話になっている。
懇意にしている県外の方には本県特産の「カボス」を収穫時期になると必ず発送している。カボスといえば別府の〇〇さんとご家族の方に覚えていただければ“しめたもの”(笑)。
そのSさんから届いたのが次の年賀状。
「最近“革細工”に凝っています」とのことだったが、さすがにご職業がデザイナーだけあって図案や色の組み合わせなど実にセンスがいい。
九州ブラリ旅とあれば大歓迎である。目立ったり、仰々しいことが嫌いな方なので、あまり有名ではないが「とっておきの場所」を探しておくとしよう。もちろんオーディオマニアなので、我が家の音の方も一層磨きをかけておかねば(笑)。
以上、今年の「年賀状二題」でした。