前々回の「新たなプリアンプの試聴」からの続きです。
「一寸先は闇」とは、「ホンのちょっとの先でも展開が読めない」という意味だが、そのことを身をもって体験したので述べてみよう。
このところ大いに気に入って出番が圧倒的に多くなったウェストミンスター(改)。
100Kgにも及ぶ重量は伊達ではなく、低音域のスケール感と力感はなかなかのもので、この箱じゃないと出ない音がたしかにある。
我が家のポリシーである「低音域はユニットではなく箱で出す」言い換えると「中高音域には箱は要らない」を今更ながら実感しているが、「クラシックのオペラやオーケストラを聴くときでの話ですからね」と、前提条件を付けておく方が無難だろう(笑)。
もうこのスタイルで決まり~、「これでずっと行こう」と思っていた矢先にたまたま試聴の機会に恵まれたのが仲間から借りた「プリアンプ」。
中高音域の澄み切った透明感に圧倒されて、金属のダイヤフラムを持つ「175ドライバー」(JBL)のやや尖った鮮烈な音から「(紙の)コーン型」のワーフェデール「スーパー10」(口径25cm:フルレンジ)に代えてみたらどういう音が出るんだろう、という気がムラムラと湧き起こってきた。
それに低音域は同じワーフェデールの「スーパー12」(口径30cm:赤帯マグネット)だから音色が合わないはずがない。
まったく「175」に不満はないものの、万一故障でもあったときにスペアにもなるしで「思い立ったが吉日」、さっそく木工「工作」開始。
小さ目の箱に入っていた「スーパー10」をバッフルごと引っ張り出して、ジグソーで両端を切ってみた。
さあ、このままウェストミンスター(改)の上に載せてみよう。
「スーパー10」は従来通りローカットが「2000ヘルツ」(-6db/oct)~ハイカット「8000ヘルツ」(-12db/oct)でいこう。
(箱入りではなく)平面バッフルの欠点はユニットの後方に出る「逆相」の音が前面に回り込んで「正相」の音と混じり合って打ち消し合うことだが、波長の長い低音ほど回り込む量が多いが、2000ヘルツぐらいだとそれほど気にしなくていいんじゃないかなと、これは希望的観測~。
「スーパー10」はフルレンジのユニットなので「075」(ステンレス削り出しホーン付き)は無くてもいいのだが、繊細かつ華やかな高音域は「075」なしでは考えられないのでそのままにしておこう。
駆動するアンプは例によって「71A系3兄弟」。
さあ、どういう音が出てくるか、ワクワク・ドキドキ~。
そして、おお~っ、なかなかいいじゃないかっ!(笑)
総合判定では管楽器やアコースティックな楽器は「175」の方が上で、弦楽器系は予想通り「スーパー10」の方が音楽の「佇まい」が非常によろしい。
平常は「スーパー10」を使い、ジャズ愛好家がお見えになった時は「175」といったところかなあ~。
そして、この状態のままでお借りしている「プリアンプ」と既存の「3台のプリアンプ」の計4台のプリアンプの「勝ち抜き合戦」が始まった~。
その結果は~。
もう「言わぬが花」だろうね(笑)。