「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

安全・安心 VS スリル・サスペンス

2016年10月29日 | オーディオ談義

このところ、ブログの話題になっている「6FD7」アンプを貸し出している期間中に我が家で大活躍しているのが「171」アンプ。

          

低音域は「6FD7」アンプのエネルギー感には及ばないが、中高音域は「ハッと息をのむほどの美しさ」で魅力度に関してはいずれも甲乙つけ難し。インターステージトランスが入っていて、出力管は「171」(トリタン仕様)だが、整流管に「OK-X 213」(メッシュプレート型)を使いだしてから音が激変した。

いずれも今から80年ほど前の1930年前後に製作された真空管だが、「出力管と整流管は製作時期が一緒のものを使う方がいいですよ。」との北国の博士のアドバイスどおりだった。

さて、現在このアンプでグッドマンのフルレンジ「AXIOM110」(口径25センチ:箱はウェストミンスター)を鳴らしているのだが、まことに「安全・安心」とでもいうべきサウンドで、家庭で音楽を聴くのならこれで十分だと思うが、安全・安心ばかりではどうしても物足りない。やっぱり「スリル・サスペンス」がないと胸がワクワクするような楽しい気持ちになれない(笑)。

また、つい先日のブログで「サキコロ」のシンバルがうまく鳴ってくれなくて「オーディオは捨てることも肝心だ」なんて、つい調子に乗って偉そうにホザイテしまったが、舌の根も乾かないうちに「降参するのも癪に障るなあ。何とかチャレンジしてみっか」とアッサリ心変わり。

な~に、実験用のシステムだから大いに楽しませてもらおう、マズったら元に戻せばいいだけの話。

というわけで、恰好の道具があった。YL音響製の「3ウェイ ネットワークシステム」で、フルレンジから3ウェイへと変身するための必須の道具だ。

          

半年ほど前に購入したものだが満を持しての登場と相成った。クロス周波数は「1100ヘルツ」と「9000ヘルツ」。

まず1100ヘルツ以下のSPユニットはこれまでどおりの「AXIOM110」を、1100~9000ヘルツの間は同じグッドマン製のドライバー「ミダックス」を、9000ヘルツ以上にはJBLの075ツィーターという布陣で臨むことにした。

日頃からSPコードは長さ毎に幾つか種類を準備しているので接続は簡単そのものだった。留意したのは075の能率が傑出しているので(何と110db!)、マイカ・コンデンサーをボリューム代わりに使って「0.15μF」でカットしたことぐらい。

さあ、どんなサウンドになるんだろうとハラハラドキドキしながら音出ししてみたところ、これはイケマセヌ!

中音域の「ミダックス」の音が目立ち過ぎてウルサくてかなわん。オリジナルのストレート型ホーンのせいか直に音が出過ぎるのだ。ホーン鳴きもあるようだ。ふとJBLの小型蜂の巣ホーンがあったのを思い出した。よし、ホーンを付け替えよう。

ネジ穴はずっと以前に加工していたのでミダックスとはバッチリ。これで音出ししてみるとぐっと渋くなって違和感が無くなった。中音域はやはり控え目な方がいい。「蜂の巣」効果侮るべからず。

フルレンジのときと比べると全体的に明らかに高音域方向へのレンジが拡大しているのが分った。ただしジャズ系のサウンドはいいものの、クラシック系のヴァイオリンの響きとなると「?」。

075のせいでどうも響きが冷たいというかやや人工的な弦の音になってしまう。さあ、シンバルとヴァイオリンのどちらを選ぶか・・・。「二兎を追うもの一兎を得ず」なので、とりあえず「弦の響き」を優先してみるかなあ。

そこで075の代わりにワーフェデールのコーン型ツィーターの出番となった。

            

1年ほど前に「赤色マグネットに駄作なし」なので飛び付くように落札したが、やはりその伝説は脈々と受け継がれていることを実感できる代物だ。

075と入れ替えてすぐに結線完了。能率はおそらくグッドマンのユニットと同じくらいだろうからコンデンサーは挿入せず、直に接続。

これで、グッドマン+ワーフェデールという典型的なブリティッシュ・サウンドの組み合わせになったが、聴いてみると、音色がピタリと合っていて実に聴きやすい。その一方、075のような華やかさも欲しいところだが、ま、いっか・・・。

           

やはりいろいろ冒険はしてみるものだった。

それにしても今回は「そのうちオークションにでも出そうか」と、チラリと脳裡をよぎった機器が大活躍だった。

たとえばグッドマンの中音域用ドライバー「ミダックス」、JBLの「小型蜂の巣ホーン」、ワーフェデールの「コーン型ツィーター」、YL音響製の「3ウェイ・ネットワークシステム」など。

使わくなったオーディオ機器といえどもいつ心変わりするか分からないので、うかつにオークションには出せませんね~(笑)。

そして、本日(29日)は遠路はるばるお客人がお見えになるが、どういうご感想を洩らされるだろうか、楽しみ~。
 


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