「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

独り言~ネットオークションの「掘り出し物」~

2012年02月11日 | 独り言

いやあ、久しぶりにネットオークションで真空管の「掘り出し物」を手に入れることができた。まさにルンルン気分~。

と、ここで先ず、自分なりの「掘り出し物」とは何かを定義しておこう。

それは「相場よりもずっと安い価格」、「性能がいいと定評のあるもの」、「滅多に市場に出回らないもの」、この3つを兼ね備えたものを意味している。


そして、今回ゲットしたのはRCA「12AU7 クリアートップ」。

                         

とりあえず、落札した経過を得々と(?)述べさせてもらおう。

開始日時     1月31日

開始時の価格  2,000円(4本)

終了日時     2月5日(日) 21時55分

落札価格     3,600円

電圧増幅管の「12AU7」(ヨーロッパでの呼称は「ECC82」)は真空管アンプの初段管に使用されることが多く、我が家でも5台保有の真空管アンプ(いずれもパワーアンプ)のうち4台に使用している。つまり常在戦場に8本(1台2本×4台)必要となるのでスペア管を確保しておく必要があるため、1週間に一度くらいは必ずネットオークションに「12AU7 ECC82」で検索をかけている。

しかし、どこかの「心ない業者」が連続して何頁にもわたって出品しているのにまったく閉口するが、ようやく合間を見つけて目についたのが「RCA12AU7 クリアートップ」で、しかも4本まとめて出品されている。

一般的に真空管の黄金期は良い職人と良い材質に恵まれていたことにより戦前から1960年代までとされている。1970年代に入ると品質が落ちるので、(あくまでも通説だが、実体験上ではそのとおり!)自分が狙っているのはヴィンテージ管と称するもので、この1960年代までに生産された真空管のうち現代に引き続き残されたものである。

アメリカの「RCA」は1919年に創立された古い歴史を持ち、真空管のメーカーとして世界的な名門企業で、ブランドとして申し分がない。これまで実際に「6FQ7」、「6SL7GT」(いずれも電圧増幅管)、「2A3出力管」、「5V4G整流管」などを購入して使用してきたがすべて期待を裏切られたことがなかった。

出品されている「12AU7」も1960年当時の製品とあり、しかも「クリアートップ」ときている。これは特別に音質に配慮されて製造されたもので、ゲッター(メッキ部分)が真空管の内のサイドにあるため、頂上が透明なのでこう呼ばれているが、とりわけ「美音」とされており高域はより美しく透明感があって極めて繊細という定評がある。

そういうわけでこの「クリアートップ」は通常のRCAブランドの同種の真空管よりも2倍以上の価格で、しかも稀少管なので滅多に市場には出回らない。いわばマニア垂涎の的の真空管である。自分は実際に「6FQ7」のクリアートップを購入して使ったことがあり噂どおりだったのでその値打ちは十分、分かっている。

オークションで最初に2、000円(4本)という価格を見たときに「エッ、冗談でしょ!」。

しかも実測値付きで、廃棄値56に対して4本(双三極だから8極)とも95以上でほぼ新品同様である。おまけに出品者の評価も「良い評価」が1500をオーバーしていて、悪い評価が0なのは実に安心できる。

これは滅多にない「掘り出し物」だと直感し、一気に戦闘モードに突入したのは言うまでもない。

すぐに「ウォッチリスト」に登録して毎日、入札価格の推移をチェックしていたが、大幅に値上がりするだろうと予想していたのになかなか上昇しない。「おかしいなあ?」と首をひねりながら、入札者7名、価格も2700円程度のままでとうとう5日の入札最終日の夜へと突入。

これはてっきり、(目に見えない強敵が)落札終了寸前に駆け込み入札で一気に決着をつけようという腹づもりだろうとおよそ予測がついた。これまで散々この手で欲しくて、欲しくてたまらない真空管を奪われてきている。

今回もまあ、たぶん無理だろうと諦め気味に、「宝くじは買わなければ当たる可能性がない」し、「オークションも入札しなければ手に入る可能性がない」ので、「11,000円」という貧乏人としては精一杯の最高価格を奮発して入札し、そのまま就寝。予想では軽く2万円は越えると踏んでいた。

翌朝、起きるなりメールを見ると、何と自分が落札者になっているではないか。しかも終了価格が3,600円!

4本で3,600円だから1本が900円という信じられない価格。これだから「オークションはやめられない」と小躍りしたのは言うまでもない。

ネットオークションで「真空管漁り」を続けてもう10年以上になるが、当時と比べて、オークションの世界も随分世知辛くなってまさに「鵜の目鷹の目」の世界、近年は「掘り出し物」はまったく期待できないと諦めていたがこういうこともたまにはあるんですよねえ・・・・。

しかし、実際に現物が手元に到着しないと「とらぬ狸の皮算用」だが、すぐに出品者から振込先の連絡が入り、ネットバンクで支払いを完了すると火曜日の午後には早くも真空管が無事到着。迅速な対応は実にありがたい。

さっそく、最近修繕してもらったばかりのPX25・2号機の初段管「ムラードECC82」を外し、付け替えて試聴開始。

その結果だが、この原稿を書いている時点まで3日間ほど連続して試聴しているが、自分の耳にはどちらがいいとも悪いともまったく判断がつかず、「どちらもいいよねえ」。両者とも音の印象が実に似ているのである。

しかし、値段的にはムラードは今では1本の価格が1万円近くするはずなので、それに対してRCAは900円だから圧倒的な差があるからお買い得感は満点。

とにかく、これで最上級の「12AU7」が4本、コレクションに加わったのでこの型番に限ってはまったく後顧の憂いなし!

 


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