「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~クロスオーバーと平面波SP~

2007年10月01日 | オーディオ談義

音楽を聴いているときに、演奏に集中すればいいのにオーディオ愛好家特有の悪いくせが出てつい周波数の強弱がときどき気になってしまう。

やや専門的になるが一般的に人間の耳に聞こえる周波数の範囲は低いところでは20ヘルツから高い方では2万ヘルツまでといわれている。

つまり、音楽を聴くときに、この低音から高音までの間に強調(山)されている部分がないか、あるいはギャップ(谷)がないのか常に神経を使うというわけ。もちろん、オーディオルームの形状などによって適当に強弱があったほうが良い場合もあり例によって理論だけでは解決できない世界である。

ただし、全ての周波数帯域を1個のスピーカーユニットで再現できればオーディオの課題はかなりの部分が氷解するといってもよいが、そういうユニットは現在どこにも存在しないから仕方なく通常2~3個のユニットで区分して聴いている。

これが俗に言う2~3ウェイ方式で例えば、低域専用ユニットで500ヘルツ以下を受け持たせ、同様に中域専用ユニットで500~7000ヘルツ、高域専用ユニットで7000ヘルツ以上といった区分(クロスオーバー)が一般的である。

しかし、音は自然に減衰していくものだから低域と中域の音が500ヘルツ前後で重なり合い、中域と高域が7000ヘルツ前後で重なり合う。

オーデイオの難しさの一つは、この重なり合う部分を濁りがないようにしていかに自然に近い感じで聴きやすくするかというところにある。

逆に、たとえばタンノイの大型スピーカーはご承知のとおり2ウェイ方式で音像定位は抜群だが低域と中域のクロスを1000ヘルツに取っているので、中低域は自然に聞こえるメリットがあるが1000ヘルツから以上の中高域を1つのユニットで分担しているのでやや無理があって高域の伸びが不足気味である。タンノイはジャズに不向きでシンバルの音が物足りないといわれるのはこの理由。

市販の既製品のスピーカーを愛用している方(おそらく大半だと思うが)は、販売時にメーカーのほうで専用の部品でもって既にクロスオーバーを調整しているのでこの帯域の区分を意識することはまずなく、したがって苦労することもないが、逆にいうとオーディオの楽しみをある程度奪われているともいえる。

おそらく音楽を聴く上でこういうことは”わずらわしい”という方が大半なのだろうが、一方では自分好みの音質には近づけない方でもある。しかも、ほとんどのメーカーの対応もこの部分の調整に関してはコスト面から手を抜く傾向にあり、質的に決して万全でないように思っている。

低域、中域、高域をどの帯域区分でカットするか

カットするためにどういう部品を使用するか
特に低域と中域のクロスオーバーの調整は生命線となっており、いちばん神経を使うところ。この調整次第で音がガラリと変わるので自分の場合、いまだに3ヶ月に1回程度は気になってああでもない、こうでもないと言いながら愉しくいじくりまわしている。

おそらくこれは永遠の課題だろう。

低域、中域、高域の区分のうちどこを重点に置くか知人のAさんやMさんの話を総合してみると、一番重要なのは中域でそれも150ヘルツ前後から3000ヘルツ程度までとのこと。人間の耳にとって音楽の一番おいしくて重要な部分。この部分が一つのユニットできちんと再現できればいい音質になることはまず疑いを容れない。

従来、この部分を一つのユニットで再現できる本格的なスピーカーはないといってよかったが、最近、新製品として新しい原理によるMCMA方式の平面波スピーカーが販売されているとの情報が入った。

これは
低域が140ヘルツ以下
中域が140~6000ヘルツ
高域が6000ヘルツ以上
という理想的な区分になっている。もし意識して中域の周波数をこのように設定したとしたら、設計者は相当オーディオを研究された方といっていいだろう。

最高クラスのものがセットで定価が42万円。手が届かない範囲ではないが、今のシステムを破棄して購入するとなると私的にやや問題が残る。

いまのところ息を潜めて、試聴結果の情報がネットで飛び交うところをじっと待っているところ。

このスピーカーが物理特性に加えて音楽性を兼ね備えていればオーディオに大革命が起きることは間違いないし、我が家では早速カミサンのご機嫌をとらねばならない。

因みに、我が家のクロスオーバーは現時点(2007年10月1日)で次のとおり。

低  域   上限330ヘルツ(6db:フィルターによるカット)

中  域   下限500ヘルツ(6db:ウェスタン社のコンデンサーによるカット)
        上限7000ヘルツ(6db:フィルターによるカット)

高  域   下限7000ヘルツ(6db:ウェスタン社のコンデンサーによるカット) 

                            
                            コンデンサーによるカット(高域)
 


 


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