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資源ブーム、先住民の雇用創出に追い風[労働]

2012-01-30 | 先住民族関連
NNA.ASIA オーストラリア 2012年1月30日(月曜日)

 資源ブームが続く豪州では先住民アボリジニの雇用者数が急増している。特に西オーストラリア(WA)州の資源業界では今後、多数の労働者が必要となるとみられ、先住民の雇用促進に拍車を掛けるほか、先住民以外の豪州人との雇用格差縮小をもたらすことが期待される。29日オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが報じた。
 豪国立大学(ANU)のグレー教授は、「過去20年の良好な豪州経済の成長は先住民の雇用創出に貢献しており、特に資源各社は大きな役割を果たしてきた」と指摘。「リオ・ティントやフォーテスキュー・メタルズ・グループ(FMG)など資源大手の労働者のうち先住民の比率は10%に上り、OZミネラルズなど資源各社は労働者の勤務継続と技術向上に向けて研修プログラムを続けている」と述べた。
 ANUアボリジニ経済政策調査センターによると、豪州の先住民族の雇用率は豪州平均を下回ったものの、1994年は30%、2008年は50%に上昇したという。
 WA州鉱業・エネルギー会議所(CME)のスミス代表によると、WA州の資源業界に従事する労働者10万人のうち、先住民の労働者数は約4,000人。同代表は、「資源各社は今後18カ月で労働者3万人の追加が必要だ」と述べ、先住民族の雇用への注力が急務となっている、との見方を示した。
■首相包囲事件で側近辞職
 ギラード首相が26日、キャンベラで行われた「オーストラリア・デー」の式典会場で先住民アボリジニの活動家約200人に包囲され、警護要員に抱きかかえられるように会場を脱出する事件が起きた。アボリジニが土地権利の主張を訴えて1972年に旧連邦議会前に設置した「テント大使館」について野党連合(自由党・国民党)のアボット自由党党首が撤去するべきとの考えを示したことが原因。ギラード首相のほか、同じく式典に出席していたアボット党首にけがはなかった。これについて、ギラード首相のメディア・アドバイザーのトニー・ホッジズ氏がアボット党首の居場所を活動家に漏らしたとして、27日夜に辞職した。
 オーストラリアンによると、事件当時、アボット党首はテント大使館に近いレストランでギラード首相と共に式典に出席していた。アボット党首の居場所を把握した活動家は同レストランに向かい、窓ガラスをたたくなどの抗議を行った。今回の事件を受けて野党連合は28日夜、警察当局にアボット党首の居場所の漏えいに関する捜査を要請した。
 ギラード首相は29日、「今回の情報漏えいはホッジズ氏単独によるものだ」と説明。ホッジズ氏が活動家にアボット党首の居場所を伝えた時期についてはコメントを避けた。アボット党首は今回の事件について、「1970年代以後、豪州の国家指導者に対する最も深刻な保安違反だ」と述べ、警察当局に徹底的な捜査を訴えた。
http://news.nna.jp/free/news/20120130aud004A.html
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