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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

久しぶりのお客さん

2015年09月18日 | オーディオ談義

一昨日の16日(水)の午後、我が家に久しぶりにNさんとMさん(大分市)のお二人がお見えになった。もちろん、大歓迎である。

自分に限ってのことだろうが、独りだけで聴いているとどうしても音質に甘くなる傾向があるようだ。


たとえば、音楽の方に気をとられて音質に注意散漫になるのはいつものことだし、それに(厳しい)現実を目の前にしても「ま、いっか」と、つい面倒くさくなって詰めが甘くなるのが自分の悪い癖(笑)。

その点、こうして第三者と一緒に聴くことで冷静になり改めて客観的に音質を吟味することができるので大いに助かる。それに、こういう試聴会の都度、何かしら新しい発見があるのも事実で、この日もその例に漏れなかった。

何しろ、SPユニットのフィリップス(口径30センチ:ダブルコーン)と、ウェストミンスターの箱に入れた「AXIOM301」を聴いていただくのは今回が初めてだからどういうご意見が飛び出すか興味津々。

まず最初に聴いてもらったのは第一システム。

CDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS) → バランスケーブル接続 → DAコンバータ「27ixVer.3.0」(ワディア) → 「トランス式アッテネーター」(カンノ) → WE300Bシングル(モノ×2台) → 「フィリップス」(アルニコ・マグネット:グッドマン指定の箱)

フィリップスのユニットは初めてのご様子で、古色蒼然とした佇まいに「いかにもいい音が出そうですねえ。ちょっとネットを外していただけませんか」

                  

いろんなCDを聴いていただいたが、持ち主が言うのもちょっと気が引けるものの何から何まで「絶賛」だった。音の立ち上がりと立下りのスピード感といい、クリヤーな音像、余韻の美しさといいケチのつけようがなし(笑)。それにお二人は大のジャズマニアだが、クラシックのみならず、ジャズにも十分ご満足していただいたご様子。

「いいスピーカーはジャズもクラシックも両方イケる」。口径30センチのフルレンジの柔軟性と多様性に感心の一幕だったが、フィリップスは現在休息中の「AXIOM80」に取って代わる資格十分で、お値段からすると月とスッポンなので大善戦。今のところエージングを兼ねて鳴らし込みの真っ最中で、もっともっと良くなるはず。

さて、ここまでは良かったのだが・・・。

次に聴いていただいたのが第二システム。

CDトランスポート「上記」 → RCAデジタルコード接続 → DAコンバータ「NA11-S1」(マランツ) → プリアンプ「PAM-5」(クレル) → 「71Aプッシュプル真空管アンプ」 → 「AXIOM301」(口径30センチのダブルコーン:ウェストミンスターの箱入り)

これでまず最初にジャズを聴いてみた。「ビッグ バンド」(カウント・ベイシー)はたちどころにシステムのアラを出してくれるので重宝している試聴盤だが、すぐに「アレッ、何だかおかしいなあ」。どうも全体的に音が歪(いびつ)な印象を受ける。

日頃、クラシックばかりを聴いているのであまり違和感を感じなかったのだが、こうしてお客さんと一緒にジャズを聴いていると、すぐにアラが見つかるのだから世話はない。

お二人さんもご同様のようで「寂(せき)として声なし」(笑)。

長い沈黙に耐えかねて「パワーアンプを交換してみましょうか」と自分から発議して、我が家のエース「71Aシングル」アンプ(銅板シャーシ)に取り替えてみた。RCAコードとSPコードの両者を差し換えるだけだからものの3分もあれば終了。

これで聴いてみると・・・。「絶対に良くなるはず」と思ったのだが、たしかに幾分聴きやすくなったものの基本的にはまだ歪感が残る。どうも、おかしいなあ~。

こういう時にジタバタすると、一層わけが分からないことになるのがオチだが、ここは最後のひと踏ん張り、藁をもつかむ気持ちで「プリアンプを換えてみましょうか」。

とうとうトランジスター式の「PAM-5」を見限って真空管式のプリアンプに交換。

「ああ、随分良くなりましたねえ!」、これでようやく一同愁眉が開いた(笑)。

「クレルの場合、どうも自己主張が強すぎるようですよ。真空管式のプリの方がナチュラルで色付けなしに音を出してくれる印象です。やはり真空管式のアンプ同士の方が相性がいいみたいです。それからフルレンジのユニットをこういう大きな箱に入れて鳴らすのはひとつの理想形ですね。オリジナルのタンノイのユニットよりもむしろいいんじゃないですか。」と、お二人さん。

たしかに・・・。

実はこのプリアンプは音に力が無くてこれまでどうしようもなかったのだが、このほど出力段にUTCのマッチングトランスを取りつけてもらってから音質が飛躍的に向上し、今や我が家の救世主的な存在となっている。出力管は「E80CC」(2本)。

         

真上から撮った画像だが、左側の赤い文字が書かれている小さなトランス(2個)がそれで、「真空管プリアンプの出力段に良質のトランスを噛ませるといい結果が得られる」とお伺いしたので、オークションでトランスを落札しGさん(福岡)に取り付けをお願いしたものだが、狙いは見事に当たった。

これに味を占めて我が家の真空管式プリのもう1台も同じトランスをつけてもらったほどで、
「オーディオ機器は簡単に諦めてはいけない」の見本のような存在。

とにかく今回の試聴会もお客さんから多様なご意見をいただくことができて、一歩どころか二歩も三歩も前進~(笑)。 


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