「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオに必要な「対決の構図」

2021年08月08日 | オーディオ談義

「修繕したEL34プッシュプルアンプの経過を見たいので6日(金)の午後にMさんと一緒にお伺いしていいですか?」とオーディオ仲間のNさん(大分市)からご連絡があった。

「ハイ、どうぞ、どうぞ~」

6日は今年一番の猛暑といっていいくらいのうだるような暑さだったが、それをものともせずにオーディオに邁進する3人・・、本当にオーディオが好きですねえ(笑)。

エアコン嫌いを自認しているが、さすがにお客さんの手前スイッチオンせざるを得ない。

最初に聴いていただいたのはこのスピーカーだった。



CDトラポから「176.4KHz」のハイレゾ信号をDAC「A22」(GUSTARD)で受信させ真空管アンプの「プリ」と「パワーアンプ」(2台)でこのスピーカーを駆動させた。

お客さんのお二人は大のレコード愛好家でCDにはまったく興味を抱かれていない。

こういう方たちに「どうです、CDもいいでしょう」と押し付ける気持はさらさらない。というのもCDはどんなにハイレゾ化しても「完璧に調整された」レコード・システムには敵わないと分かっているから。

ただし、この「完璧に調整された」という言葉にCDが挑戦する余地が残されている。

たとえばレコードではフォノモーター、トーンアーム、カートリッジ、そしてフォノイコライザーアンプなどの道具によって支えられているが、これらすべてが重要な役割を担っていていっさいの「手抜き」は許されない。

しかし、これらの道具を一部の隙も無いほど完璧に調整できたレコードシステムがこの世にあろうとはどうしても思われないのが現実だ。

したがって、中途半端なレコードシステムよりもうまくできた「デジタルシステム」の方がマシだよねえ・・という思いがどうしても捨てきれないし、実際に他家でレコードを聴かせてもらっても、カルチャー・ショックを覚えたことはない。

1時間ほど聴いていただいてから「これら5系統のスピーカーの中で一番お好きなのはどれですか?」との問いが発せられた。

「そうですねえ、やっぱりオーディオの最後に行き着くところ、豊かな響きを決めるのは箱だと思ってます。となると我が家ではウェストミンスターですかねえ・・。切り替えてみましょうか?」

「ええ、ぜひ・・」



「EL34プッシュプルアンプ」で内蔵の「スーパー12」(ワーフェデールの口径30センチ:赤帯マグネット)をフルレンジのままで駆動し、高音域は同じくワーフェデールの「スーパー3」(口径10㎝:赤帯マグネット)を「E180CCプッシュプルアンプ」で駆動した。

ウェスタン製のコンデンサー2個(ブラック・タイプ)でローカットした周波数は5000ヘルツくらいかな。

これで、結局2台のアンプとも「プッシュプルアンプ」となった。

「まるでホールで聴いているような豊かな響きです。低音とか高音がどうのこうのという音ではないですね。こういう音なら1日中クラシックを聴き耽っても疲れることなく聴き飽きないでしょうね。EL34が立派に役目を果たしていて安心しました」とNさん。

「そうですね。EL34のパワー感によってウェストミンスターが違った貌を見せ始めました。グレゴリオ聖歌がやっと身近になりましたよ。

こういう音に慣れてくると他のスピーカー群に対してどうしてもゆったり感が欲しくなります。もっと大きな箱にユニットを容れてやるといいんでしょうがこの部屋ではこれ以上どうしようもありません・・」

最後に、このところ「EL34」などのプッシュプル・アンプの出現によって「WE300B」や「PX25」などのシングル・アンプの出番が少なくなってきている。

はたしてパワー感に一日の長がある「プッシュプル・アンプ」がいいのか、それとも透明感の表現力に優れた「シングル・アンプ」がいいのか、我が家のオーディオの「一大テーマ」になりつつある。

それぞれの持ち味を吟味しながら割り切れない闘いが続いていく。

まあ、こうしていつも何らかの「対決の構図」を作っておくと飽きることなくオーディオが楽しめるのも事実ですけどね(笑)。



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