観光経済新聞 2025年6月25日
毎年30数万人が来場、道内外からの教育旅行で6万人超
湖からの爽やかな風につつまれて広がる民族共生象徴空間「ウポポイ」。国が先住民族であるアイヌ民族の文化復興拠点として2020年に北海道白老町ポロト湖畔に設置したナショナルセンターだ。7月で開業5周年を迎える。約10ヘクタールの敷地に国立アイヌ民族博物館や体験交流ホール、体験学習館、工房、茅葺のチセ、野外ステージなどを整備。アイヌ民族の貴重な文化財や資料の展示、古式舞踊の上演、工芸品の製作実演など多彩な体験メニューを提供している。開業がコロナの感染拡大の時期と重なり、一時、休園するなど苦心の運営を余儀なくされた。しかし、これまで約140万人、毎年30数万人が来場。修学旅行でも道内外から6万人を超える生徒が訪れるなど、北海道の新たな名所となり、教育旅行の学習の場となっている。
「ウポポイ」運営本部長 村木美幸さんに聞く開業5周年に寄せた思い
多文化共生社会の在り方学んで
コロナ禍だった開業当初に比べ、お客さまとスタッフによる交流のプログラムが増えています。一緒に歌ったり楽器を演奏したり弓矢を試したり、世代を問わずアイヌ文化を体感できます。
最近の教育旅行では、生徒による探究学習への取り組みがテーマになっており、「ウポポイ」でも同じ地域の登別・洞爺エリアと連携し、共生社会実現の探究学習プログラムを提供しています。
全国からの高校生の皆さんが、このプログラムで「ウポポイ」をはじめ、登別・洞爺エリアを巡り、地域の人たちとの交流やさまざまな体験をすることで、テーマである共生社会の在り方を考える気づきを得ていただくことができると考えています。事前学習、現地学習、事後学習をサポートしますので、ぜひ、ご活用ください。
また、夏休み期間には、子供も大人もみんなで楽しめる体験やものづくりワークショップを企画しております。スタッフとも交流し、アイヌ文化に触れ、感じ、楽しんでいただきたいと思っています。
園内ではワークシートを配布していますので、夏休みの自由研究にも活用いただくなど、「ウポポイ」での1日を夏の良い思い出にしてもらえればと思います。多くのお客さまの来場をお待ちしております。
村木本部長
■アイヌ民族と文化
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