「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ愛好家のご来訪~2018.6.30~

2018年07月12日 | オーディオ談義

このところブログのネタが目白押しで、搭載のタイミングが大幅にずれ込んでしまったが、いつぞやのブログで触れたように福岡から高校時代の同級生3名が6月30日(土)に我が家に試聴にやって来てくれた。

大学では「建築科」「機械科」「電気科」をそれぞれ専攻しており全員が大のクラシックファンである。自分の知る限り、理系人間に本格的なクラシックファンが多い。

丁度12時ごろに我が家に到着し、その後3時間半あまり次から次に3系統のシステムを聴いてもらった。

順番にいくと、

1 「AXIOM80」+「WE300Bシングルアンプ」

2 「ワーフェデール2ウェイ」+「PX25シングルアンプ」

3 「JBL(イン・ウェストミンスター)+グッドマンのユニット」の2ウェイマルチシステム

この中で一番長時間活躍したのは3で、「やっぱり音のゆとりが違うよねえ」が押しなべての感想だった。

使った音楽ソースはほとんど仲間が持参したCD
だったが、やたらにオーケストラなどの大編成が多かったのも一因だったろう。その中で取り分け「凄い録音だ!」と一同唸ったのがリンのCD(DISK2)だった。

   

楽器がまるで眼前で演奏されるような生々しい録音に一同唸った。

法律違反なのでコピーさせてほしいとはとうとう言い出せなかったが・・(?)(笑)。

それはともかく、この種の試聴会を開催するたびに事後になって「ああ、しまった」と思うことが必ず出てくる。

今回は「後悔先に立たず」となったポイントを2点ほど挙げてみよう。

まず第1点目はAXIOM80の試聴のときに使った「WE300Bシングル」である。わざわざ遠路はるばるお客さんが来るのだからできるだけ「ベストの音」を聴いてもらいたいというのが心情である。

ただし「いい音」は、この世にごまんとあるので目指すのは「感動できる音」である。

そういうわけで、日ごろは出力管に(WE300Bの代わりに)「6A3」を挿していたのだが、前日になって急に迷いが生じてしまった。

名管とされる「WE300B」(1951年製)の方がやっぱりいいかもしれないなあ・・・。そこでつい魔がさして挿し換えたところ、これが逆効果だった。

(「WE300B」は)なかなか繊細な音を出してはくれたものの、元々がとても神経質な「AXIOM80」だからどうも「6A3」のグラマラスな音の方が似合っていたようだ。

仲間たちは遠慮して「黙して語らず」だったが、雰囲気でおおよそ分かった(笑)。

まさに「先入観は罪、固定観念は悪なり」、いかに名管といえども我が家での環境下では「WE300Bは必要なし!」であることがはっきりした(笑)。

また、返す返すも惜しかったのはこの日に向けてバルボの「△△△」(前段管)が修繕から戻ってくるのが一歩遅かったこと。残念無念!

次に、2点目は使用したdCS(イギリス)のCDトランスポートとDAコンバーターとの接続方法がどうも拙かった。

はじめのうちはdCSのコンビで聴いていたのだが、途中からCDトラポを「CEC」に換えたところ見事に音の重心が下がった。「こちらの方が聴きやすいよねえ」という意見が大勢を占めた。

どうも腑に落ちない。何といっても天下のdCSなんだから~。翌日、dCSコンビの接続を「1394コード」から「BNCコード」(PADのケーブル)に取り換えたところ、見事に「CEC」のときのような音になった。

以前に「当初から付属の1394コードを高級なコードに換えるだけで音質が一変しますよ」とは専門家から聞いていたのだが何せ軽く10万円以上もするお値段なのでためらっていた(笑)。

日頃から、限りある予算枠の中で優先順位という切っ先をいつも喉元に突き付けられているが、希少な古典管と、たかがコード類とのどちらを優先するかとなると、もうわかりきってますよねえ(笑)。

いずれにしても「下手な1394コードを使うよりも上質のBNCコードの方がよっぽどいい。」

これも、もはや「後の祭り」だったが次回の試聴会に生かすとしよう。

まあ、逆の見方をすれば試聴会のたびに新たな発見があるわけだから結果的に音質向上に大いに貢献してくれていることになる。仲間たちに改めて感謝。


結局、今回の試聴会も「感動できる音」とは程遠かったが試聴中も例によって「談論風発」、ヴァイオリンとピアノの演奏のどちらが難しいかが話題になって「そりゃあ、ヴァイオリンの方が難しいんじゃない、なぜってピアノは鍵盤を押す部分が決まっているが、ヴァイオリンの場合、弦を指で押さえる部分はカンに頼るしかないからねえ。」という意見が出されて、一同成る程(笑)。

関連して次のような参考文献を思い出した。

女流ヴァイオリニスト高嶋ちさ子(俳優:高島忠夫の姪)さんの著書「ヴァイオリニストの音楽案内」(2005.10.31、PHP新書)を引用してみよう。

「ベートーヴェンのV協奏曲のオープニングのティンパニーが音を四つ叩き、それがちょっとでも狂っていると、その次の木管が出てきたときに 「ん?音程おかしくない?」とみんな頭をかしげ、その後3分30秒間ソリストはただひたすら音程が落ち着くのを待つ。

「って、こんなに待たせんなよ!」というのがソリストの言い分。待ってる間に指は冷え切って、そのあとにこのオクターブをひょこひょこ上がっていく。これが0.1ミリでも押さえるところが違った日には「死にたい・・・」となる。なんといっても
鬼門はこの出だし。」

何せ「0.1ミリの攻防」だから、そりゃあヴァイオリンの難しさといったらないですよねえ(笑)。

 


 


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