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道アイヌ協会:加藤理事長辞意 なぜこの時期に…慰留の声「政策にも影響」 /北海道

2010-05-28 | アイヌ民族関連
(毎日新聞 2010年5月27日 地方版)
 北海道アイヌ協会を6年間率いてきた加藤忠理事長(71)の突然の辞意表明が波紋を広げている。加藤理事長は国のアイヌ政策に積極的に提言、関与してきただけに、辞任すればアイヌ政策に影響が出かねない。関係者からは「なぜこの時期に辞めるのか」と、慰留を求める声が高まっている。【千々部一好】
 加藤理事長はアイヌ政策を審議する政府の「アイヌ政策推進会議」(座長・平野博文官房長官)の委員。道アイヌ協会は当事者団体の最大組織で、加藤理事長ら3人がメンバーに入っているが、中心的役割を果たしていたのは加藤理事長だった。
 同会議は、アイヌを先住民族と認定し、新たな立法措置や支援策の策定などを盛り込んだ政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」の報告書(09年7月)を具体化するために設置された。今年1月末から約1年間かけて政策づくりを進めている最中だ。
 アイヌ文化の教育・研究・展示などを行う新たな施設「民族共生の象徴となる空間」と、新たな立法措置の基礎資料となる「道外アイヌの生活実態調査」の二つが主要課題。施設の詳しい内容や設置場所はアイヌの意向を尊重することになっており、道アイヌ協会の具体的な提案を待っている状態となっている。ただ、加藤理事長が辞任した場合、すぐに後任が決まるのは難しいとみられ、協会からの提案が遅れる可能性も出ている。
 加藤理事長が辞意表明した25日の理事会に出席していた標津支部長の小川悠治理事(63)は「辞意表明には驚いた。加藤理事長は私利私欲がなく、穏健な人柄で、協会内部がまとまり、国などと交渉が進んだ。アイヌの権利回復に向けた国の政策づくりが本格化するこの時期に辞めるのは惜しいので残ってほしい」と求める。
 同会議委員の常本照樹・北海道大教授は「加藤理事長が有識者懇談会で提案したことをベースに、推進会議で具体的な議論している。辞任となれば、議論の流れが変わってしまうかもしれない」と懸念する。一方、道の田中正巳・生活環境部長も「推進会議で各論を検討する大切なこの時期に、これまでの議論を引っ張ってきた加藤理事長が去ることになれば大きな痛手となる」と、事態の推移を見守っている。
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20100527ddlk01040259000c.html
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