「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「オーディオ試聴会の顛末」~その2~

2012年11月13日 | オーディオ談義

12日(月)の午前中、オーディオ仲間のMさん(奈良)からメールが入って、「本日のブログで清き一票を投じようにもランキングがありません!」。

アレェ~、今日付(13日)で登載予定の記事をうっかりクリックの選択ミスをして、”公開する”にしてしまった。まだ未完成のままの原稿なのであわてて”公開しない”に変更した。同じことを、午後の運動ジムで話し相手のご婦人からもご指摘があった。

したがって、既に次の記事をご覧になった方があるかと思うが、後半部分を変更していますのでよろしかったら最後まで読んでくださいね~。

それでは以下、本文です。


たしかジャズ評論家の寺島靖国さんの著書だったと思うが、「お客さんと一緒に試聴するときは自分のシステムのアラがどうもうまく把握できない。一人で聴いているときには冷静な判断が出来るのに。」といった趣旨のことが書かれてあった。

自分の場合はまったく逆である。一人で聴くときはどちらかというと音楽鑑賞の方に没入してしまって”いいなあ、いいなあ~”と、自己満足に陥りがちなのだが、お客さんと一緒のときは音楽はうわの空になって音の分析の方に偏ってしまい、アラが見えてきてしようがない。したがって、システムの向上にとっては「お客さん大歓迎」の心境である。

10日(土)の午後にオーデイオ仲間4人(福岡)と一緒に聴いた「オーディオ試聴会」がまさにそうだった。

13時から17時までみっちり、ぶっ続けの4時間に亘る試聴はたいへん有意義な機会となった。

ここで、三系統のシステムをざっと紹介しておくと、

    SP 「AXIOM301+LEー85(JBL)」、アンプ 「真空管2A3+PX25・1号機」

☆☆  SP 「D130+375+075」(すべてJBL)、アンプ 「ケンウッド01-A改+PX25・2号機」

☆☆☆ SP 「SLEー20W3発(フォステクス)+AXIOM80+JBL075」、アンプ「01ーA改、WE300B、PX25・1号機兼用)

共通部分は、CDトランスポート(ワディア270)とDAコンバーター(ワディア27ixVer3.0)とのクロック・リンク。

はじめに、ブレンデルが弾くモーツァルトのピアノ協奏曲12番(K・414)の第二楽章をこの順番で聴いてもらった。

「こうやって比較して聴くと、それぞれのシステムの違いが良く分かるねえ」と仲間たち。

人間をはじめ物事は比較することでより具体的に本質を把握できることが多い。オーディオ・システムもその例に漏れない。そもそも、完璧なシステムなんかあり得ない話で、「原音再生」という命題のもとでは生演奏を上回る音が出せるはずがないし、そういう意味ではどんなシステムにも何らかの欠点はあるものだ。オーディオは明らかに減点主義の世界である。

したがって、比較試聴はそれぞれのシステムの良さよりもむしろ欠陥を露わに出す傾向にあるので絶対に不利なのだが、その分「あれとこれとではこの部分が違う」といった遠慮のない意見が出やすいので大いに参考になる。

仲間たちの意見を含めて総評を記載してみると、

は非常にまとまりのいい音だが、こじんまりとした世界。もっと量感が欲しい。とはいえ、あくまでも他のシステムと比べての話。

☆☆は力強いがちょっと一本調子の音になる。勢いと迫力、切れの良さで勝負するような音楽に向いていて、やはりジャズ向き。言い尽くされたことだがクラシックのような人間の心の奥深い襞を微妙に表現しなければならない音楽の再生はJBLにはちょっと「?」。少なくともヴァイオリンの表現力は少し劣る。それでも、「鬼太鼓座」の大太鼓の音はスケール感があって、大いに感心してもらった。

☆☆☆は細かい音を微妙かつ繊細に表現できて、一番評判が良かった。仲間のうち紅一点のHさんが持参してくれたシャンソンのCDだが、フランス語の発音で舌を細かく操った「チッ」という付随音を見事に再生してくれた。我が家のシステムでシャンソンを再生したのは初めてだが、テスト盤として一枚欲しいところ。

それとO部君が持ってきたシューベルトの「ピアノ・ソナタ」(キーシン)も素晴らしかった。福岡のアクロスホールで実演を聴いた後、群がるファンの中で必死の思いで手に入れたとのこと。そういえばドイツに留学して指揮者チェリビダッケに師事し、現在は音楽学校を運営しているプロの音楽家で高校時代の同窓のO畑君もキーシンを絶賛していた。

                                  

この☆☆☆システムは先週、YさんとUさんの試聴で評価がイマイチだったのであれから出力管を「WE300B」に変更、プリアンプのボリュームの調整、音声コードの変更、「200V→100V電源」にしたりと努力の結果がようやく実った感じ。

しかし、あえて難を言えば低域の力感がイマイチで中高域との繋がりがあまりよろしくない印象を受けた。原因は低域用に二股になった安物の音声コードを使ったせいだろうとおよそ想像はつく。ウーファー3発を再生するとなると信号系統にいろいろ制約があってなかなか思いどおりにいかない。

17時半からは河岸を代えて談論風発の懇親会。実に楽しかった。

話の中で、いつぞやのブログに記載したことがあるが、ダメになった真空管を福岡の「音とものづくりの歴史資料館」のH崎先生に見事に生き返らせてもらった件が出た。結局、廃棄予定にしていた10本のうち4本が蘇って大助かり。その中には稀少品のWE300B、PX25がそれぞれ1本入っている。

そのノウハウについて、ブログに登載していいかどうかH崎先生に相談したところ「需要の喚起といった観点から真空管業界のことも考えた方がいいでしょう。これは親しい仲間同士の内輪の話で留めておくことでいかがでしょうか」とやんわり否定されたが、これには奈良のMさんもまったく同じご意見だった。というわけで、この件についてはここまでにしておこう。

さて、福岡組は21時に別府発のバスで帰途に。

翌日の早朝、二日酔いで不調ながらも昨日の反省を込めてすぐにシステムの手直しを行った。

☆☆のJBLシステムは、Aさんが持参してくれたハイカット用のコイル(6500ヘルツ)を入れ替えた。やはりAさんが仰っていたように375は6500~7000ヘルツでハイッカットする方がいいようだ。

☆☆☆は低域用(200ヘルツ以下)の音声コードを単独にして、アンプも1台にした。したがってSLEー20Wのユニットは8Ωなので、片チャンネル「8Ω÷3発」≒2.7Ωの負荷となってアンプが耐えきれるか心配だったがどうにか合格。明らかに力感が向上した。

フ~、これでとりあえず一段落。

考えてみると相も変わらず、いつも「現在進行形」にある我がオーディオ・システムである。

それだけに、いつまでも楽しめる!(笑)

 

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