先日の過去記事ランキングに登場していたのが8年前に投稿した「鉄は熱いうちに」。
内容の方はすっかり忘却の彼方だったが、再読してみるとなるほど・・。
オーディオでは脇役に過ぎない、とはいっても、とてもおろそかにはできない「ケーブル」について、とある「オーディオ研究所」がこと細かく記していた。
再掲してみよう。
ただし、内容を信じる、信じないはまったく「あなたの自由」なので念のため。
☆ ケーブルについての基本的なポリシー
当社はおそらくどのメーカーよりもケーブルに対して醒めた目を持っている。オーディオシステムに置かれたケーブルは必要悪以外の何物でもなく、その存在を小さくする努力にしか進化を認めらない。当社にとってケーブルの進化とは「消滅へのプロセス」であり、(当社が製作した)〇〇〇〇は自らの存在を極限まで矮小化したケーブルシステムだ。
☆ ケーブル自重
ケーブル自重は当社にとって重要なファクターだ。ケーブルは自重によって自らを振動体(床、壁)に押しつけ、重いケーブルほど芯線が受け止める振動の衝撃は大きくなる。芯線を振動からアイソレートするべきダンピング材がケーブル自重の増加に一役買うので、意図したほどのダンピング効果が得られないばかりか、ダンピング材に蓄えられた振動エネルギーの解放を、これまたダンピング材が妨げるため、音楽のダイナミクスの変化がケーブルに吸収され、リズムが立たない。この悪循環を断ち切るにはケーブル自重を軽くする意外に有効な手立てはない。
☆ 芯線直径
「太い芯線は重低音が出る」というのは本当だ。ただし、その重低音がソース(CDやレコード)に含まれるものかどうかは疑わしい。太いケーブルを使って重低音が出たとしても、その先にはウーファー(低域用ユニット)の“か細い”ボイスコイルが繋がっている。したがって、その重低音がソースに含まれるものであれば、ボイスコイルと同じ線径のケーブルを使っても再生されるはずだ。つまり、ケーブルによる低音の差とは固有振動数の異なるケーブルの音色の差でしかない。
太い芯線は振動エネルギーの蓄積が大きく、エネルギーの解放が遅れるため、音楽のダイナミクスの細かな変化に追従できない。いったん振動すると止まりにくく、振動(鳴き)を止めるために芯線を締め上げると逆にストレスがかかる。それは音の伸びを妨げ、周波数レンジを狭める。同様に重いケーブル自重や、きつい撚り合わせも芯線にストレスを与える。ケーブルに限らず、あらゆるコンポーネンツに与えられる「ストレス」と「ダンピング」は音楽の躍動感を殺す2大ファクターだ。
もう一度ウーファーのボイスコイルの太さに戻って考えて欲しい。質の良い低音をケーブルの太さに求めるのは本筋ではない。もっと別のところ、つまり電気の通り道の太さにではなく、振動の通り道の明快さに求めるべきだ。
☆ その他(特記事項)
〇 ケーブルをひもやビニタイで縛らないこと。どうしても必要な場合はゆるゆるの状態に。また、シールド線は被せないこと。効果がないばかりか、逆にアンテナとして働く場合の方が多い。
〇 +側と-側のケーブルはツィストしても、しなくてもよい。前者では音像型になり、ハムに対しても若干強くなる。後者ではレンジの広い音場型になる。当社はこちらを好む。なお、ツィストする場合はけっしてきつく撚りあわせないこと。芯線にストレスがかかり、レンジが狭く歪っぽい音になる。したがって、1ターンあたり3cm以上の緩いツィストにすること。とにかく「ケーブルにストレスをかけない」これがもっとも重要なキーワード。
とまあ、以上のような内容だった。
まさに・・。
内容が東海地方在住の「T」さんから作っていただいた「LANコード」とピッタリ符合するのである。
2年ほど前にこの見るからに頼りない「LANコード」による「RCAケーブル」を数ペア、SPケーブルを2ペア作っていただいたのだが、それ以来すっかりケーブルへの迷いがなくなった。
もちろん、線の選択から使ってあるプラグさらには接続するハンダも厳選されているので、素人がうかつに「LANコード」に手を出してもろくなことにはならない。
で、その音質を何と言っていいか・・、とにかく「自然」なのである。
そして周辺機器のグレードが上がれば上がるほど真価を発揮するのが「LANコード」でもある。
たとえば、いささか頼りないと思っていたSPケーブルがこのところの周辺環境の向上に伴い「ウェスタン製」の単線よりもまるで音響空間の中で音に羽が生えたようにスッキリとした軽やかさなのだからたまらない。
まったく、「先入観は罪、固定観念は悪」ですね(笑)。
それに加えて、このほど「AXIOM80」に施した「ビニール」によるドロンコーン方式も「T」さんのブログを見て閃いたものだった。
このところ絶好調の(自分で勝手にそう思っているだけだが・・)我が家のオーディオも様々な方々のお知恵を拝借した賜物で大いに感謝しているが、中でもケーブル関係の「T」さん、さらには古典管の薀蓄にかけては日本有数の「北国の真空管博士」は、我が家のオーディオの救世主ともいえる存在。
というわけで、とても「北の方角には足を向けて寝られません」(笑)。
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