北海道新聞 2025年6月26日 21:29(6月26日 21:47更新)
4月下旬に那覇で開かれたシンポジウムに参加した井上千晴さん(左端)、八重樫志仁さん(左から2人目)
アイヌ民族や研究者らでつくる「森川海のアイヌ先住権を見える化するプロジェクト」の取り組みが活発化している。昨年10月、アイヌ民族と北海道の自然との関わりをインタビュ―などで解説したウェブサイトを開設。4月下旬、那覇市でシンポジウムを開き、北海道の先住民族であるアイヌ民族と、約150年前に日本に併合された琉球王国にルーツを持つ琉球民族とが連帯を深めた。アイヌ民族でプロジェクト代表の八重樫志仁さん(63)=浦河町=は「同じ先住民族として権利回復を訴えたい」と話している。
プロジェクトは2022年5月に、アイヌ民族や研究者ら10人で結成。アイヌ民族と北海道の自然との関わりを可視化することで先住権への理解を広げようと、米国の慈善団体「デビッド&ルシル・パッカード財団」の助成を受け、サイト(https://mori-kawa-umi.com/)を開設した。103種類の言語に対応し、古老9人分のインタビュ―や、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」全文など記事約200本を掲載している。
世界で関心のある人々に情報を届けることに加え、国内で同じ境遇にある人々との連携も模索する。4月26日、那覇市の沖縄県男女共同参画センターで、同プロジェクトの報告会として開催し、約50人が参加した。
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