ノルウェーの博物館が返還 自分たちの歴史語り直したい
新潟日報 2025/4/12 12:00(最終更新: 2025/4/12 12:15)
ノルウェーから返還された遺骨はイースター島の空港に到着後、海辺の遺跡アフ・リアタに立ち寄った。先祖の帰還を祝う儀式を石像モアイが見守る=2024年11月、ハンガロア(撮影・セバスチャン・ヤンコビッチ・パカラティ、共同)
青い海に続く道を、小型トラックがゆっくり進む。島の伝統的な衣装をまとった人たちがウクレレやギターに合わせて歌いながら一緒に歩く。荷台にはシートに覆われたケースが置かれ、笑顔の子どもたちが囲む。
南米チリ沖の南太平洋に浮かぶイースター島。空港に到着した荷物が数キロの道のりを経て町の外れにある「ラパヌイ博物館」に到着した。ケースの一つが開けられると、緩衝材に守られた頭蓋骨が姿を見せた。
約70年前に冒険家で民族誌学者の故トール・ヘイエルダールらが発掘し、ノルウェーに持ち出した先住民ラパヌイの人骨だ。「帰ってきてくれてありがとう」。島の人々が先祖の帰還を祝う。
▽壮絶な過去
ラパヌイがたどった過去...
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