前々回の記事「躍動するプリアンプ」の続きです。
オーディオシステムの中で一番音が変わるのは「スピーカー」、その次は諸説あろうが個人的には「プリアンプ」ではなかろうかと思っている。
ちなみに、オーディオに「絶対」という言葉は「絶対」に使わないようにしている。
なぜなら、あまりにも機器が置かれた環境を取り巻く「変数」が多いのでうかつに断定できないから。
オーディオにとって「先入観は罪、固定観念は悪」なのだ!(笑)。
というわけで、このブログの記事はすべて「我が家の条件下では・・」という注釈付きになるのでどうか悪しからず~。
で、今回手に入れた「プリアンプ」はこれまでの手持ちの3台とは違って音の傾向が明らかに異なっている。
もちろん、それぞれにいいところがあるんだけど、音が柔らかくて長時間聴いても聴き疲れがしない、したがってスイッチを切るのが惜しくてつけっぱなし、と我が家のオーディオに新風を吹き込んでくれている。
これまで気が進まなかった音楽を聴き直したり、日陰に埋もれていたアンプが相性が良くて息を吹き返したりするのもたいへんうれしい現象。
たとえば、プリアンプの製作者「YA」さんと、パワーアンプの品定めの対象としたのはこのシステムの低音域(700ヘルツ以下:-6db/oct)だった。
プリアンプの低音域がやや薄い傾向にあるので、ひときわシビアなテストになる。
対象は「WE300Bシングル」に始まって「2A3シングル」、「71Aプッシュプル」そして「PX25シングル」。
結局、一番良かったというか、相性が良かったのは「PX25シングル」だった。
日頃は「WE300Bシングル」に押されっぱなしの印象だったが、低音域の充実ぶりはこれが一番で「YA」さんともども、これで決まりですねと、一件落着。
そして、2日後になってこんなに麗しい音を出してくれるのなら「AXIOM80」ならどういう音になるんだろう・・・。
いったん、思いつくともうダメ・・(笑)、ブレーキがかからず久しぶりに「80」さんの出番となった。アンプはそのまま「PX25シングル」で。
200ヘルツ以下の低音域をウェストミンスター(改)で補強して聴いてみたところ、ウ~ン、参った!!
ヴァイオリンの濡れたような響きはやはり「80」の独壇場で、音響空間をそこはかとなく漂うように彷徨っている佇まいがもう泣きたくなるほどで激しく気持ちを揺さぶられた。さすがは同じイギリス勢同士~。
プリアンプでこれだけ変わるんだから「参ったなあ・・」と、思わず嘆息した。
ほかにもグッドマンの「TRIAXIOM」(口径30cm:同軸3ウェイ)やJBLの「D123+デッカのリボンツィーター」などが目白押しに控えているのだが、しばらく「80」さんで存分に楽しませてもらうとしよう。
この内容に共感された方は励ましのクリックを →