「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「知らぬが花、見ぬが花」そして「聞かぬが花」

2016年10月10日 | 独り言

さ~て、どうしようか・・・・。

人間生きていくうえで「知らない方が幸せ、見ない方が幸せ」といったことが沢山あるが(笑)、ネットオークションで何気なしに目に入ったのが型番「LS7」という古典管(ナス管)。

英国の名門ブランドで音質がいいことで有名なGECの製品で、しかも未使用とあれば黙って見過ごす手はないが、似たような真空管を沢山持っているしなあ・・・。

             

まず我が家の「PX25アンプ」に使えるかどうか、それが先決なので例によって北国の博士に問い合わせてみた。

「あっ、それはμ(ミュー=増幅率)が12前後ですね。ピンの配置も合いますのでPX25アンプに十分使用できますよ。ナス管は滅多に出てきませんし、お値段の方も(ナス管にしては)適正な値付けだと思います。」

どんなマイナーとされる真空管でも博士に仕様をお訊ねすると即座に具体的な数値が瞬間的に返ってくるのだから凄い。40年以上にわたるオーディオ人生の中でもこれほど頼りになる方は初めてである。

アンプ・ビルダーとしてもたいへんな凄腕を発揮されるので、
オーディオ仲間のKさん(福岡)ともども「あれほどの天才と知り合えて私たちはとても運が良かったですねえ。」といつも喜び合っている

その強力な後押しを得て即決で2本落札した。きっといい音がすることだろうとワクワクして待つこと3日間。出品者が東京なので別府まではどうしても延べ3日かかる。

ご丁寧にもわざわざ真空管を縦置きの梱包のもとに到着したので「古典管の扱いに長けた方だ」とすぐに分かった。胸をワクワクさせながらさっそく「PX25アンプ」に装着して試聴してみた。

           

左から前段管「LS7」(GEC)~出力管「PX25」(GEC)~整流管「10E/378」(ムラード:軍用管)と、オール・イギリス勢。スピーカーもグッドマンだから典型的な「ブリティッシュ・サウンド」の組み合わせとなる。アッ、そういえばCDトランスポートもDAコンバーターもdCS(イギリス)だ!

それはさておき、耳を澄ますとアレ~、何と左側からガサゴソとノイズがするではないか!

これはいけませぬ。原因は定かではないが60年以上も前の真空管ともなるとハンダが劣化して接触不良が起きても少しも不思議ではない。

オークションの解説文に「受け取り後1週間以内にノイズ発生やGmデータが標準値の70%未満と判明した場合、宅急便60cm以下クラスで着払い返品=返金で対応します。」とあったので、出品者にすぐに連絡をとった。

「本日(10月1日)到着しましたが、2本のうち1本からガサゴソとノイズが発生しています。該当の1本を交換していただくか、2本とも返品するか、それとも該当の1本を返品するか、ご判断をお待ちします。」

すると、出品者側から「交換に応じますので返送してください。返送料は当方で負担します。」

その日のうちに返送して、交換品の到着を待つこと6日間(行きに3日+帰りに3日)。

新しい1本がこの6日(木)に到着。

梱包を解くと、返送料が1088円だったのに100円プラスして1188円同封されている!

すぐに連絡をとって「100円オーヴァーしてますけど、このまま受け取っていいんでしょうか?」

「持込割引なら100円サービスで1088円なのですが、荷作りやお店への持参など返送の手数料としてお納め下さい。」

というわけで「ご配慮ありがとうございました。100円ありがたく頂戴します。」(笑)。

「生き馬の目を抜く」とも称されるネットオークションの世界だが、初秋にふさわしい爽やかな一服の清涼剤だった。

そして、肝心の「LS7」の音だが、これまでで一番相性のいい真空管だった!中低音域の厚みが素晴らしい。さすがはGEC。

これまでPX25アンプの前段管として使ってきたのはSTCの「3A/109B」「3A/107B」「3A/110B」そして「171A」「112A」で、この中では「112A」がダントツだったが、それをも凌ぐ勢い。

この音を聴いたらきっとオーディオ仲間が驚くことだろうと思っていたら、たまたま昨日(9日)の午後に近隣のYさんが試聴にお見えになったので、「AXIOM300+スーパーツィーター」を一緒に聴いたところ「この音ならもうAXIOM80は必要ありませんね。」(笑)

さっそくこの件を北国の博士に報告したところ、「そうでしょう!お薦めした甲斐がありました。STCはどちらかといえば通信管ですから帯域の幅はLS7の方が上だと思います。ただし、GECではもっとμの低いLS8Aという球もありますよ。これも相性がいいはずです。」

「知らぬが花、見ぬが花」そして「聞かぬが花」なんだけどなあ・・・(笑)。
 


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