ときどき、「自分はいったい何歳ぐらいまで生きるんだろう」と思うことがある。
あっさり死んでしまうとせっせと収集した真空管やオーディオ機器が「主」を失うので、「もったいない」精神から発したものだが、先日、一粒種の娘とウォ-キングをしているときに、「お父さんが死んだら、オーディオ機器はすぐに売り飛ばしてしまうんだろうねえ」と鎌をかけてみたら、「ううん、ずっと使うつもりよ。しかし故障したときに困るから、誰か扱い慣れた人を紹介しておいてね」という現実的な言葉に”本気度”が伺えてまずはひと安心。
そのうち、我が家のオーディオ・システムの音声信号と電源系統の「流れ図」を作成して、スイッチを入れる順番などを書いておかねばと思いつつ、まあ、あまり急ぐこともあるまいという希望的観測だが果たして・・・。
自分の寿命ばかりは「神のみぞ知る」といったところだが、2~3年おきに”こっそり”利用しているのがイギリスの権威ある科学専門誌「ネイチャー」に出ていた寿命の算出方法。
翻訳のうえ掲載されていたのは「ボケるボケないは生き方できまる」(2007年3月5日、大和書房刊)という本で、著者は東京大学教授の石浦章一氏。
さて、あなたの寿命は現在の状態で何歳ぐらいになるだろうか。興味のある方は次により試算を。
基本は76歳、次の質問に回答して合計した数字に76を加えた数字があなたの寿命。+は寿命増加要因、-は減少要因。該当しない項目は0。
1 あなたは今何歳ですか。30~50歳なら+2、51~70歳なら+4。
2 男性なら-3、女性なら+4。
3 200万人以上の都会に住んでいるなら-2、1万人以下の町なら+4。
4 自分の祖父母の一人が85歳を超えていたなら+2、二人とも80歳を超えていたなら+6。
5 両親のどちらかが50歳以前に心臓疾患で亡くなっているなら-4。
6 兄弟姉妹や両親が50歳以下で、がん、心疾患、糖尿病になっているなら-3。
7 年収1000万円以上を稼いでいる人は-2。
8 大学卒は+1、大学院卒は+2。
9 65歳以上で今働いているなら+3。
10 連れ合いがいるなら+5。
11 現在独身は-3、25歳から数えて独身時代が10年以上続いているなら、10年ごとに-3。
12 現在の仕事が机上の仕事は-3、身体的運動が必要な仕事は+3。
13 週5回、30分以上の運動を続けているなら+4、週2~4回なら+2。
14 1日に10時間以上寝る人は-4。
15 性格として、リラックスタイプは+3、緊張タイプは-3、幸せと思うなら+1、不幸せと思うなら-2。
16 この1年間に制限速度オーバーでつかまったことがあるなら-1。
17 1日に1合以上の酒を飲む人は-1。
18 1日にタバコ2箱以上吸う人は-8、1~2箱なら-6、半分から1箱なら-3。
19 標準体重より20Kg以上肥満なら-8、
〃 10Kg~20Kg肥満なら-4、
〃 5Kg~10kg肥満なら-2、
※自分の標準体重=23.5×自分の身長m×自分の身長m
20 あなたが40歳を超えた女性で毎年婦人科医に診察を受けているなら+2。
以上の質問項目により、自分の寿命を計算してみたら、何と予想外の長生きで「82歳」と出た!
ちなみに、日本人の平均寿命は2010年時点で男性79.64歳、女性86.39歳。
さて、この寿命テストからいろんな健康対策が浮かび上がってくる。とにかくプラス項目を大きく伸ばし、マイナス項目を減らすことに尽きる。
マイナス要因が極めて大きい(最大-8)のは18のタバコと19の肥満。タバコの害はもう周知の事実で言わずもがな。
肥満の害は最高水準の医療技術と経済力を誇るアメリカ人の平均寿命が世界ランキング10位外という結果が物語っている。(あのハリケーン・カトリーナの被災地ニューオーリンズでの被害者たちの肥満のテレビ映像がいまだに目に焼きついて離れない!)
摂取カロリーを3割減にするとクモからサルに至るまで寿命が3割延びるそうだ。
7の項目では年収が高いのにマイナス要因とは意外だが、それだけストレスの影響を考慮したもの。14の寝すぎは逆にストレスが少なすぎる点が考慮。3の都会暮らしは空気や水の汚染とストレス。10と11の結婚と独身問題もストレス、外食と栄養のバランス、規則的な生活などが考慮。
7、8、12については職業によって寿命の違いがあることをうかがわせる。郡山女子大学の森一教授によると宗教家は寿命が長いというデータがある。ずっと昔の奈良時代の頃でも僧侶の平均寿命は70歳前後。
僧侶の長寿の要因は「過食を避け心身の修行に励んだこと、森林浴効果や読経・説教による精神の安定、それにプラスして規則正しい生活、永続的な仕事、世のためになっているという生きがい、世俗のストレスから離れるといったこと」が挙げられるそうだ。
なお、レイ・カーツワイル著の「ポスト・ヒューマン誕生」の417頁に古代からの平均寿命が記載されていたので参考までに記載。
クロマニヨン人の時代 18歳
古代エジプト 25歳
1400年ヨーロッパ 30歳
1800年ヨーロッパ 37歳
1900年アメリカ 48歳
2002年アメリカ 78歳
1900年までの遅々とした寿命の延びに比べて、1900年からたった100年の間に30歳も伸びたことに注目。
私たちは実に恵まれた時代に生きている!