「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「AXIOM80」愛好家の集い~第5回~

2015年09月28日 | オーディオ談義

「オーディオは終着駅が見えない世界なので、せめてお互いに同じスピーカーを使っている者同士助け合っていきましょうよ。」という趣旨で始めた「AXIOM80」愛好家の集い。

今年(2015年)の5月から月1回のペース、3人による持ち回り開催なので第5回目は26日(土)の我が家となった。

特に今回は特別ゲストとして古典管アンプづくりの妙手Gさん(福岡)も参加されて一段と賑やかな試聴会となった。しかし、ホストとしてはオーディオの猛者連3名から日頃の勉強ぶりについて手厳しい試験を受けるような、まるで受験生のような気分だった(笑)。

また、デジタル機器の故障は素人では手が出せないので、途中でどうかトラブルがありませんように~と、ただ祈るのみ。

当日は好天気の中、ご一同がご到着されたのは予定どおり10時45分ごろだった。お帰りが16時45分だったので、昼食を挟んでみっちり6時間もの長丁場となった。

これほどの長時間ともなると、我が家のシステムの長所も欠点も洗いざらい白日の下にさらされた感じ。

今回の試聴会の主要テーマは次のとおり。

☆ SACDとCDの音の比較試聴

☆ DAコンバーターの「エルガー プラス」(dCS)と「27ixVer3.0」(ワディア)の比較試聴

☆ SPユニット「フィリップス」(口径30センチ:アルニコマグネット)と「AXIOM80」(グッドマンン)の比較試聴

いずれも「比較試聴」によってその差を明らかにすることで少しでも対象機器の個性に近づこうという試みである。

マニアならご承知のこととと思うが、オーディオ機器や音質の評価はきちんとした普遍的な物差しがあるわけではないので、巷では各自が己の主観に基づいて好き勝手な御託を並べているのが現状。まさに百家争鳴でどれを信じていいことやら(笑)。

我が国では言論の自由が保証されているので、他に迷惑をかけない限りそれでも一向に構わないと思うが、結局「あんたが勝手にそう思うだけだろう」に、落ち着いてしまう。

その轍を踏まないための方法といえば、今のところ複数の耳で機器の聴き比べをするしかないと思っている。

そこでまず、最初に

「☆ SACDとCDの音の違いについて」だが、その前にシステムの紹介をしておくと、

第一系統のシステム(以下「第一系統」)

CDトラポ「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS) → DAコンバーター「エルガー プラス」 → パワーアンプ「真空管PP5/400」(最初期版:英国マツダ)シングル → フィリップスのユニット(口径30センチ:フェライト マグネット型、ウェストミンスターの箱入り)

第二系統のシステム(以下「第二系統」)

CDトラポ「同一」 → DAコンバーター「27ixVer.3.0」(ワディア」 → プリアンプ「真空管12AU7使用」 → 「真空管371(トリタン仕様)シングル」 → 「AXIOM80」 or フィリップスのユニット(口径30センチ:アルニコ マグネット型、グッドマンの指定箱入り)

こうしてみると、使っているプリアンプとパワーアンプはいずれもGさんの手になるもので、我が家の音は結局Gさんのセンスで構成されているようなものかも(笑)。

          

初めの1時間半ほどは「第一系統」でCDばかり聴いていただいた後に一同揃って昼食に繰り出したが、和んだ雰囲気の中でどなたかから「たしかにいい音には違いありませんが(エルガーの)お値段からすると、それに見合った音ですかねえ」というまことに率直なご意見が提出された。

いくら熱心にオーディオに打ち込んでいるとはいえコスト意識は必要で、「あくまでも良識の範囲内で楽しみましょうよ」というのが一同暗黙の了解なのでこういうご意見が出るのは至極当然だが、一同しばし「・・・」。明らかに肯定的な雰囲気が漂っていた(笑)。

あとは四方山話で1時間ほどで自宅に戻って今度はSさんが持参されたSACD(ベートーヴェンのチェロとピアノの協奏曲)を試聴すると、CDとのあまりの違いに一同唖然とした。音像の奥行き感、定位、音が消え入るときの情報量などが月とスッポンなのである。ちなみに、このSACD盤は自分が所有しているモノよりももっと上質の録音のよう。

あまりの音の良さに途中で切り替えるのが惜しくてとうとうSACD盤すべてを聴きとおしてしまった。曲目自体はそれほどでもないと思うが、音質がいいと音楽の表情まで変わる。

「以前、マランツのプレイヤーでSACDを聴かせてもらったことがありますがサッパリだった記憶があります。やっぱりエルガークラスで聴かないとSACDのほんとうの良さは引っ張り出せないようですね。チェロとピアノの前後の位置関係に絶妙な表現力が伺えます。これはもう完成の域に達した音ですよ。」と、Kさん。

「今さらSACDか」と、笑われそうだがこれほどの差があるとは想像だにしなかったというのが正直なところ。CDとはまるっきり別物の世界である。

これには後日談があって、27日(日)に福岡からお見えになった新たなお客さん「Nさん」という英国を中心に海外経験が豊富で真空管は「英国マツダ」を愛用されているという方にSACDを聴いていただいたところ「CDとはまったく別物ですね!」と、その情報量に驚かれていた。

CDも標準以上だが、SACDで特に能力を発揮するのが「エルガー プラス」である。

こうなるとSACD盤が欲しくなるのがマニアの常だがネットオークションを覗いてみたところ、あまりの高額にエッ!

いずれも1枚5000円前後と、お値段の方もCDとはまるで別世界(笑)。せめて大好きなオペラ「魔笛」(モーツァルト)ぐらいは所有しておきたいものだが、新盤では唯一古楽器で有名なクイケン指揮のものが発売されているものの、古楽器はどうも馴染めなくてキライ~。

他のSACD盤となると、意外だったのが往年のショルティ指揮盤がSACD盤で発売されていた。魔笛は手元に50セット近くあり、おそらく日本一のコレクターだと自負しているが、指揮者、歌手、オケの出来具合によって個人的にA、B、Cランクに分類しているが、ショルティ盤は間違いなくAランクに位置する演奏でケチのつけようがない。

しかし、アナログ時代のそんな昔の録音をSACD盤に焼き直したところでどのくらいの効果があるんだろうかとちょっとためらいを覚える。マスターテープの出来具合も影響するんだろうが・・・。

SACDの将来を考えるとこれから深入りするのもどうかと思うし、しばらく悩みが尽きそうにない(笑)。
 


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